エンニオ・モリコーネ in JAPAN
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2004年6月4日 東京国際フォーラム ホールA
 
指揮:エンニオ・モリコーネ
管弦楽:ローマ・シンフォニー、 合唱:栗友会合唱団
ソプラノ:スザンナ・リガチー、 ヴォーカル:ドルチェ・ポンテス
ピアノ:ジルダ・ブッタ、 ヴァイオリン:アントニオ・サルバトーレ その他
 
(前半)
1.武蔵
2.アンタッチャブル
3.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
   (3曲メドレー)
4.海の上のピアニスト
5.続・夕陽のガンマン(タイトル)
6.ウエスタン
7.夕陽のギャングたち
8.続・夕陽のガンマン(黄金のエクスタシー)


(休憩15分)

 

(後半)
1.ニュー・シネマ・パラダイス
2.マレーナ
3.La Luz Prodigiosa
4.アルジェの戦い
5.死刑台のメロディー
6.殺人捜査
7.Sostiene Pereira
8.労働者階級は天国に入る
9.カジュアリティーズ
10.ケマダの戦い
11.タタール人の砂漠
12.Riccardo III
13.タタール人の砂漠(リプライズ)
14.ミッション(3曲メドレー)

(アンコール)
1.ケマダの戦い
2.La Luz Prodigiosa
3.続・夕陽のガンマン(黄金のエクスタシー)

 
 

 東京出張の夜、恒例のコンサート三昧。今日はどんなコンサートがあるか調べてみました。さすが東京だけに、各所でいろんなコンサートがあります。チェンバロのグスタフ・レオンハルト、ヴァイオリンのセルゲイ・ハチャトゥリアンのコンサートなどは興味がわきますし、マウリツオ・バリーニのピアノ・リサイタルなんてものもあります。「ポリーニ」じゃないところがにくいですね。そのほかでは、ピアノ・レッスンの音楽でおなじみのマイケル・ナイマンが新日本フィルと共演するコンサートがすみだトリフォニーホールであり、楽しめそうです。

 さて、どこに行こうかと悩んだのですが、結局映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネの初来日公演に赴きました。モリコーネと言えば、古くは「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などのマカロニウエスタン、最近では「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」などで、メロディを聞いたことのある人は多いに違いありません。私は個人的には「夕陽のギャングたち」が好きです。ということで、今回は気楽なコンサートを期待して、国際フォーラムへと向かいました。

 国際フォーラムは何度か利用したことがありますが、ホールAの利用は初めてです。まず、入り口から自分の客席までたどり着くのが一苦労。何せ5012席を誇る日本最大級のホールですので、実に巨大です。案内板を見ながらエスカレーターを乗り継ぎ、ようやく客席へ到着。ホール内に入るとやっぱり巨大。ホールというよりスタジアムという雰囲気です。プロセニアム形式のステージは客席の巨大さに比して小さく見えます。2階中央付近の私の席からは遙か下方です。

 今回の日本公演は3公演あり、本日が初日です。意外にも初来日公演ということです。客席は両サイドに若干空席が目立ちます。プログラムを買ったのですが2500円と高額。白表紙と黒表紙の2種類(内容は同じ)を売っていました。プログラムとしてはあまりに高いですが、内容は豊富です。しかし、肝心の当日の演奏曲目がないし、また当日の出演者の紹介記事もありません。モリコーネの業績の解説としては良くできているのですが、コンサートのプログラムとしては役に立たちません。目をこらしてよく見てみましたら、最終ページにイタリア語で小さく演奏予定曲目が印刷してありました。でも、無教養な私にはイタリア語はわからないので、日本語で、あるいはせめて英語で印刷してほしかったです。このプログラムは入り口で売っていたほか、客席に出張販売にきたのはびっくり。やっぱここはスタジアムなのかなあ・・。

 楽員が入場し、チューニング。プログラムにも記事がなく、ローマ・シンフォニーというオケがどういう団体かは知らないですが、フルオーケストラです。合唱団も入れて総勢200人というので豪華な布陣。
 モリコーネが登場し演奏開始。最初はNHK大河ドラマ「武蔵」のテーマ曲。その後映画作品のメドレーが続きます。途中から合唱団が登場し、迫力豊かな演奏が進みます。「夕陽のギャングたち」のソプラノのスキャットが美しかったです。「続・夕陽のガンマン」は迫力満点。合唱団は日本の団体ですが、すばらしい好演。演奏を大いに盛り上げてくれました。

 後半はヴォーカルも加わり、モリコーネの世界が続きます。モリコーネの音楽は甘美なメロディーで心慰める曲も多いのですが、現代音楽さながらの重たい曲も多いです。気軽なポップスコンサートとはいかないで、少々疲れたというのが実感。巨大なホールに音を満たすためには仕方ないでしょうが、PAを使っていたのは残念。音がこもったように感じました。同じ国際フォーラムでもホールCでPAなしで演奏したら、純音学的にもっと楽しめたかもしれないです。

 アンコールは演奏したものの中から3曲。演奏しなかった曲を選んでほしかったというのが正直な感想ではあったのですが、演奏そのものはすばらしかったです。終演はなんと10時8分。3時間以上の長丁場。こりゃ聴く方も疲れるはずです。
 出口に行くと人だかり。今日の演奏曲目が張り出されていました。人をかき分け携帯のデジカメで曲目を撮影し、ホールを後にしました。
 

(客席:2階15-70、A席:13000円)