秋たけなわの日曜の午後、家族と別れて東響定期に赴きました。個人的には今年の東響定期では一番楽しみにしていた公演です。
新潟での「復活」は、りゅーとぴあの落成記念公演以来2度目です。先回はアマチュアの限界を感じさせながらも好演し、すばらしいホールを持った喜びを共に分かち合うことができました。今回はプロの演奏。どんな演奏をしてくれるかと期待はふくらみました。
16時40分頃にホールに着くと、ちょうど井上さんのプレトークが始まるところでした。始まりが遅くて充分な話は聴けなかったのは残念でしたが、すばらしい演奏になるだろうと自信満々に語っていました。
客席はほぼ満員。合唱団がPブロック、A・Eブロック半分に着席し、遅れて楽員が登場。ステージいっぱいのオケは壮観です。本日のコンマスは先回に引き続いてニキティンさんです。
井上さんが登場して第1楽章の開始。やや遅めのテンポ設定。さすがプロの演奏。緊張感を保ちながら演奏が続きましたが、ときにほころびを感じました。期待しすぎた反面、盛り上がりが若干乏しく感じました。
独唱者がオケ後方に入場し第2楽章開始。謳うような流れがもう少しほしかったかな。第3楽章から第4楽章へ。モールスの独唱はまずまず。そして第5楽章。出番は少ないですが合唱のできはすばらしいです。最初は着席したままでしたが、後半は盛り上がりと共に起立し、なかなかいい演出でした。佐藤さんのソロはちょっと明るすぎかな。オルガンが加わってフィナーレへ。
曲が曲だけに大いに盛り上がりを感じましたが、オケのできとしては今ひとつ。特に重要な場面で音を外したり、管楽器セクションのできの悪さは意外でした。情熱的な井上さんの指揮にオケは充分に応えていたとは言い難いです。この曲が大好きな私にはちょっと欲求不満を感じざるをえませんでした。
夕食を食べ、柏崎の宿舎に帰ると、教育テレビでアバド指揮ルツェルン音楽祭管で「復活」をやっていあした。それほど名演とは感じなかったのですが、各奏者の技量はやっぱり違うんだなあと感じました。今後の東響の発展に期待したいです。
(客席:2階Cブロック*−*)
*プログラムとともに来年度の東響定期の日程が配布されました。4月の第26回定期にファジル・サイが登場するのが個人的には楽しみです。来年度の合唱曲は大友さんの指揮でブラームスの「ドイツレクイエム」。ラインナップは全体にまともすぎるように思われ、定期ならではの曲が乏しいように感じます。 |