ラ・フォル・ジュルネ新潟2011
111 ダン・タイ・ソン&仙台フィルハーモニー管弦楽団(指揮:井上道義)
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2011年5月6日(金) 20:15  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ピアノ:ダン・タイ・ソン
管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団
指揮:井上道義
 
 
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲 op.72b

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58

  (アンコール) ショパン:ノクターン 「遺作」
 
 
 

 いよいよLFJ新潟の開幕です。オープニングセレモニーに引き続いての公演です。当初は、ケフェレック&ヴュルテンベルク管弦楽団(指揮:ガザリアン)のはずだったのですが、震災と原発事故がらみで変更になりました。ケフェレックを聴けないのは残念ですが、ダン・タイ・ソンが代演するとなれば文句があろうはずはありません。オケも仙台フィルということで、復興支援という意味合いが加わって、最適と思います。

 客席は残念ながら満席ということになりませんが、まずまずの入りというところでしょう。私の席はCブロック2列目中央のベストポジション。右前には市長がおられました。実は、チケット発売初日に行列して買った席は1階席2列目の端であり、オケを聴くには場所が悪すぎました。そこで、後からネットで買い直したのですが、こんな良い席が買えました。行列して買った意味がなかったと悔しい思いがしています。

 拍手の中楽員が入場。仙台フィルを聴くのは今日が初めてです。東北電力主催のコンサートなどで、新潟には何度か来ていますが、抽選に外れて聴けなかったので、漸く念願が叶いました。
 コンミスの神谷未穂さんの美貌もたいしたものですね。そう言えば、神谷さんは礒絵里子と組んでデュオ・プリマとして新潟に来られたことがありましたが、コンミスをやっておられたんですね。

 井上さんが登場し、最初はフィデリオ序曲。指揮棒を持たないでエネルギッシュな指揮ぶりです。オケも煽られるようにして頑張ってました。東響を聴き慣れているので、弦の芳醇さに劣るように感じられ、管も弱くて、ちょっと違和感を感じましたが、逆に新鮮な感じもしました。演奏が終わるや否や、井上さんは客席に振り返り、仙台フィルを称えていました。

 続いてメインのピアノ協奏曲第4番です。ダン・タイ・ソンさんのピアノの音色は美しく、クリスタルのような輝きと透明感。うっとりと聴き惚れていました。オケも次第にエンジンがかかって乗っていました。井上さんの熱気あふれる指揮にオケも良く応え、ダン・タイ・ソンさんを盛り上げていました。これは一期一会のすごい演奏じゃなかったでしょうか。大満足でした。会場もブラボーの嵐。

 拍手に応えて、ダン・タイ・ソンさんは日本語で挨拶をした後、震災被災者に捧げて、アンコールにノクターンが演奏されました。心に響く、絶品のショパンでした。拍手がもう2秒遅いと良かったのですけれど。

 ダン・タイ・ソンさんのすばらしいピアノに酔いしれ、仙台フィルの頑張りと、元気あふれる井上さんに、会場は熱気に包まれました。仙台頑張れの声も掛けられ、拍手は鳴り止みませんでした。
 

(客席:2階C3−21、2000円)