新潟交響楽団 第82回定期演奏会
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2008年6月22日(日) 14:00  新潟県民会館大ホール
 
指揮:松沼俊彦
 

 
ベートーヴェン:フィデリオ序曲 ホ長調 Op.72

ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」ニ長調 Hob.1-104

(休憩15分)

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98

(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

 
 

 梅雨入りした新潟ですが、雨らしい雨もなく、過ごしやすい陽気が続いています。昨日は爽やかな青空が広がりましたが、今日はどんよりとした天気です。雨が降らないのはいいのですが、蒸し暑さを感じます。そんな日曜日の昼下がり、新潟交響楽団の定期演奏会に行ってきました。毎年6月の定期演奏会は、りゅーとぴあではなくて県民会館で行われています。昨年度までの2年間、船橋洋介先生が指揮者を務め、一皮むけたような好演を聴かせてくれましたが、残念ながら契約が切れてしまいました。今年からの2年間は松沼俊彦先生です。2002年のハンガリー・ブダペスト国際指揮者コンクールにて第1位受賞、2004年の第1回マーラー国際指揮者コンクールで第3位受賞など華々しい経歴をお持ちです。新しい指揮者を迎えて、潟響がどのような演奏をしてくれるのか、大いに楽しみでした。

 開場が始まってしばらくしてから入場したのですが、空席が多く、2階席の中央前方の私の好きな席を確保できました。開演時間にはかなり混み合ってきましたが、私の隣は空席で気分良くコンサートに臨めました。
 最初はフィデリオ序曲です。緊張感のためか音の出が悪く、おっかなびっくりという感じの演奏に感じました。いつもの潟響に比して、自信なさそうな演奏で、音も不安定で、バランス悪く感じました。
 2曲目はハイドンです。個人的にハイドンは好きではないので、正直言って少々退屈しました。しかし、楽章が進むに連れて、熱気あふれる演奏に引き込まれ、特に終楽章は心躍るような躍動感を感じました。

 休憩後の後半はブラームスです。前半も感じたのですが、弦の音が濁って聴こえ、金管とのバランスが悪く感じました。第1楽章の出だしの弦の音色、歌い回しが今ひとつに思われました。一転して第2楽章はきれいな演奏であり、うっとりと聴き惚れる瞬間もありました。第3楽章はダイナミックな演奏で盛り上がり、拍手も湧きました。終楽章もなかなかいい演奏でした。弦のうねるような、力強い節回しを期待しましたが、これについては少し力不足だったように感じました。しかし、松沼先生のダイナミックな指揮ぶりに、聴く方も引き込まれていくようでした。
 アンコールは予想通りにハンガリー舞曲。これは何度も演奏しているためか流れるようないい演奏でした。オケとしての音色も良かったです。

 さて、コンサートを振り返ると、松沼先生の全身を使った熱気あふれる指揮ぶりが感銘深く感じました。演奏も集中力ある好演だったと思います。今後の潟響のさらなる発展が期待できそうです。しかし、音色は良くなかったように思います。席のせいなのか、私の耳が悪いのかわかりませんが、金管と弦のバランスが悪く感じました。ステージのひな壇がかなり高く作ってありましたが、そのせいかも知れないと勝手に想像しています。ほかの人はどう感じられたのでしょうね。次回はりゅーとぴあですから、どういう印象を受けるか今から楽しみです。

 ホールを出ましたが、まだ3時50分。意外に早い終演でした。曇り空ですが雨が降る気配はなく、蒸し暑さで汗ばんできました。今日のコンサートの感想も、熱い演奏でしたが、晴れではなくて薄曇りというところでしょうか。
 

(客席:2階2−18、自由席:1000円)