三船さんは、昨年11月の新潟交響楽団定期演奏会で、すばらしいラプソディ・イン・ブルーを演奏し、感動させていただきました。その三船さんが来演すると聞き、是非聴きたいと思いました。
しかし、今日は東響新潟定期の日。これに行かねばなりません。でも、三船さんも聴きたいし・・。会場は五泉市、それも旧村松町。りゅーとぴあまでの時間もみなければなりませんので、時間的に無理があります。いろいろ思案しましたが、結局三船さんのコンサートを前半だけ聴いて、東響定期に向かうことにしました。
ということで、旧村松市街の中心にあるさくらんど会館に向かいました。旧村松町役場の向かいにあります。混み合っているかと予想していましたが、駐車場も余裕があり、ひっそりとしていました。
当日券を買って入場。体育館風の平土間のホールです。ステージには立派な音響反射板があり、不釣合いで、ちょっと違和感がありました。ステージの上にはピカピカのベーゼンドルファー・インペリアルが鎮座。
失礼ながら、こんな田舎のこんなホールにベーゼンドルファーがあるなんて、贅沢であり、宝の持ち腐れじゃないかと思ってしまいました。ここだけでなく、新潟県内には、なぜかベーゼンドルファーが多くあります。どうしてなんでしょう。(→音楽ホールのピアノ)
さて、平土間のホールの床には緑色の絨毯が敷かれ、安っぽいパイプ椅子が置かれていました。大きなホールの前方にだけ椅子が並べられ、椅子の間隔も広く、ゆったりとしていました。椅子は自分の好きな場所に移動して座ることができました。客は150人程度でしょうか。クラシックコンサートというよりは、村ののど自慢大会でも始まるような雰囲気でした。
ホール内は空調の音がうるさく、とても音楽を聴く雰囲気ではなかったですが、開演前に止められて静かになりました。それでもブーンという雑音が聴こえていました。
ブルーのドレスを着た三船さんが登場して開演です。相変わらずお美しいですね。ショパンが2曲続けて演奏されましたが、ちょっと重たく、どこかしっくり来ないような印象でした。
その後、小出郷文化会館の榎本さんが登場して、三船さんとのトークを交えながら演奏が進められました。榎本さんは、小出郷文化会館でコンサートの企画をされており、話も上手で、いやみがなく、大変良かったです。
トークの中で語れたのですが、三船さんは昨日から五泉入りして、ベーゼンドルファーを弾きこんでいたそうです。昨日・今日と2時間ずつ弾いて、漸くピアノに慣れたところだそうです。いくら立派なピアノでも、使い込まれていないと演奏しづらいものと思います。
昨夜は咲花温泉に宿泊したとのことであり、新潟の温泉も楽しまれて何よりと思います。。
ベートーヴェンの悲愴は、最初はちょっと重たい印象がありましたが、なかなか良かったです。予想通り楽章間には拍手が入りました。第2楽章の後は拍手を無視して第3楽章に進みました。
前半のプログラムは、ベーゼンドルファーを念頭に選んだ曲だそうで、特に前半最後のシャコンヌは、インペリアルだけが持つ低音域に余分に付いている黒く塗られた鍵盤を使うため、最後はあえて1オクターブ下げて演奏すると話されていました。このシャコンヌは聴き応えがあり、分厚い低音の響きに載った、豊潤なピアノの輝きに感銘しました。
平土間の、とても音楽ホールとは思えないホールですが、良く言えばシューボックス型とも言え、意外にも響きは悪くありませんでした。演奏の間空調が止められ、気温が上昇し、三船さんは汗を拭き拭き演奏されていました。
ここで、休憩に入りましたが、東響定期に向かうべく、会場を後にしました。後半は、コープランド、バーバー、ピアソラという魅力的なプログラムがあり、聴きたかったのですが、涙をのみました。前半だけでも結構楽しめましたので、良しとしましょう。
(客席: 全席自由、当日券:¥1200) |