フレッシュ名曲コンサート  宮本文昭 指揮 東京交響楽団 with 近藤嘉宏
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2012年9月2日(日) 14:00  東京芸術劇場コンサートホール
 
指揮:宮本文昭
ピアノ:近藤嘉宏
オーボエ:篠原拓也
コンサートマスター:高木和弘
 


モーツァルト:歌劇「魔笛」より 序曲 K.492

モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調 K.314

(休憩20分)

ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 前奏曲

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18 より 第2楽章

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 op.11 より 第1楽章

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より モルダウ

 
 
 

 昨日に引き続いての東京交響楽団、そして東京芸術劇場です。割引切符を有効活用するべく、2日続けての上京です。大宮から湘南新宿ラインで池袋へ到着。上野・山手線経由より早くて良いですね。

 このコンサートは東響のホームページにも出ていませんし、一般には知られていないかもしれません。東京都歴史文化財団と都内区市町村との共催で都内各地で開催されている「フレッシュ名曲コンサート」のひとつで、この公演は豊島区との共催ということになります。そういえば、2002年12月に、練馬区でのフレッシュ名曲コンサートを聴いたことがありました。低料金が魅力のコンサートですが、東京芸術劇場の地元の豊島区の方々がほとんどと思われ、新潟から聴きに来たのは私くらいでしょうね。

 昨日同様に、前の広場では大道芸人のパフォーマンスが行われていて、賑わっていました。エスカレーターで5階に上がって、入場しました。昨日来たばかりですので、スムーズに座席に到着です。

 今回の席も予算の都合により、最安席です。3階席の中段ですので、ステージははるか下に見下ろしますが、視界は良好です。やはり、このホールは広く、容積も大きいですね。昨夜の空席だらけの川崎と違って、ほぼ満員の大盛況です。

 例によって、拍手のない中、団員の入場です。新潟方式に慣れていると、もの足りなく感じます。今日のコンマスは、昨日同様に高木さんです。その横は廣岡さんです。チューニングを始めても場内はざわついていて、照明が落とされて漸く静かになりました。

 指揮は、宮本さん。オーボエをやめて指揮活動に専念し、東京シティフィルで活躍されていますが、実際の演奏を聴くのは初めてです。

 小走りに宮本さんが登場して「魔笛」序曲です。東響はなかなかいい音を出していました。昨夜の川崎市教文化会館と違い、リニューアルオープンしたばかりのコンサートホールですから、音響的には段違いであり、透明感のある響きは豊かです。しかし、3階席からはステージは遠く、音に包まれるというような感じはしません。遠くから眺めているという感じになってしまいます。値段相応であり、1階席・2階席で聴く印象とはだいぶ違うものと思います。演奏は良かったです。宮本さんの指揮はテレビでは見たことがありましたが、生演奏は初めてでした。予想以上にしっかりとした演奏で驚きました。なかなかやりますね。

 続いては、篠原さんによるオーボエ協奏曲です。この篠原さんは、東京音大の4年の学生さんで、宮本さんの弟子でもあります。また、最初は東響の誇るオーボエ奏者の荒さんの指導も受けていたそうです。荒さんは宮本さんの弟子ですから、孫弟子ということにもなります。つながりが面白いですね。
 演奏はしっかりしていて、良かったのですが、音色的には問題ありというのが私の感想です。音が細く、やせた響きでした。第2楽章の緩徐部や、カデンツアなど、丁寧に歌わせようとしていましたが、空回りだったかもしれません。でも、まだ学生さんですから、これから研鑽を積まれるものと思います。
 演奏後宮本さんとの楽しいとトークがありましたが、出演料をもらっての演奏は今日が初めてなんだそうです。フレッシュで良いですね。

 休憩後、再び拍手のない中楽員が入場。チューニングが終わっても場内は静かにならず、照明が落ちて漸く静まりました。
 後半の最初は「マイスタージンガー」です。迫力ある演奏にはなっていましたが、イマイチまとまりに欠け、音のバランスも悪く感じました。崩壊寸前のぎりぎりのところで、東響の皆さんが頑張ってくれました。

 続いては、近藤さんとの共演で、ラフマニノフとショパンです。どうしてこういうプログラムにしたのか理解ができませんが、演奏は良かったです。1楽章ずつの断片的な演奏でしたので、評価はできませんが、聴かせどころをしみじみと聴かせてくれました。名曲コンサートにはピッタリの演奏だったと思います。どうせなら、どちらか1曲にしぼって、全曲演奏してほしかったですが。

 ここで、前半同様に、宮本さんとのトークが入りました。楽しい話ではありましたが、そんなトークより、ソリストアンコールがほしかったです。

 最後は「モルダウ」です。お馴染みの名曲をそつなく演奏して終演となりました。アンコールがあったものと思いますが、帰りを急ぐため、早く会場を後にしました。
 なにせ、3階からロビー階に下り、さらに地上に下りるまで時間をみないといけませんので、池袋からの湘南新宿ラインの時間との兼ね合いで、ぎりぎりのところで退席となりました。

 2日続けての東響でしたが、聴き慣れたオケは良いですね。昨日も感じましたが、東京芸術劇場は容積が大きすぎ、響きはクリアではあるものの、音が散漫になるように思います。なるべくステージに近い席で聴いた方が良さそうに思います。3階席ではステージから遠すぎるようです。何だかんだ言っても、聴き慣れたりゅーとぴあの響きの方が好きです。

 明日は朝早いので、大急ぎで帰宅しましたが、7時には家に到着し、家族全員で夕食をゆっくり食べることができました。やはり大宮経由は早いですね。

 音楽漬けの2日間でしたが、心地良い疲労でした。音楽って良いですね。来週は東響新潟定期です。1週間みっちり働き、コンサートを楽しみに待ちましょう。
  

(客席:3階G−49、C席:2000円)