ロシア・ナショナル管弦楽団
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2012年6月23日(土) 14:00  横浜みなとみらいホール
 
指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:河村尚子
 



グラズノフ:組曲「中世より」Op.79 〜前奏曲

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16

(ソリストアンコール)
  グリーグ:叙情小曲集より 「君の足元に」Op.68-2

(休憩20分)

チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36

(アンコール)
  グラズノフ:バレエ音楽「ライモンダ」より スペインの踊り

 
 

 久しぶりに土曜の休日をとることができました。温泉好きの私は、当初本日オープンの六日町の温泉に行く予定にしていましたが、こちらを選択してしまいました。JR東日本の「大人の休日倶楽部」の割引切符の利用期間であること、「ぴあ」からこのコンサートの割引チケットの案内が来たことなどあり、せっかくのチャンスを利用しようと考えた次第です。

 昼食を食べ、ホールに到着。席は1階席のなかなか良い場所。割引チケットが出るほどですから、空席が目立ち、7割ほどの入りでしょうか。ほんの2日前にチケットを買ったのですが、良い席が残っていました。

 名物の銅鑼のけたたましい音とともに開演です。拍手の中楽員が入場。オケは、ヴァイオリンが左右に分かれ、コンバス、チェロが左手、ヴィオラ、打楽器が右手という対向配置です。ひな壇は使用されず、ステージは平らです。指揮台には譜面台がありません。

 チューニングが終わり、場内が静まりかえりましたが、指揮者が出てきません。1分ほどでしたが、随分と長く感じられました。場内がざわめき始めて漸くプレトニョフが登場しました。

 最初はグラズノフの「中世より」の前奏曲でした。初めて聴く曲でしたが、叙情的な美しい曲で、オケの弦楽が柔らかく、きれいで、うっとりと聴き入りました。

 続いてはグリーグのピアノ協奏曲です。河村さんは、紫色のドレスが艶やかで、容姿端麗。ヴィジュアル的には私好みです。顔をしかめながら、恍惚の表情で弾く姿にうっとり。
 演奏は、ピアノもオケも、きれいでした。ロシアのオケですから、荒っぽく爆発するかと思いましたが、しっとりと美しい演奏でした。第2楽章はしみじみと心に響き、終楽章は熱く燃え上がりました。
 アンコールも絶品。河村さんは、2010年2月の東響新潟定期で聴いていますが、その時よりさらに気品と円熟味が増したようです。力で押すことはなく、上品さを失いません。ステージ映えするチャーミングなしなやかな身のこなしも良かったです。

 休憩後はメインのチャイコフスキーです。お国ものであり、今回の日本ツアーの基本になる楽曲でもあり、手慣れた演奏のように感じました。オーボエソロも美しかったです。
 しかし、ホールの響きが良すぎた点もあるかもしれませんが、強奏時の音の切れはイマイチのよう思いました。金管の爆発を期待していたのですが、それなりに賑やかではあったものの、ほどほどに抑え、乱れることはありませんでした。その分、私の予想した範囲内の演奏であり、欲求不満も感じないではありませんでした。
 この曲は芸術性がどうのというより、賑やかに、迫力いっぱいに、スカッと演奏して欲しいというのが私の希望。最後はもっとスピードアップして大音響で盛り上げてもらいたかったです。聴きなれたこういう名曲を普通に聴いても面白くないので、もっと下品に演奏しても良かったかなあなどと思うのは私くらいでしょうね。

 アンコールを賑やかに演奏して終演となりました。飛び抜けて感動的というほどではありませんでしたが、まずまず楽しめました。

 終演とともに、みなとみらい線で横浜に出て、東海道線で東京へ、という予定で、帰りの新幹線の指定を取っていたのですが、東横線の人身事故のため、みなとみらい駅でストップ。電車内で発車を待ちましたが、時間は経つばかり。みなとみらい線はあきらめて、JR桜木町駅に猛ダッシュ。汗だくになって、JRで横浜に出て東京に向かいましたが、当然ながら予定の新幹線に間に合わず、指定券を無駄にしてしまいました。うーん、ついていないなあ・・・。
 夜は先週の父の日にもらったプレゼントのお返しに、娘たちに焼肉をご馳走する約束していたのですが、待たせてしまいました。ごめんなさいね。
 

(客席:1階C11−25、特別S席:¥11500)