ストラディヴァリウス サミット・コンサート2013
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2013年6月2日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ベルリン・フィルハーモニック・ストラディヴァリ・ソロイスツ
 

モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 KV.138

グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」 作品40

メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲 第10番 ロ短調

(休憩20分)

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」より 「四季」

(アンコール)
イエッセル:おもちゃの兵隊のマーチ
チャイコフスキー:弦楽のためのセレナーデより ワルツ
 
 

 先週からの風邪がこじれて、体調は最悪です。今日のコンサートもどうしようか悩みましたが、せっかくのチケットを無駄にするのももったいないので、ちょっと無理して行って来ました。

 今日は各ホールとも催しが重なり、陸上競技場でもアルビ・レディースの試合があって、駐車場は満車。少し離れた駐車場から急ぎ足でかけつけました。ホールに入ると、それなりの客の入り。S席エリアは空席がありましたが、ステージ周りは結構な入りです。

 このコンサートは1993年以来、2年ごとに日本でのツアーを行っており、新潟にも何度か来演していますが、私は初めてになります。幻のヴィオラ「マーラー」ほか、総額90億円といわれる11台のストラディヴァリウスの歴史的銘器を、ベルリン・フィルのトップメンバーが演奏するというのが魅力です。

 編成は、第1ヴァイオリン:4、第2ヴァイオリン:3、ヴィオラ:2、チェロ:2、コントラバス:1、そしてチェンバロです。チェロとチェンバロ以外は立っての演奏です。

 最初はモーツァルトのディヴェルティメントです。いい音だなあというのが第1印象でした。柔らかな弦の音が、ホールに響き、包み込まれるような感覚でした。つい最近、我らが新潟市ジュニアオケの弦楽メンバーの演奏を聴いていますが、比較のしようはありませんね。

 続くグリーグもメンデルスゾーンも、素晴らしいハーモニーでした。さすがにストラディヴァリウスは違うなあ、というような柔らかな音色に、うっとりと聴き入りました。もっとも、ベルリン・フィル・メンバーの演奏のすばらしさがあってのことですけれど。

 後半は「四季」。新鮮味のない演目だなあと思っていたのですが、演奏は期待以上のもので、全く飽きさせませんでした。春、夏、秋、冬で独奏者を変えての演奏で、これが面白かったです。奏者の違いもありますが、楽器の音色の違い、鳴り方の違いがはっきりとわかりました。

 演奏も斬新さがあり、聴き飽きたようなこの曲に、新たな息吹を与えていました。春の第2楽章では、ヴィオラの1人がステージ右奥で演奏し、立体的な演奏効果をあげていました。秋の第3楽章では、弦を強く弾くようにして、これまで聴いたことのないような音色を作り出していました。

 アンコールでは、流暢な日本語での挨拶があり、スポンサーのキューピーに敬意を表して、お馴染みの「おもちゃの楽隊のマーチ」を演奏し、さらにはチャイコフスキーの弦楽セレナーデで締めて終演となりました。

 楽器の素晴らしさは言うまでもありませんが、演奏がそれ以上に良かったです。さすがにベルリン・フィルのメンバーだけはありますね。

 体調最悪で、咳き込みを抑えながらの音楽鑑賞でしたが、無理して来て良かったです。楽器の良さ、演奏の良さ、そしてホールの良さ。全てが相まって、束の間の幸福な時間を過ごすことができました。
 

(客席:2階C6−2、S席:会員割引¥8820)