秋の嵐が過ぎ去り、ようやく青空が顔を出しました。天気が良いと気分も晴れます。温泉にでも行こうかと考えましたが、芸術の秋です。音楽でも聴こうということで予定を調べましたが、新潟市内では興味をそそるコンサートがないので、はるばる長岡へ赴いた次第です。
本日は柏崎でも柏崎フィルの定期演奏会があり、どちらにしようかと思案しましたが、明日は柏崎への出張であり、2日連続柏崎もはばかられるので、長岡交響楽団の定期公演に行くことにしたのです。
14時30分の開演ですが、20分過ぎにようやく到着。もういい席はなくなっているだろうなと心配して、急ぎ足で当日券を買い求めて入場しましたが、空席が多く、席は自由に選ぶことができました。客は6割程度の入りかと思われます。ちょっと拍子抜けでした。
1曲目はいきなりモーツァルトの39番です。アマチュアですので、どうなるか密かに心配していたのですが、予想に反して堂々と安定した演奏でした。好きな曲ではないのですが、最後まで飽きさせずに聴かせてくれました。大きなミスもなく、立派な演奏でした。長響は初めてでしたが、すばらしいオケと感心しました。特に木管がすばらしいです。カーテンコールの真っ最中に休憩のアナウンスが入ってしまったのはご愛敬。
休憩の後サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番。チャーミングで、私の大好きな曲ですが、なかなか新潟で演奏される機会がありません。独奏の村山さんは長岡市出身で、第26回新潟県音楽コンクールで大賞を受賞した実力者。ブルーのドレスが目に鮮やかです。演奏も堂々として、安心して曲に没頭できました。線が細すぎることなく、ときに力強く、ときにメランコリックに、情感豊かに演奏してくれました。長響の演奏もすばらしく、モーツァルトでは粗が目立った弦もきれいなハーモニーを聴かせてくれて、うっとりとさせる場面も多々ありました。アンコールに応えて村山さんが「アメイジング・グレイス」を演奏。ホールに響くヴァイオリンの音は美しく、村山さんの音楽性の豊かさを感じさせてくれました。
最後は長岡市内の若者(小学校6年〜高校2年生)や社会人が加わって「カルメン」組曲。編成が大きくなって、賑やかな演奏でした。出番が多く好演奏を続けていたトランペットが最後に力尽きてしまったのは残念でしたが、オーケストラの歓びを満喫させてくれました。
アンコールは市制100周年記念の新市歌のオーケストラ版で、初演であるとの紹介がありました。聴き応えのあるいい曲であり、いい演奏でした。
総じて1200円という入場料以上に満足できたコンサートでしたた。新潟から駆けつけた甲斐がありました。コンサートの副題に「長岡のジュニアと共に」とありましたが、若者と共演という意味だったようです。受付や案内係を高校生がやっていて、大きな声で観客ひとりひとりに挨拶していたのは気持ちよかったです。
(客席:19−10、当日券1200円、自由席) |