田部京子・矢部達哉・古川展生 ソロ・デュオ・トリオ
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2011年4月24日(日) 14:00  新潟市音楽文化会館
 
ピアノ:田部京子
ヴァイオリン:矢部達哉
チェロ:古川展生
 
 
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007より 
    「プレリュード」「サラバンド」「メヌエット」「ジーク」

サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より 「白鳥」

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第28番 ホ短調 K.304

シューベルト(吉松隆・田部京子編):アヴェ・マリア

リスト:リゴレットパラフレーズ

(休憩20分)

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 op.97 「大公」

(アンコール)
ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 より 第3楽章
 
 

 今日は朝起きたら青空が広がっていて、さわやか気分でしたが、昼になるにつれて天候が怪しくなり、雨がぱらついたりしました。風が冷たく、少し肌寒さも感じましたが、大崩れせず、再び晴れ間が出てきて一安心しました。

 今日は各ホールとも公演があり、おまけに陸上競技場では大会があったりして、白山公園駐車場は満車の掲示。でも何とか駐車できました。公園の桜は散り始め、地面はピンク色に染まって大変きれいでした。花見の宴を楽しんでいるグループが多数あり、皆さん春を満喫されているようでした。

 今日の公演は自由席でしたので、桜吹雪の中、早めに音文に急ぎました。すでに開場待ちの人が多数並んでいて、その列に加わりましたが、椅子が用意されていて助かりました。開場時間となり、前方正面に席を取り開演を待ちました。

 最初は古川さんのソロで、バッハの無伴奏が演奏されました。ちょっと速めのテンポでしたが、朗々とした響きはきれいでした。
 続いては古川さん、田部さんのデュオで、白鳥。うっとりと聴き入りましたが、小曲なのですぐに終わって残念に思いました。
 次は矢部さん、田部さんのデュオでモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ。矢部さんのヴァイオリンはいぶし銀のような渋さを感じました。優しい音色は心和ませます。
 そして、前半最後は田部さんのソロ。曲目変更されて演奏された「アヴェ・マリア」は、ジーンと心に響き、演奏が終わって拍手が始まるまでの数秒の静寂が演奏のすばらしさを物語るものと思います。続くリストはダイナミックかつ優雅なな演奏で、聴く者を圧倒しました。弾くお姿もきれいでした。

 後半はメインのトリオです。田部さんを中心に3人の挨拶があった後、「大公」が演奏されました。3人の息遣いが伝わり、迫力ある演奏を聴かせてくれました。
 アンコールにドビュッシーが演奏されましたが、これが「大公」以上の名演奏。これを全曲聴けたらなあ、などと思い巡らせていました。

 3人それぞれが、個性を発揮し、ソロ、デュオ、トリオで楽しませてくれました。バラエティに富んで良かったといえますが、ちょっと一貫性がないともいえます。それぞれ単独でじっくり聴きたい気分でした。でも、名手3人をまとめて聴けたことは良かったです。
 個人的には田部さんのダイナミックなピアノが一番良かったように思います。緑のドレスがきれいであり、優雅さの中に貫禄も感じました。矢部さんは病み上がりということもあってか、輝きが少なかったように感じましたが、気のせいでしょうか。

 4時前に終演。外に出ると青空が広がり、公園は花見客で賑わっていました。桜を楽しめるのもあとわずか。これから緑が美しい季節が待っています。
 

(客席:6−9、全席自由:4000円)