東京交響楽団第71回新潟定期演奏会
←前  次→
2012年5月27日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ユベール・スダーン
メゾ・ソプラノ:ビルギット・レンメルト
テノール:イシュトヴァーン・コバーチハーズィ
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 



モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」

(休憩20分)

マーラー:大地の歌
 
 

 今が新潟の一番良い季節。好天が続いています。今日も朝から快晴の空が広がり、日差しがまぶしい、すばらしい休日となりました。

 前回の定期から2ヶ月。新年度最初の新潟定期です。最近サントリー定期の演目が少なかったのですが、今日は久しぶりのサントリー定期の演目となりました。音楽監督のスダーンが登場とあって、期待が膨らみました。

 ホールは7〜8割程度の入りです。P席と3階席に空席が目立ちました。新年度の定期会員は増えていないのでしょうか。

 拍手の中楽員が入場。全員揃うまで起立して待ち、拍手に応えていました。これが新潟流です。編成は小さく、ステージ奥の方にまとまって配置。指揮台はありませんでした。

 スダーンさんが登場して、1曲目は「ハフナー」です。この曲を生演奏で聴くのは、1月のアンサンブル・リリック水戸室内管弦楽団に引き続いて、今年に入って3回目です。続くときは続くものですね。

 演奏はきちっとしており、丁寧な演奏でした。もう少し軽やかに、伸びやかに歌うようでも良かったかなという印象を持ちましたが、良い演奏だったと思います。

 後半は編成が大きくなって「大地の歌」です。この曲は、2001年4月の第11回新潟定期演奏会で秋山さんの指揮で演奏されていますので、11年ぶりということになります。
 ステージいっぱいのオケは壮観です。スダーンさんとメゾソプラノのレンメルトさん、テノールのコバーチハーズィさんが登場しましたが、レンメルトさんは大変長身で驚きました。東響で一番背の高いニキティンさんより高く、指揮台に載ったスダーンさんよりも高いくらいでした。アズキ色のドレスがきれいであり、存在感がありました。

 独唱者二人とも良い歌声でしたが、テノールはちょっと弱かったかもしれません。レンメルトさんは素晴らしかったです。

 独唱者以上に東響の演奏が素晴らしかったです。特に管の皆さんが良かったです。フルートの相澤さん、クラリネットのヌブーさん、ホルンのハミルさんなど、各パートとも素晴らしいパフォーマンスでしたが、MVPは、何といってもオーボエの荒さんでしょう。お見事としか言いようがありません。

 これほど充実した演奏は、やはり音楽監督スダーンさんのなせる業でしょうか。楽員の気合の入り方が違っていたように思います。

 いやー、良いコンサートでした。荒さんとレンメルトさんにブラボーを贈りたいと思います。最後の「Ewig」の後の沈黙の時間も良かったです。ブラボー屋さんも我慢してくれてありがたかったです。

 実は、第2楽章で携帯を鳴らし、おまけに鈴まで鳴らしたとんでもない人がいたのですが、そんなことも打ち消してくれるような素晴らしい演奏でした。

 新年度最初の東響新潟定期でしたが、期待以上の演奏を聴くことができて最高でした。外に出ると7時を回っているというのにまだ明るかったです。夏が近付いていることを実感しました。
 

(客席:2階C5−**、S席:定期会員:¥5500)