長岡市民合唱団 第23回定期演奏会 
               
ペーテル・ブノワ:HOOGMIS(盛儀のミサ)
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2008年4月20日(日) 14:00  長岡市立劇場 大ホール
 
指揮:船橋洋介
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
 

 
大木惇夫・作詞、佐藤 眞・作曲:混声合唱のためのカンタータ「土の歌」
                    第1楽章:農夫と土   
                    第2楽章:祖国の土    
                    第3楽章:死の灰
                    第4楽章:もぐらもち   
                    第5楽章:天地の怒り   
                    第6楽章:地上の祈り
                    第7楽章:大地讃頌

(休憩15分)

プレコンサート・レクチャー:日本初演を前に 
                (ヤン・デウィルデ、船橋洋介、石崎幸三)

ペーテル・ブノワ:HOOGMIS (盛儀のミサ)

        キリエ  グローリア  クレード  サンクトゥス  
        ベネディクトゥス  アニュス・デイ 

       テノール:小原啓楼、オルガン:伊藤佳苗
       ピッコロコーラス:法政大学アカデミーOB合唱団

 
 

 春本番、爽やかな晴天の日曜日、長岡まで繰り出しました。いつものように分水・与板経由で行ったのですが、分水では恒例の「おいらん道中」が開催されるため、混雑が始まろうとしていました。分水は新潟県でも有数の桜の名所。すでに葉桜になってしまいましたが、かなりの賑わいになったことでしょう。

 さて、今日は長岡市民合唱団の定期演奏会です。今回の目玉は、ベルギーの作曲家、ペーテル・ブノワの「HOOGMIS(盛儀のミサ)」です。聞いたことのない曲ですが、それもそのはず、日本初演です。長岡市民合唱団は、これまで、オルフ:カルミナ・ブラーナ、ヴェルディ:レクイエム、スッペ:レクイエム、メンデルスゾーン:賛歌 など、プロ・オケと共演して、目を見張る活動ぶりです。とても地方のアマチュア合唱団とは思えない演目で驚かせてきました。私も、新潟県初演となったヴェルディ:レクイエムの公演を聴いて感動したことを覚えています。

 自由席ということで早めに会場に向かいました。1時過ぎに着いたのですが、予定より早く、すでに開場が始まっていました。このホールではお気に入りの中央の席を確保しました。注目の公演だけあってか、なかなかの客の入りです。

 前半は「土の歌」。合唱団にとっては人気曲らしく、特に第7楽章の「大地讃頌」は単独でしばしば上演されます。中学校でも愛唱され、私の娘も歌ったそうです。今回はオーケストラ版での全曲演奏です。オーケストレーションが少し安っぽく感じましたが、東京シティ・フィルの好演もあって、意味深長な日本語の歌詞がオーケストラのダイナミックな音とともに胸に迫りました。やはり、日本語の歌詞は、当然ですがわかりやすくて良いですね。

 後半はいよいよ「盛儀のミサ」です。最初に曲目解説のプレトークが行われました。今回は日本初演ですが、何とベルギー以外の国での演奏も今回が初めてなんだそうです。ベルギーでもほとんど演奏される機会はなく、ブリュッセルとアントワープ以外では演奏されていないそうです。ブノワを始めとするベルギーのフランダース地方の作曲家の研究家であるヤン・デウィルデ氏も、生で聴くのは今回が2回目とのことです。この曲は団員がたまたまCDで聴き、演奏しようということになったそうですが、楽譜が出版されているわけでもなく、ベルギー王立アントワープ音楽院の協力で、実現できたそうです。

 ステージには、長岡市民合唱団のほかに法政大学アカデミーOB合唱団が加わり、ステージ左手に陣取りました。曲はいきなり合唱から入ります。宗教曲ということもあり、しっとりと胸に響きます。どうして演奏されないのか不思議な美しい曲です。2つの合唱団の掛け合いも面白かったです。後半にはテノールの小原が加わって、美しい歌声を聴かせてくれました。オルガンは電子オルガンでしたが、重厚さを醸し出していました。また、ハープの音色が心にやさしく響き、癒しを与えてくれました。

 何せ初演ですから比較のしようもないのですが、すばらしい演奏だったと思います。これだけの大曲を歌い上げた合唱団の頑張りと、ここまでまとめ上げた船橋先生の実力に感服しました。船橋先生のダンスを踊るようなダイナミックナ指揮ぶりが印象的でした。船橋先生は新潟交響楽団との契約は切れてしまいましたが、長岡市、見附市との絆は深く、これからも新潟県の音楽の発展に大きく貢献してくれるものと思います。
 また、東京シティ・フィルを聴くのは今回がはじめてだったように思いますが、いい演奏を聴かせてくれました。いずれはオケとしての演奏会を聴いてみたいと思います。

 どうしてここまでやれるんだろうという不思議な長岡市民合唱団。新潟から繰り出す価値は十分です。新潟市じゃここまでやってくれる団体がありませんものねえ。たいしたものです。今後の活躍がますます楽しみです。
 

(客席:24−25、全席自由、2000円)