Revoir(ルヴォワール)は、新潟市ジュニアオーケストラ教室のOBにより2013年に結成されたアンサンブルであり、フランス語で「再会」を意味するそうです。卒団後にそれぞれの道を歩み、年月を経て再会し、再び音楽を作り上げるなんて、すばらしいことと思います。
ジュニアオケ・ファンを自認し、3月ののスプリングコンサートと9月の定期演奏会は、毎年欠かさず聴いている私としては、この記念すべき第1回演奏会は聴かないわけにはいきません。
今日は、新潟市内各所で、興味深いコンサートが開催され、それも同時刻に開演という困った事態となってしまいました。日時がずれてくれたら良いのにと、ため息が出てしまいます。新潟のクラシックファンは分散せざるを得ないわけですが、どの会場も賑わってほしいですね。
西区某所でラーチャンを食べ、気合を入れてコンサートに臨みました。このホールは国道49号線沿いにあり、車で行くには市内でも最高の場所にあります。我が家からですと、バイパス経由で信号もなく、りゅーとぴあに行くよりずっと早く到着できます。
開場数分前に列に並び、正面に席を取りました。客の入りは満席にはなりませんでしたが、それなりの入りでしょうか。
最初はラターの弦楽のための組曲です。編成は、弦5部が、4-4-2-3-1。最初の音を聴いて、「うまい!、きれい!」と驚きました。全国から集まったOBによる臨時編成のアンサンブルのはずですが、いきなりのきれいなアンサンブルに感激しました。卒団後年月を重ねられ、演奏の腕を磨かれているのでしょうから、当然なのかもしれませんが、安心して音楽に浸れる演奏でした。
ラターというと「レクイエム」は愛聴していますが、この曲は知りませんでした。親しみやすい曲であり、素晴らしい演奏と相まって、最初から大満足でした。
コントラバスの別森さんの挨拶があったあと、2曲目はOBである紫竹さんを迎えて、ハイドンのチェロ協奏曲です。紫竹さんは、現在名古屋を中心に活動されておられますが、その素晴らしさは新潟にも伝わってきています。おそらくは新潟での協奏曲演奏は初めてじゃないかと思うのですが、紫竹さんの実力を知るに絶好の機会と楽しみにしていました。
編成が変わり、弦5部は4-4-2-2-1。これにホルン2、オーボエ2が加わりました。演奏は予想以上のもので、驚きを感じました。ちょっと荒削りな面もありましたが、バックのサポートも万全であり、伸び伸びとした演奏を聴かせてくれました。ときどき見せる笑顔もチャーミングであり、演奏を楽しんでいるように感じられました。磨き上げれば輝きはさらに増すものと思います。この曲を、こんなに生き生きとした演奏で楽しんだのは初めてのように思います。
紫竹さんの挨拶があって、アンコールに「花は咲く」が演奏されました。感情豊かに朗々と音楽を奏で、思わず涙がこみ上げてきました。聴き応えのある演奏が続き、前半のプログラムだけで十分満足できました。
休憩後は、編成が4-4-2-5-1になって、チャイコフスキーです。さきほど素晴らしい演奏を聴かせてくれた紫竹さんもメンバーに入っておられました。
この演奏も前半同様に素晴らしかったです。出だしからふっくらとした厚みのあるサウンドで、「きれいだなあ・・」とため息。別森さんのコントラバスに支えられて、豊潤なサウンドがホールを満たしました。第3楽章冒頭などは心に染みました。疾走して燃え上がるような終楽章もお見事。
団長の笛木先生の挨拶があって、アンコールは「リベルタンゴ」。情熱的なタンゴのリズムと、乱れのない弦楽アンサンブル。コンミスとヴィオラの掛け合いも良かったです。
久しぶりの精神的高揚を感じる中、終演となりました。演奏する側も、聴く側も、音楽の素晴らしさを共有できたのではないでしょうか。アンサンブルをまとめあげたコンミスの河本さんにブラボーを贈りたいと思います。
まだ気が早いかもしれませんが、今の所今年のベストコンサート候補に上げたいと思います。少なくとも、先月のベルリンフィル八重奏団より心に響いたように思います。
第1回でこれだけの演奏を聴かせてくれて、第2回はどうなるんだろうと、今から期待が膨らみます。これで終わることなく、毎年回を重ねていくことを祈りたいと思います。
(客席:5−17、\500) |