1時からのロビーコンサートに感激し、その余韻が醒めぬ中、このコンサートに臨みました。今年度最後の定期であり、第70回という節目のコンサートでもあります。今日の演目は、昨日東京オペラシティで行われたものと同じです。
いつものように拍手の中に団員が入場。最後に大谷さんが入場して大きな拍手が沸きました。最初のバッハは小編成で、弦5部は、4−3−3−2−1です。左に第1ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、右にヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置です。左にトランペット3とティンパニ、中央にチェンバロ、右にオーボエ2という編成です。指揮台はありません。
飯森さんが登場して演奏開始。ビブラートをかけないピリオド奏法が新鮮でした。トランペットも良く鳴って「いましたし、弦楽もきれいで良かったです。
次のステージ準備の間に飯森さんのトークがありました。自分の新刊本の宣伝のほか、先日発売された山本真希さんのCDの紹介もしていました。
オケの編成が大きくなり、次はハイドンのチェロ協奏曲です。石坂さんは初めて聴きましたが、テクニック的には申し分なく、チェロも良く響いていました。日本人の父とドイツ人の母を持ち、30代にしてドレスデン音楽大学の教授を務めるという優秀なチェリストです。楽器は1696年製のストラディヴァリウスで、かつてシュタルケルが弾いていたものだそうです。
オケはノン・ビブラートですが、石坂さんはしっかりとビブラートをかけていました。ちょっと平板なオケからスポットライトを浴びたかの如く、浮き上がった感じがありました。
最初は、チェロはグングン飛ばすのに、オケは躍動感がなく、チェロに置いていかれたかのように感じましたが、これはノン・ビブラート奏法のためかと思います。第3楽章はかなり盛り上がりましたが、チェロ独奏にオケが負けていたように感じました。
実はこの曲は、1月の水戸室内管弦楽団東京公演で、聴いたばかりなのですが、そのときの躍動感ある生き生きした演奏に比較すると、全く違う曲に思えるくらいに聴こえてしまいました。
ソリストアンコールはバッハの無伴奏。これもハイドンに負けない素晴らしい演奏でした。ドイツで生活し、日本語も得意じゃなさそうに感じましたが、日本でももっと演奏を聴かせてもらいたいと思いました。
後半はにいがた東響コーラスと独唱者を迎えて、モーツァルトの戴冠ミサです。オルガンは我らが山本真希さんです。
独唱のソプラノ、テノールが輝いていて、合唱の頑張りもあって、聴き応えある素晴らしい演奏でした。大満足のうちに終演かと思いましたが、アンコールにアヴェ・ヴェルム・コルプスを演奏するという大サービスには感激しました。
それぞれが短い曲で、終演も早いかと思っていたのですが、終わってみれば、内容豊富なコンサートとなり、お腹いっぱいというところでした。ピリオド奏法の功罪を若干感じたりもありましたが、満足できた演奏会だったと思います。
(客席:2階C5-**、S席:定期会員、5500円) |