新潟交響楽団 第87回定期演奏会
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2010年11月21日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮: 松沼俊彦
チェロ:花崎 薫
 
 
 

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」 Op.26

エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85

(アンコール:チェロ独奏) 曲目不詳


(休憩15分)


チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64


(アンコール) エルガー:愛の挨拶


 
 
 
 

 今週は穏やかな天候が続き、今日も朝から快晴の空が広がり、心地よい日曜日になりました。行楽日和ではありましたが、潟響定期は外せません。

 西区某所でラーチャンを食べ、早めに駐車場入りし、やすらぎ堤を散歩しました。日差しが暖かく、信濃川の川面を吹き抜ける風がすがすがしく感じられました。まさに小春日和。2割引セール中のコンチェルトでCDを買い、白山公園を散策しながらりゅーとぴあへと向かいました。
 開場の列に並んで入場。いつものCブロックは指定席でしたので、3階正面最前列に席を取りました。ステージ周りを除いてはまずまずの入りというところでしょうか。
 
 松沼さんが颯爽と登場し、「フィンガルの洞窟」で開演です。なかなかきれいな演奏であり、いつしかまどろみの世界へ誘われました。きれいなアンサンブルでしばし癒しの時間をいただきました。

 続いては、新日本フィル首席奏者である花崎さんとの共演で、エルガーのコンチェルトです。最初の悲しげな独奏から演奏に引き込まれました。松沼さんの熱き指揮に潟響の皆さんが見事に応えて、情熱的演奏をしてくれました。それに反して、花崎さんは冷静に、ちょっとクールな演奏であり、その対比がまた面白かったです。この曲は最近東響新潟定期で演奏されていますが、アマチュアとしては新潟初演だそうです。見事な演奏だったと思います。アンコールに応えて、花崎さんが1曲演奏し、休憩に入りました。

 休憩時間に受付では大きな怒鳴り声が上がっていました。何があったのかは分かりませんが、ちょっと悲しい気分になってしまいました。

 後半は編成が大きくなってチャイコフスキーの5番です。前半同様に、松沼さんの身振り・手振りの大きい、全身を使った情熱的な指揮に、潟響は見事に反応し、燃え上がるような演奏をしてくれました。クラリネットやホルンのソロも決まって、素晴らしい演奏でした。第3楽章など、ちょっと息切れしたような部分もないではないですが、アマチュアであることを忘れさせる盛り上がりを見せてくれました。こんな爆発するような演奏を潟響がしてくれるなんて大したものです。

 アンコールは燃え上がった心を鎮めてくれる「愛の挨拶」。さすがにこれはアンサンブルの乱れも感じましたが、濃厚な演奏の後にはぴったりのデザートでした。

 最近の潟響の演奏のレベルアップは目を見張ります。船橋さんの指揮で一皮向け、松沼さんを迎えて燃え上がっています。次回の定期はシベリウスの2番、その次はマーラーの1番が予定されています。今から楽しみです。その前に、来月は第九の演奏も控えています。松沼/潟響の演奏から目が離せません。

 外に出ると快晴の西の空は夕焼けに染まっていました。今日のような穏やかな日が続いてほしいと祈りながら帰宅の途に付きました。
  

(客席:3階 I 1-9、自由席:1000円)