今日は他にも聴きたいコンサートが重なっていたのですが、昨秋のチケット発売時に、勢いで買ってしまっていたこのコンサートのチケットを無駄にするのももったいないので、後ろ髪を引かれながらも、このコンサートに行くことにしました。日時がずれてくれたらいいのにねえ・・・。
「クラシック日本人ピアニスト 史上最年少CDデビュー」というキャッチコピーが示すように、マスコミでも度々取り上げられている今話題のピアニストです。その牛田さんの新潟デビューを見届けることにしましょう。
ここ数日、比較的過ごしやすい天候が続き、今日も晴れ間が見えたりして、心地よい日曜日になりました。今日は各ホールとも公演が重なり、駐車場も混雑していました。
県民会館では幼児向けのキャラクターショーがあり、たくさんの親子連れで賑わっていました。りゅーとぴあに着きましたら、ホワイエに人があふれていました。
ホールは老若男女でいっぱい。ほぼ満員の大盛況です。ピアノのコンサートで、これほどの人が入ったのは久しぶりじゃないでしょうか。最近の私の記憶にはありません。昨年のツィメルマンでさえ満席にならなかったというのに、この盛況は何?と、驚きは禁じ得ませんでした。
牛田さんが登場して、開演です。子供っぽい容姿とは裏腹に、落ち着いた演奏です。じっと鍵盤を見つめ、しばし精神集中した後、少年から芸術家へと豹変します。この落ち着いた間の取り方には感心しました。
演奏は期待に違わぬもの。音に透明感があり、ゆったりと情感を込めた演奏です。高音のクリアな輝きも良かったです。目を閉じて聴いていると、とても13歳の少年の演奏とは思えませんでした。激しいパッセージでは、華奢な体からは想像できないような力強い打鍵で、音量も十分でした。この年で、こんな演奏をするなんてと恐ろしさすら感じましたが、アンコールで子供らしさを演出し、ほっとさせてくれました。
新潟デビューコンサートということで、小品を並べたプログラムでしたが、2時間以上のリサイタルをこなすなんて、やっぱりたいしたものと思います。会場に知人の顔がありましたが、すばらしかったと感動されていました。
そういえば、中国の若手ピアニスト・牛牛(ニュウニュウ)のリサイタルが、2010年8月に、りゅーとぴあでありましたが、その時の年齢がやはり13歳。今日の牛田さんと同じ年齢です。「牛牛」と「牛田」、同じ牛同士ですが、客の入りは牛田さんの大勝。演奏も牛田さんの方が良かったかもしれません。
CDやカレンダーの売れ行きも良く、終演後サイン会の長い行列ができていました。これほどまでの人気はどこからくるのでしょうか。可憐な容姿ということではなく、演奏の素晴らしさが心を打つものと思います。これからどのように成長されるのか、見守りたいと思います。
(客席:2階C2−9、3000円) |