新潟メモリアルオーケストラ 第20回定期演奏会
  ←前  次→
2010年9月26日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:山岡重信
合唱:新潟メモリアルコーラス
ソプラノ:平井香織、アルト:福原寿美枝
 
 
ロビーコンサート

  モーツァルト:ディヴェルティメント K138 第1楽章

  モーツァルト:オーボエ四重奏曲 第1楽章
 
  ダンツィ:木管五重奏曲 第1楽章

  シュティーグラー:聖フーベルトミサ曲より 


マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
 
 

 新潟大学管弦楽団OBで結成されたこのオーケストラは、毎年意欲的なプログラムを無料で聴かせてくれるので、楽しみにしています。今年は何とマーラーの復活です。
 この曲は、新潟では、1999年3月に新潟市民芸術文化会館落成記念演奏会として、新潟交響楽団、新潟室内合奏団、新潟大学管弦楽団、新潟メモリアルオーケストラ、ネーベル室内合奏協会に一般参加者を加えた総勢130人の落成記念オーケストラにより、十束尚宏の指揮で演奏され、その後は、2003年10月の東京交響楽団第23回新潟定期演奏会で井上道義の指揮により演奏されています。その後の演奏はなく、7年ぶりになります。

 ということで、秋晴れの日曜日、西区の某所でラーチャンを食べ、りゅーとぴあに向かいました。すがすがしい陽気で、毎日こんな天気だといいですね。

 1時前に開場の列に並びましたが、それほどの混みようではなく、Cブロック最前列に席を取りました。1時15分からはロビーコンサートが行われ、3階バルコニーから聴いていました。

 最初の弦楽四重奏によるディヴェルティメントのアンサンブルの素晴らしさに驚き、ホワイエの響きの良さに改めて感じ入りました。続いてオーボエ四重奏(オーボエ+ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)、木管五重奏(フルート、オーボエ、ファゴット、クラリネット)、ホルン五重奏と素晴らしい演奏が続きました。さすがに実力者ぞろいで、楽しませていただきました。

 ホールに戻ると、ステージに各奏者がばらばらに音出しをしていました。各自が好きなように入場し、好きなように音を出し、パンフレットを読んで目を離していてステージを見ると人が増えているという状況でした。最後にコンミスが出て着席しましたが、その後もしばらく音出しが数分続き、客席の照明が落とされて漸くチューニングが始まりました。P席には女声合唱が着席しました。ステージいっぱいのオケは壮観です。

 おなじみの山岡先生が登場していよいよ開演です。指揮棒を持たないで身振りの大きい指揮ぶりは年齢を感じさせません。演奏はゆっくりした、いかにも山岡先生という演奏です。一歩一歩を踏みしめながら歩くような、濃厚な演奏です。オケの皆さんはいい音を出していて迫力いっぱいでした。第1楽章終了後男声合唱がステージ上の最後方に一列に着席しました。
 第2楽章の弦楽アンサンブルはちょっと危なげでしたが、まずまず踏ん張ってくれました。第3楽章も頑張り、第4楽章は完璧でした。アルトも浪々と響き渡り、オーボエ・ソロがいい味を出していました。
 第5楽章は一段とゆっくりした山岡節。オケが破綻しそうなほどのスローさですが、緊張感を高めた演奏は素晴らしかったです。合唱が入る前のステージ裏のバンダとの掛け合いはお見事でした。
 合唱は男声合唱の数があまりに少なかったですが、なんとか形を作ったようです。でも、もっと人数がほしかったですね。ソプラノ、アルト独唱の歌声は良く、女声合唱も頑張りました。
 笠原恒則さんのオルガンも加わって盛大にフィナーレを迎えました。ホールいっぱいに充満する音の洪水に酔いしれる喜びは最高です。
 細かい点を上げればいろいろミスはありましょうが、これだけの演奏をただで聴かせてもらって、感謝しなければなりません。

 毎年すばらしいプログラム、すばらしい演奏を聴かせてくれるメモリアル・オケには尊敬の念を禁じえません。これだけ大掛かりな編成を必要とする演目を毎年無料で演奏するとは・・・。指揮者やソリストを招聘するにもお金がかかるでしょうにと余計な心配をしています。

 さて、来年の演目はモーツァルト:「後宮からの誘拐」序曲、ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容、ブルックーナー:交響曲第7番とのことです。楽しみに待ちましょう。  
 

(客席:2階 C1−12、全席自由:無料)