東京交響楽団 第35回新潟定期演奏会
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2006年2月26日  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:ユベール・スダーン
ヴァイオリン:イリア・グリンゴルツ
 
 
〜早熟と天才のかぎりなき美学〜

モーツァルト:交響曲第29番イ長調 K.201
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」

(休憩20分)

モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543

(アンコール)
モーツァルト:「皇帝ティトの慈悲」序曲

 
 
 

 随分と久し振りのコンサートです。2ヶ月半もご無沙汰して、今年初めてのコンサートとなりました。忙しかったり、寒波で気力が失せたりということもあったのですが、めぼしいコンサートがないというのが最大の理由。興味をそそられるコンサートが全くないというのは寂しいです。来月も、再来月もないぞ! 
 と嘆かわしいのですが、東響定期に期待するしかありません。今年はモーツアルト・イヤーということもあってか、本日はオール・モーツァルトです。個人的には物足りないプロですが、音楽監督・スダーンのお手並みに期待したいです。

 昨日の好天気をよそに、今日は雨が降り続いています。気温が高目なのが救いですが、春が待ち遠しいです。さて、会場はいつもの定期より若干空席が少なく、まずまずの入りです。

 オケの編成は小さく、弦5部の合計は32人(Vn:18、Vla:6、Vc:5、Cb:3)。前半はこれにオーボエ:2とホルン:2、後半はフルート:1、クラリネット:2、ファゴット:2、ホルン:2、トランペット:2、ティンパニ:1です。本日のコンマスはニキティンさんです。

 スダーンが登場して29番。最初の出だしでアレっとがっかり気分。音程、アンサンブルが定かでなく、音楽が流れません。弦の音としてはきれいですが、音楽ではありません。まるでアマチュア・オケかと勘違いしそう。気の抜けたビールか、すっかりのびたカップラーメンかという感じ。白けた気分でガマンしながら聴きました。こんな感想を持ったのは私だけでしょうか。

 2曲目はグリンゴルツが登場。期待は見事に裏切られました。まるで死人か亡霊が演奏しているように思えます。生きた音楽が感じられません。線の細い音が流れているだけ。3楽章後半のトルコ風旋律だけ多少盛り上がりましたが、ただそれだけ。会場からはブラボーの声も上がりましたが、私には信じられませんでした。

 休憩後の後半は39番。これまた同様。曲そのものが好きでないこともありますが、苦痛の時間が過ぎました。だんだん演奏が良くなって、終楽章はまあまあ聴き応えがありました。

 アンコールもいい演奏。最後はどうにか満足させてくれましたが、欲求不満のコンサートでした。気持ちよく眠りに誘ってもくれませんでした。曲が悪いのか、演奏が悪いのか、聴く方が悪いのか。私の精神状態が一番悪かったのでしょう。

(客席:2階Cブロック*−*)