ネーベル室内合奏協会 第62回定期演奏会
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2010年10月3日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
演奏:ネーベル室内合奏協会
コンサートマスター:佐野正俊
 

 
J.S.バッハ:3台のチェンバロのための協奏曲 ハ長調 BWV1064

             音楽指導・第1チェンバロ:岡田龍之介
             第2チェンバロ:師岡雪子
             第3チェンバロ:井山靖子


リュリ:舞曲集 =バロック・ダンスとともに=

             構成・音楽指導:柴田雄康
             バロック・ダンス:小川洵子、岩佐樹里
             (バロック・ダンス監修:浜中康子)

(休憩:10分)

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 Op.8 「四季」

             ヴァイオリン:加藤えりな
             チェロ:渋谷陽子
             音楽指導・チェンバロ:岡田龍之介


アンコ−ル:「四季」より 「冬」第2楽章
         

       

 
 

 新潟でバロックを研究し、演奏するネーベル室内合奏協会は、今年結成40周年であり、今日はその記念演奏会です。10周年ごとの記念演奏会では「四季」を演奏しているそうであり、今回のメインも「四季」となっています。また、前半にはバロック・ダンスとの共演があり、これも興味深く思われました。
 毎年の定期演奏会で素晴らしい演奏を聴かせてくれるので、今日も楽しみにしていたのですが、風邪気味で体調不良。頭がボーッとしたまま会場に向かいました。

 客席は1階席、2階席のみ使用され、3階席は閉鎖されていましたが、なかなかの混みようで、私が席を取ったCブロックは満席でした。

 楽員が入場。奥村先生を始めとして、そうそうたる賛助出演者を加え、弦5部は5−5−3−2−1という編成です。チェンバロの3人が登場して、最初は3台のチェンバロのための協奏曲です。歯切れのよい軽快な演奏で楽しませていただきました。ボーッとした頭のままコンサートに臨みましたが、目覚めさせていただきました。初めて聴く曲ですが、3台のチェンバロは豪華ですね。

 続いて舞台転換が行われ、オケはステージ左に移動しました。リコーダーの2人が加わり、チェンバロの2人は打楽器を演奏します。演奏だけの序曲の後、男女に扮したダンサーが2人登場して、演奏に合わせて優雅なバロック・ダンスが踊られました。フランスの貴族が宮廷で踊るダンスが再現され、見る方も優雅な気分になりました。
 その後ダンサーが一旦退場して演奏だけが続き、ピンクとブルーのドレスに衣裳換えした2人が再登場しました。2人とも優雅な貴族の女性に扮し、前半よりは高度なダンス(劇場用ダンス)を披露しました。
 2人のダンスは素晴らしく、優雅な身のこなしにうっとりと見とれました。演奏ももちろん素晴らしかったです。舞曲ですからダンスとの共演で、演奏もより盛り上がったように思います。

 休憩後は、加藤えりなさんを迎えて「四季」です。岡田さんのチェンバロが中央にあり、指揮振りするような体勢です。スリムな加藤さんは青いドレスが良く似合っていて、ヴィジュアル的にも最高。
 演奏は最初はちょっと荒っぽさも感じましたが、聴いていくうちに引き込まれてしまいました。細い容姿とはうらはらに力強さがあり、グイグイと飛ばします。特に「冬」の第1楽章など力が入って良かったです。初めて聴くヴァイオリニストでしたが、数々のコンクールの入賞歴があり、活発な演奏活動をされているようです。容姿端麗であり、煩悩だらけの私はファンになってしまいました。

 前半、後半ともに、とてもアマチュアとは思えない名演奏でした。特に「四季」は加藤さんの頑張りもあって、熱気あふれる情熱的な演奏で、感激しました。通俗的な曲ではありますが、ヴァイオリン協奏曲としての魅力を再認識させてくれました。目隠しして聴いたらプロの演奏と間違えるかもしれません。

 40周年記念ということですが、バロック・ダンスと共演したりと楽しめるプログラムでした。演奏技術も十分であり、このような団体が新潟で活動しているのは素晴らしいですね。これからの益々の発展を祈りたいと思います。

 蛇足ですが、賛助出演者がたくさんいたのに、なぜ渋谷さんだけ特別扱いなのでしょうね。渋谷さんファンとしましてはうれしいのですけれど。
 

(客席:2階 C6−1、全席自由:1000円)