昨年末以来久し振りの東京出張の夜、例によってコンサートへ。五島みどりの出る読響はチケット完売。今シーズンで音楽監督を降りるベルティーニの都響にしようかとも思ったのですが、サントリーホールへ行く時間的余裕はなく、原宿駅からNHKホールへ駆け足しました。
マーラー好きな私ではありますが、実は6番は好きではありません。題名の如く暗くて破壊的な曲想がなじめないのです。しかし、6番の実演は聴いたことがないですし、名物の終楽章での「ハンマー」を実際にはどうするのかという楽しみもあり、「まあいいか」という安易な気持ちで演奏に臨みました。懐具合もあり、今回は3階自由席。N響の演奏を1520円で聴けるなんて、東京の人がうらやましいです。
さて、演奏は、サラステの力量か、混沌としたこの曲をまとめ上げ、最後まで飽きさせずに聴かせてくれました。ステージいっぱいの大編成のN響のサウンドもすばらしいです。
例の「ハンマー」は、くい打ちに使う大きな木製ハンマーを力一杯振り上げてまさに「破壊的、破滅的」でした。2回の打撃があるのですが、それぞれ奏者が違っていました。
また、ところどころに現われるカウベルの響きは安らぎを感じさせ、ホルン8本、トランペット6本を始めとする金管の迫力はすばらしく、さらに、シンバルの5人同時打ちなど、視覚的、音響的楽しみが随所にあって、6番嫌いな私ではあったのですが、結構楽しんでしまいました。
やはりCDだけでは曲の善し悪しは判断できません。最後の余韻を味わってブラボーの声。1曲のみですので、8時半に終了してしまいました。FMで生中継されていたはずですが、余った時間はどうつぶしたんでしょうねえ。
(客席:3階C10、E席:1520円) |