アンサンブル・オビリー 室内楽演奏会2008
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2008年6月15日(日) 15:00  コロナ大ホール
 
Vn:佐々木將公、後藤はる香、太田玲奈、Va:加野晶子、Vc:片野大輔、牧野純子、Pf:山家慶子
 
 
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44

メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49

(休憩15分)

ブラームス:弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 作品18

(アンコール) 
夏は来ぬ
ふるさと

 
 

 今日は朝からいい天気。すがすがしい青空。暑すぎることもなく、快適な陽気です。家に閉じこもっているのももったいなく、ドライブがてらに三条まで出かけました。場所はコロナ大ホール。石油機器で有名なコロナの本社の3階にあります。アンサンブル・オビリーという名前は聞いたことがありましたが、実際の演奏を聴くのは初めてです。オビリーとはチェコ語で「麦」という意味なんだそうです。新潟県で活躍している音楽家の集まりであり、コンサート活動を活発に行っているそうです。今回のコンサートは、今日のほかに、21日に長岡リリックホールで、28日にはりゅーとぴあ・スタジオAでも開催されます。何も三条まで出向かなくても、りゅーとぴあで聴けば良いのですが、28日は、新潟大学管弦楽団サマーコンサートが重なってしまっています。そこで、長岡か三条かということになりますが、今日は快晴のドライブ日和。三条遠征を決行ということになりました。

 会場は予想はしていましたが、講堂というか会議室みたいな場所です。平土間に仮設のステージを作り、椅子を並べています。講演会ならいざ知らず、とてもコンサートを開くような雰囲気の場所ではありません。客はほどほどの入りで、100人程度でしょうか。私は前方の見晴らしの良い場所を確保しました。ピアノはフルコンサートじゃないベーゼンドルファーです。

 最初は、ヴァイオリン:佐々木将公、後藤はる香、ヴィオラ:加野晶子、チェロ:片野大輔、ピアノ:山家慶子でシューマンのピアノ五重奏曲です。各奏者の演奏はそれなりに良いのでしょうが、音色が良くありません。特にヴァイオリンがヒステリックに、刺激的に耳に届きます。一方チェロは太い音で音量がありますがぼけた音に聴こえました。演奏としての一体感は感じますが、音色としては噛み合わず、残念ながら心地よい音ではありませんでした。聴衆は熱心に聴き入っていましたが、楽章間には盛大な拍手が入りました。片野さんのトークが入り、楽章間の拍手は不要との話もされました。
 2曲目は、ヴァイオリン:太田玲奈、チェロ:牧野純子、ピアノ:山家慶子でメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲です。今度は太田さんのヴァイオリン、牧野さんのチェロとも聴きやすい音色でした。演奏も良かったと思います。
 休憩後は、ヴァイオリン:佐々木将公、後藤はる香、ヴィオラ:加野晶子、太田玲奈、チェロ:片野大輔、牧野純子の6人でブラームスの弦楽六重奏曲です。実は今日の演目の中で知っているのはこの曲だけなので、楽しみにしていました。演奏は、前半同様に音色が良くありません。各奏者の各楽器の音色・音量がバラバラで、単独で聴くとそれぞれ良いにしても、ミックスされると心地よい音にはなりません。特に佐々木さんのヴァイオリンがどうにも刺激的に感じてしまいます。有名な第2楽章も味気なく、叙情的ではありません。ちょっと期待に反した演奏に感じました。ただ、今度はヴィオラに持ち替えて演奏した大田さんの演奏は、前半同様に良かったと思います。ピアノの山家さんが登場して、7人でアンコールを2曲演奏しましたが、これはいい音色、いい演奏でうっとりしました。

 総じて、プロの演奏ということで評価すると、演奏もさることながら、音色としてきれいに感じられず、音楽を楽しむにはもう一歩というように感じました。狭い空間で、サロンコンサート的な、アットホームな雰囲気は良かったのですが、いかにも会議室というような会場で、音の響きも悪く、クラシック音楽を聴く環境としては劣悪だったと思います。音楽ホールで聴いたなら、もっといい印象を持てたものと思います。しかし、どうしてここになったのでしょうね。ただし、女性方は美しく、ヴィジュアル的には楽しめました。特にピアノの山家さんはたいへんチャーミングでした。
 今日は最初の公演で、会場の条件も悪く、この団体の実力を知るには良くなかったものと思います。長岡、新潟へとステップアップしていくものと思います。りゅーとぴあでは全く違った印象になっているかもしれませんね。


(全席自由、当日券¥2500)