東京交響楽団 第43回新潟定期演奏会
  ←前  次→
2007年9月16日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:大友直人
コンサートマスター:大谷康子
 

 
マーラー:歌曲集「少年の不思議な角笛」より
  1.番兵の夜の歌
  2.ラインの小伝説
  3.美しいトランペットの鳴り響くところ
  4.魚に説教するパトヴァの聖アントニオ、5.原光(原初の光)
  6.レヴェルゲ(起床ラッパ)、7.少年鼓手

  バリトン:マティアス・ゲルネ

(休憩20分)

ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107 (ノヴァーク版)

 
 

 9月も半ばとなりましたが、残暑が続きます。市役所周辺では昨日から「にいがた総おどり」が行われており、県内外から多数の団体が独自の踊りを披露していました。あまりの熱演に見入っていたら、開演間近となり、あわててホールへ急ぎました。

 今日の公演は、今年度の東響定期では最も楽しみにしていたものです。お目当ては「少年の不思議な角笛」です。若い頃、マーラーの「復活」にのめり込んだことがあり、関連するこの歌曲集にも興味を持って聴いていました。実演で聴くのは初めてですので期待していました。また、ブルックナーの7番は、この6月の新潟交響楽団の定期演奏会で演奏されており、プロの演奏はいかにと楽しみにしていました。

 いつものように拍手の中楽員の入場です。全員揃うまで起立して待っているのはいつもながらも気持ちいいですね。今日のコンマスは大谷さんです。新潟で絶大な人気のある大谷さん。拍手が一段と高まりました。
 前半はマーラーです。マティアス・ゲルネは言うまでもなく、東京の演奏もすばらしかったです。歌曲集の全14曲から7曲が演奏されました。いずれの曲もいい演奏、いい歌声でした。私の大好きな「原光」も演奏されて幸せいっぱい。こんな曲を聴けるなんて東響定期のおかげです。やっぱりマーラーはいいですね。ブラボーの声も掛かり、皆さんも大満足だったようです。
 後半はブルックナーです。やはりと言いますか、当然と言いますか、さすがに潟響の好演もかすむようないい演奏です。ブラスの咆哮、炸裂、弦楽のアンサンブルも見事。まさにブルックナーの醍醐味です。幽玄な響きのワグナーホルン。地を這うようなチューバ。ホールに飽和するオーケストラサウンドはCDでは決して味わえません。気分は高揚し、トランス状態になります。この喜びは生演奏でしか体験できません。きっちりとまとめた大友さんの指揮ぶりもお見事です。やっぱり、大谷さんがいるときの東響ははずれがありませんね。

 いい音楽を聴いた後は心も晴れ晴れ。今夜はいいお酒が飲めそうです。
 

(客席:2階C5-35、S席:定期会員 5000円)