東京交響楽団第82回新潟定期演奏会
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2014年3月2日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:大植英次
コンサートマスター:大谷康子
 


バーンスタイン/ハーモン:「キャンディード」組曲

チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

(休憩20分)

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64
 
 

 昨年11月以来、久しぶりの東響新潟定期です。今年度最後の定期は大植英次の登場です。大植さんの新潟への来演は、2006年6月に、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーとの演奏会以来です。今回も熱い演奏を聴かせてくれるものと期待して、楽しみしていました。

 昨夜は旧友と飲み明かして、頭がガンガン。ワインバーで飲みすぎたつけが回ってきました。ちょっと体調はすぐれませんが、良い音楽を聴いてリフレッシュせねばなりません。このコンサートの前に、聴きたいコンサートもあったのですが、今日はこれ1本にしぼりました。

 早めに会場入りし、ゆったりと開演を待ちました。ポピュラーな演目ですので、客の入りは良いものと想像していたのですが、いつもより若干多いくらいでした。
 いつものように拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立して拍手に応え、最後に大谷さんが登場して、一段と大きい拍手が贈られました。

 小柄な大植さんが登場して、最初は「キャンディード組曲」です。序曲はしばしば演奏されますが、組曲を聴くのは初めてです。バーンスタイン没後の1998年に編曲され、翌1999年1月に大植さん指揮のミネソタ管によって初演されたそうです。
 全8曲が切れ目なく演奏されましたが、分厚い東響のゴージャスなサウンドがホールを満たしました。大谷さんや西谷さんのソロもきれいであり、心にしみるメロディがあったりして、楽しめる音楽でした。さすがに初演者だけあって、聴かせどころをバッチリと決めてくれました。大植さんは指揮台から降りたりもして、余裕たっぷりの指揮ぶりでした。今日の定期の成功を予感させる素晴らしい演奏だったと思います。
 大植さんも良い出来と感じたのか、各奏者を立たせて拍手を贈り、まだ1曲目というのに、もう終演のような状況でした。

 2曲目は、「ロメオとジュリエット」。1曲目が良かったので、この曲もダイナミックに盛り上げてくれるものと期待したのですが、肩透かし。ゆっくり目でメリハリがなく、緩徐部はだらだらとして、締まりがありません。小気味良くリズムを刻んでほしかったですが、切れが感じられません。ということで、ちょっと残念な気分で休憩に入りました。

 後半はメインの「チャイ5」。これもゆっくり目の演奏でした。緩急の幅が大きく、緩徐部では大いに歌わせ、感情のうねりが感じられる素晴らしい演奏でした。と書きたいところでしたが、あまりのゆっくりさについていけませんでした。第1楽章は何とか我慢していましたが、第2楽章はいたたまれない感じで、じっと耐えていました。第3楽章は普通のスピードでまあまあ。第4楽章は打って変わってギアチェンジ。しかし、スピードが上がったかと思うと突然ブレーキがかかったりして、盛り上がりは不十分。感動しきれないまま終演となりました。

 白けている私とは裏腹に、会場内はブラボーの声が飛び交い、大きな拍手が贈られていました。曲自身が盛り上がるようにできているので、それなりの高揚感は得られるのですが、私的には欲求不満というところでした。
 東響の皆さんの演奏は良かったと思います。大植さんの指示に従って、アンサンブルもバッチリ。各楽器のソロもきれいでした。
 大植さんは、譜面台無しで、全身を使って大きい動きで指示を出し、自分の音楽を作り出しているのは良く分かりました。しかし、私の体内リズムと合わず、どうにも私の好みではありませんでした。二日酔いが取りきれず、ボーッとした頭のままコンサートに臨んだのが悪かったのかもしれません。
 
   
   
(客席:2階C*−*、S席:定期会員 \4500)