午前中は晴れ間がのぞいていましたが、昼過ぎより雲が広がってきました。今日はリハーサルを見学するため、2時過ぎにホールに向かいました。隣の陸上競技場では花園行きを決める高校ラグビーの決勝戦が行われており、歓声がこだましていました。
2時半から公開リハーサル(ゲネプロ)の開始。3階席からの見学です。合唱とオケの音合わせが中心で、「アイーダ」と「ナブッコ」をさっと合わせ、すぐにOKが出されました。
その後に森麻季さんと佐野成宏さんが登場し、軽く歌っておしまい。本番に備えてか、小声というか鼻歌で歌っていました。
予定は1時間のはずでしたが、30分ほどでゲネプロは終了してしまいました。見学する方としてはもっとみっちりやってほしかったです。昨日サントリー定期を終えた後なので、確認することも少なかったようです。でも、私服の楽団員は親しみが持てたし、ロングの革のタイトスカート姿の森さんも魅力的でありました。
3時に終わってしまったので、古町をぶらついて、お気に入りのラーメン店・三吉で腹ごしらえした後、HMVをのぞいてきましたが、クラシック売り場がますます縮小されているのに愕然としました。昔は良かったのにねえ・・。タワーレコードはなくなって久しいし、新潟の文化はこんなものなのかと嘆かずにいられません。(東堀のコンチェルトさん頑張ってね。)
さて、いよいよ本番。ホールはいつもより客の入りは良いようです。オケは小編成でステージ上の後方に合唱団席が組まれています。指揮台は置かれていません。今日のコンマスはゲスト・コンサートマスターの石田泰尚さんです。現代の若者風のかっこいい青年ですが、神奈川フィルのソロ・コンサートマスターを務める期待の若手音楽家で、CDもリリースしています。ゲネプロでのラフな私服姿は、ファンキーな髪型とあいまって、クラシック音楽家というよりロックシンガーという感じでした。「のだめカンタービレ」の峰龍太郎のモデルじゃないかと噂され,、熱烈なファンを持つというのもうなずけます。
長身のピオレが登場し、最初はモーツァルトの25番。軽快な、颯爽とした気持ちよい演奏でした。音楽監督のスダーン同様に、今流行のピリオド奏法という演奏の仕方のようです。私は映画「アマデウス」で有名になった第1楽章以外あまり聴かないのですが、飽きずに最後まで聴くことができたのは収穫でした。
休憩後の後半は、にいがた東響コーラスが加わってヴェルディの名曲集です。最初は「アイーダ」。合唱団は元気いっぱい。ゲネプロよりさらに元気が良かったです。力が入りすぎてオケと合わない部分もありましたが、力強さあふれる好演と言えましょう。2階席左右のアイーダトランペットも迫力十分。ただし、右手のトランペットはゲネプロでも本番でも音を外していましたが・・。ブラボーの声が掛かり、一気に会場が盛り上がりました。
次は佐野さん、森さんが登場して「リゴレット」。森さんの白いドレスが美しいです。ゲネプロでは声をセーブしていましたが、さすがに本番は両人ともすばらしい歌声です。
その次は「ナブッコ」。合唱団の好演が光ります。森さんが再び登場して「椿姫」。あっというまに衣装替えして、今度は赤い柄のドレスです。これまたすばらしい歌声。森さんと佐野さんの掛け合いも絶妙であり、うっとりと歌声に聴き惚れました。最後は「乾杯の歌」で会場を盛り上げましたが、アンコールなしでお開きとなりました。
今日は堅苦しい演目でないので、娯楽としても大いに楽しめました。声、容姿ともに一級品の森さんのすばらしさは言うまでもないですが、佐野さんがまたすばらしいえす。日本にもこんなに良い歌手がいたなんて、認識を新たにしました。ほかの観客も同感らしく、佐野さんは森さん以上の拍手を受けていました。またいつか聴きたいものです。
ホールを出ると小雨が降っており、小走りで駐車場へ向かいました。このところコンサートが続き、音楽疲れ。でも、生の音楽はいいなあ・・。
蛇足ですが、P席最前列に、お行儀の良くないお嬢ちゃんがいて退屈そうにしていました。母子の2人連れでしたが、非常に目立っていたことをお忘れ無きように。
芸術の秋真っ盛り。今日は長岡ではメンデルスゾーンの「賛歌」(東京フィルの演奏、おそらく新潟県初演)の演奏会があり、小出郷文化会館では中越地震復興記念のガラコンサートがありました。ほかにも新潟市内でピアノやヴァイオリンのリサイタルがあり、よりどりみどり。東響定期と重ならなければ長岡には行きたいところでした。
(客席:2階Cブロック*−*) |