東京交響楽団第72回新潟定期演奏会
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2012年7月16日(月・祝) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:秋山和慶
ピアノ:児玉 桃
コンサートマスター:長原幸太
 



モーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲 K.588

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488

(休憩20分)

細川俊夫:ピアノとオーケストラのための<月夜の蓮>

モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
 
 

 今日の東響新潟定期は日曜日ではなく、休日とはいえ、月曜日の開催となりました。土曜日午後に行われた「東京オペラシティシリーズ第68回」と同じ演目であり、本来翌日の日曜日が本来のパターンなのですが、日曜日は川崎(武蔵小杉)でスダーン指揮によるモーツァルトマチネがありましたから、月曜日に変更になったものと思います。休みなしの3連続公演で、新潟までの移動もあり、東響の皆さんは、大変お疲れ様です。

 さて、今回は桂冠指揮者・秋山先生の登場です。今年1月の第69回新潟定期以来半年振りになります。そのときはベートーヴェンでしたが、今回はモーツァルト。ピアノ協奏曲のソリストは児玉桃。新潟初登場かと思います。
 また、細川俊夫の曲は、今夜演奏される23番の協奏曲の第2楽章と関連しているとのことであり、どんな曲であるのか楽しみです。初演のピアニストが児玉桃であったというので、好演が期待されました。

 昨日までは梅雨空で、天候はすぐれませんでしたが、今日は朝から青空が広がり、日差しが眩しく、気温もじりじりと上昇しました。車の外気温計は36℃を表示し、今年一番の暑さは間違いありません。

 いつものように、1時からのロビーコンサートを聴き、一旦帰宅して記事をまとめ、夕方再び手直しました。今日は各ホールとも公演が重なり、駐車場は満杯。市役所の駐車場にどうにかとめることができました。

 いつものように、拍手の中団員が入場し、入場し終えるまで起立して待つのが新潟流です。今日のコンマスは、ゲストで、大阪フィルの主席コンマスを務めた長原さんです。新潟には何度か来られていて、以前に聴いた記憶があります。

 秋山さんが登場して、最初は「コジ・ファン・トゥッテ」序曲です。ロビーコンサートのとき予告されましたが、トランペットはナチュラルトランペットでした。オケの合奏の中では、良く分かりませんでしたが、東響のすばらしい演奏に、うっとりと聴き惚れました。特に弦楽の美しさには感動しました。一昨日のOEKも悪くなかったのですが、こうして東響の演奏に接しますと、改めて東響の良さを実感します。

 続いては、児玉さんを迎えて、23番の協奏曲です。ゆっくり目で、もうちょっと軽やかに弾いた方が良かったかなとは思いましたが、お姿同様に、流麗で美しい演奏だったと思います。児玉さんは、体のラインがしっかりと出たタイトな白いドレス。ちょっとセクシーで、ヴィジュアル的にも楽しませていただきました。

 休憩後は、再び児玉さんが登場して、細川俊夫の曲。確かにモーツァルトの23番の第2楽章のメロディは出てきますが、こういう現代曲はどうにも馴染めません。こういう機会でもない限り聴くことはないでしょう。児玉さん、そして東響の演奏はすばらしかったと思います。たまにはこういう精神集中も良いですね。

 最後は、交響曲第29番。これも東響の良さが存分に発揮されたすばらしい演奏でした。秋山さんの指揮の下、安心して音楽に身を任せられるような極上のモーツァルトを堪能することができました。コンマスの長原さんのおかげということでもないでしょうが、弦がいつも以上に美しく、豊潤な響きで感動しました。

 アンコールなして、7時前に終演。外に出るとまだ暑さが残っていました。感動で心も熱く、ウキウキ気分で家路につきました。
 

(客席:2階C5−**、S席:定期会員:¥4500)