アルバン・ベルク四重奏団
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2005年5月27日  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
第一ヴァイオリン:ギュンター・ピヒラー
第二ヴァイオリン:ゲルハルト・シュルツ
ヴィオラ:イザベル・カルシウス
チェロ:ヴァレンティン・エルベン
 
 
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D.703「四重奏断章」

カンチェリ:夜の祈り(弦楽四重奏とCDのための)

(休憩20分)

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810「死と乙女」

(アンコール)
モーツァルト:弦楽四重奏曲 K.465 より 第二楽章

 
 
 

 初めは予定が入っていて行けなかったのですが、仕事をキャンセルしてコンサートに赴きました。(たまには許してもらいましょう。)最近室内楽は聴いていなかったので、久し振りに聴くことにしました。

 現代最高との呼び声が高い「アルバンベルク四重奏団」ですが、個人的には冠名になっているベルクの「抒情組曲」を演奏するというのが興味深かったです。
 ところが、ヴィオラのトマス・カクシュカが急病のためイザベル・カルシウス(カクシュカの弟子とのこと)に代わり、曲目も変更になってしまいました。期待のベルクはカンチェリの「夕べの祈り」に変更になってしまったのは残念。払い戻しの案内が届いたのですが、せっかくなので聴きに行くことにしました。なおチラシでは「夕べの祈り」となっていましたが、500円で販売していたプログラムでは「夜の祈り(弦楽四重奏とCDのための)」となっていました。

 さて、仕事を早めに切り上げてホールに赴きました。今回は室内楽ということで、いつもの2階席は避けて1階席中央寄りに席をとりました。有名な四重奏団ですので、満席かと思いきや、かなり空きがありました。新潟では室内楽はたいてい音楽文化会館でやっており、3階席は発売しないとしてもコンサートホールでは席が多すぎるのかも知れません。席数のわりにコンパクトなホールですので、音響的には問題はありません。混み過ぎなくてゆったり聴けて良いです。

 さて、弦楽四重奏に疎い私ですので、名前は聴いたことがあっても曲はなじみがありません。1曲目は1楽章だけで終わってビックリ。(それで「断章」というんですね。) なかなか力強い演奏でしたが、音色的には感銘を受けませんでした。
 2曲目は現代曲らしく、精神的緊張を強いられました。もの悲しい曲で、最後に女声のテープが流されました。曲の理解はできませんでしたが、心地よい疲労を感じました。たまにはこういう体験は良いことです。ただし感銘はそれだけでした。

 後半は私でも知っている有名曲。早めのテンポで劇的な演奏。逆に言えば力で押した荒っぽさも感じないではなかったですが、これはすばらしい演奏でした。
 アンコールのモーツァルトは美しい演奏。劇的な「死と乙女」の後にはほどよいデザートになりました。

 たまには室内楽もいいものだと考えつつ、駐車場への足取りは軽かったです。照明に照らされた木々の緑が爽やかであり幻想的でした。新潟は今が一番いい時期です。
 

(客席:1階12−17、S席5400円:会員割引)