新国立劇場 「サロメ」
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2008年2月3日(日) 14:00  新国立劇場オペラ劇場
 
 
 

R.シュトラウス: サロメ  (全1幕:休憩なし)

   芸術監督:若杉 弘
   指揮:トーマス・レスナー
   演出:アウグスト・エファーディング
   美術・衣装:ヨルク・ツインマーマン
   再演演出:三浦安浩
   チーフ音楽スタッフ:石坂 宏
   舞台監督:大沢 裕

   管弦楽:東京交響楽団(コンサートマスター:大谷康子)

   サロメ:ナターリア・ウシャコワ
   ヘロデ:ヴォルフガング・シュミット
   ヘロディアス:小山由美
   ヨハナーン:ジョン・ヴェーグナー
   ナラボート:水口聡
   ヘロディアスの小姓:山下牧子

 
 

 東京でのオペラ三昧第3弾です。ホテルをチェックアウトし、外に出ると雪が降り積もっていました。東京で大雪に出会うなんてなかなかないこと。幸運というべきでしょうか。歩道は雪でぬかるみ、寒さが身にしみます。急ぎ足で駅に向かいました。しかし、さすがに公共交通機関の発達した東京。一旦駅に行きさえすれば新国立劇場までぬれないで着くことができます。車がないと生活できない田舎生活の身からすると、うらやましい限りです。

 隣のオペラシティーには来たことがありますが、新国立劇場は初めてです。ホワイエをうろついていたら、なんと音楽監督の若杉先生から「天気が悪いのにようこそ」と挨拶さててビックリしました。というのは嘘で、私の隣にいた人に挨拶したのでした。

 昨日からのオペラ三昧の最終は、R.シュトラウスの「サロメ」です。7つのヴェールの踊りは有名ですが、どんな筋書きかは今回調べるまでは知らず、実演を楽しみにしていました。席は左側2階のバルコニー席。斜めにはなりますが、ステージやオケピットの見晴らしが良くて良かったです。開演30分前に入場したのですが、すでに東響の皆さんは音出しをしていました。下まで降りてオケピットを覗くと東響定期でおなじみの楽員の方々がいて親近感が沸きます。さすがにオケピットは広くて、フルオーケストラがコンパクト畳まれたように入っています。新潟県民会館じゃステージ上まではみ出しますもんねえ・・。

 場内が暗転し、開演です。序曲なしでいきなり始まるこのオペラ。一気に楽劇の世界に引き込まれます。おどろおどろしい筋書きで、音楽も不気味です。明るくておしゃれな昨日の「ランスへの旅」とは大違い。ステージ中央にはヨハナーンが幽閉されている井戸があり、後方はヘロデの宮殿のようで、怪しげな雰囲気が漂っています。

 各出演者とも声が良く出ていて、演技もたいしたもの。ステージの隅にいる人もちゃんと演技しているんですね。細かなところまで気が配られているのには驚きました。ヘロデ王役のヴォルフガング・シュミット、ヨハナーン役のジョン・ヴェーグナーの力強い歌いぶりはすばらしく、小山由美さんのヘロディアス王妃も外人さんと遜色なく堂々としていました。はじめから最後まで歌いっぱなしで、踊りまで踊るサロメ役は大変ですが、ナターリャ・ウシャコワは見事に歌いきっていました。7つのヴェールの踊りはどういう演出かとオペラグラスを握りしめて期待しましたが、さすがに節度は守っており、隠すべきところは隠してましたなあ・・。踊りはもう一息というところでしょうか。ちょっと太めの体型ということもあって、官能的とは言い難いような印象でした。歌・容姿・踊り、すべてが完璧とはいかないのは仕方ないのでしょうね。あとヨハナーンの生首は良くできていました。全1幕で休憩なし。あっというまに終わってしまいました。

 今回ついに新国立劇場へのデビューを果たすことができました。新演出ではありませんでしたが、初日を見ることができて良かったと思います。完成度の高い舞台であり、トーマス・レスナーの指揮の下、東響の皆さんもすばらしい演奏でした。今日が初日なので各出演者とも緊張し、演技・演奏もこなれていなかったのかもしれませんが、初めて見る私には値段分は楽しめたと思います。
 

(客席:2階L6−2、B席)