新潟交響楽団 第78回定期演奏会
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2006年6月11日  新潟県民会館大ホール
 
指揮:船橋洋介
ピアノ:成嶋志保
 
 
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲 K.620

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54

          (アンコール) リスト:巡礼の年 第1年 より 「ジュネーブの鐘」

(休憩15分)

チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 作品36

(アンコール)
チャイコフスキー:「眠りの森の美女」よりワルツ

 
 
 
 

 日曜日の昼下がり、チラシ集めと某コンサートのチケットを買いに「りゅーとぴあ」に赴きました。行ってみると県民会館前には新潟交響楽団(潟響)の定期演奏会の開場待ちの長い行列ができていました。さすがに人気があるんあだなあと感心しました。
 実は今日潟響の定期演奏会があることは知っていたのですが、行こうか行くまいか決めかねていました。こんなに並んでまで行くまでもないなあ、と横目で見ながら「りゅーとぴあ」への道を歩いていましたら、職場の同僚と偶然出会いました。聞けばこれから潟響定期に行くとのこと。じゃあ私も行ってみようかな、と気持ちがなびいて、当日券を購入した次第です。

 あれほどの長い行列でしたが、入場してみますと空席がかなりありました。7〜8割程度の入りでしょうか。指定席も販売されていたようですが、遅く入場したにもかかわらず、好きな場所を選べて、2階席の前方の、県民会館では私の好きな場所を確保できました。隣が空席なので隣人に気を遣う必用もなく快適でした。

 1曲目は「魔笛」序曲。まあまあ、うまくまとめた演奏でした。2曲目はモスグリーンのドレスの成嶋さんが登場。成嶋さんといえば2002年4月に、厦門市交響楽団とのグリーグの協奏曲を聴いて以来です。前回は粗っぽさを感じて良い印象は受けなかったように思いますが、今回は破綻することなく力強い演奏を披露してくれました。パリ在住とのことですが、新潟縁の音楽家ですので、新潟県人としては思い入れがあります。今後も応援したいので、あえてプロの演奏家として評価しますと、ちょっと力が入りすぎて一本調子。流麗さに欠ける印象を持ちました。第2楽章にはもっと抒情性、ロマンチシズムが欲しいように感じました。アンコールにリストを演奏してくれましたが、きれいな音を聴かせてくれて感動を与えてくれました。今後の研鑽・活躍に期待したいです。

 休憩後の後半はチャイコフスキー。冒頭のホルンのファンファーレから怪しげ。ここがうまく決まるともっと好印象だったと思うのですが、アマチュアということを考えれば頑張った演奏でしょう。全体に金管がうるさすぎたように感じました。座席によるのかも知れないですが、弦と管のバランスが悪く、特にチェロ、コントラバスの響きが薄く感じられました。音もさることながら、流れるような音楽が欲しいと感じました。第2楽章にもっと感傷、抒情を感じることができれば、3楽章、4楽章の盛り上がりがもっと感じられたと思うのですが。でもこれはプロに求めるべき事かな。アマチュアとしては高水準の好演といえましょう。

 アンコールは、今後2年間潟響を指揮する船橋洋介さんの挨拶の後、「眠りの森の美女」のワルツを演奏してお開きとなりました。毎度好演してくれる潟響は新潟の宝。今後の発展を祈らずにいられません。

 残念なのは毎年6月の定期演奏会は県民会館でやること。音響が悪く、空調の音がうるさいので、全くの無音になりません。「りゅーとぴあ」のように響かないので粗が見えなくて良いのかも知れないですが。
 もうひとつ苦言。幼児を入場させていること。大人しく聴いてくれれば文句はないのですが、前半も後半も声を出していました。通常のコンサートなら未就学児は入場できないのが通例であり、連れて行かないというのも常識であるはず。どういう事情かは知らないですが、安くはない入場料を取ってのコンサートですから、乳幼児の入場については配慮が必用であると思います。

 次回の定期演奏会は11月12日に「りゅーとぴあ」で、船橋さんの指揮にて、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」、チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:井上静香)、ドヴォルザーク「新世界」だそうです。個人的には井上静香さんの演奏が楽しみです。
 

(客席:2階4−6、自由席:当日券1200円)