クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
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2010年6月6日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン
 
 

オール・ショパン・プログラム


ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 op.15-2

ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35 「葬送」

スケルツォ 第2番 変ロ短調 op.31

(休憩15分)

ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58

バラード 第4番 ヘ短調 op.52
 
 
 

 今日は朝からいろいろあって慌ただしい日でした。行けるかどうか分からない事態にもなりましたが、どうにか行くことができました。ただし冷静に音楽を聴くには心身が疲れすぎたかも知れません。

 新潟での数あるショパンイヤー関連公演の中で、今日のコンサートは頂点をなすものと思います。チラシのキャッチコピーの如く「究極のショパン」を聴くことができるものと期待し、楽しみにしていました。ツィメルマンを聴くのは2008年7月以来です。

 ホールに着くと、ちょうど開場が始まったところで、ロビーはごった返していました。さすがに超一流のピアニストは違うなあと感じましたが、意外にも満席にはならず、空席も目立ちました。ステージにはピカピカのスタインウェイ。椅子も専用と思われ、座面が前方に傾いています。ピアノの前にはマイクが設置されていました。

 白髪のツイメルマンが登場。何となくお年を召されたような印象です。ノクターンで開演。ピアノの響きが豊かで、柔らかな響きがホールを満たします。
 拍手や咳払い休憩なしに、すぐにピアノソナタ第2番へ。うーん、こんなものかなあ・・。第3楽章の葬送行進曲はゆっくりすぎじゃないの。イマイチ心に響きません。スケルツォも驚きはなし。ちょっと欲求不満のまま休憩を迎えました。

 後半はピアノソナタ第3番で開演。これはなかなか良かったです。バラードは最高。前半に比して、後半は良かったように思います。アンコールなしで終演になったのはちょっと残念でした。バラードがアンコールということにすれば良かったように思います。

 総じて、期待を裏切らない好演でした。単にテクニックを自慢するような上辺だけの演奏ではなく、心に迫る精神性の高い演奏だったように思います。ただし、ツィメルマンなら当然これくらいの演奏はしてくれるだろうというものであり、正直言えば、期待以上の感激は乏しかったように思います。偏屈者の私は、先週の山本貴志の方が楽しめたように思います。

 とはいえ、感動したことには違いありません。さすがにピアノの音はきれいであり、きらめくような高音、強奏でも濁らない低音はツィメルマンならではと思います。
 

(客席:2階C4−5、S席:8100円、会員割引)