東京交響楽団 第20回新潟定期演奏会 新潟定期20回・東響定期500回記念特別公演
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2003年3月8日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:秋山和慶、大友直人、飯森範親
 

池辺晋一郎: 東京交響楽団のためのファンファーレ(指揮:秋山和慶)

ラヴェル: 「ダフニスとクロエ」第2組曲(指揮:秋山和慶)

レスピーギ: 交響詩「ローマの松」(指揮:大友直人)

(休憩20分)

ストラヴィンスキー: バレエ音楽「春の祭典」(指揮:飯森範親)

(アンコール)
芥川也寸志: 弦楽のための3章より 第1楽章

 

 
 

 いろいろあって、これが今年最初のコンサートです。昼は末娘のおつき合いでドラえもん。そして気分を入れ替えてりゅーとぴあへ。
 今回は、新潟定期20回、東響定期500回記念の特別講演で、音楽監督の秋山さん以下、正指揮者の大友さん、指揮者の飯森さんと3人揃っての出演。賑やかな盛り上げやすい曲目で楽しみにしていました。いつもは土曜日のサントリーホールでの定期の後、日曜日に新潟定期というパターンですが、今回は逆です。

 ホールに入ると17:30からのプレトークが始まるところでした。指揮者3人揃って、デビューの頃や新潟定期の思い出などが語られ、楽しい会話でした。

 さて、いよいよ開演、いつもの東響定期と異なって、満席の大盛況です。

 まずは、秋山さんが登場し、ファンファーレ。コンミスは大谷さん。単なる金管のファンファーレではなく、弦楽も加えた聴き応えがある曲。続いて「ダフニスとクロエ」。オケの鳴り、厚みがいまひとつのようにも思えましたが、当たり障りのない演奏。

 続いて、大友さんが登場。コンマスはニキティンさんに交代。指揮台はかたづけられ、指揮棒なしの演奏。ダイナミックな曲で、大騒ぎに期待しましたが、弱音の美しい引き締まった演奏で感銘を受けました。さすがに「アッピア街道の松」では、オルガンやステージ右手の2階席に陣取ったブラスも加わって、大いに盛り上げてくれましたが、決してうるさくならないのはさすが。ブラボー屋さんも頑張って、興奮の中前半の終了。

 後半は飯森さんで「春の祭典」。再びコンミスは大谷さん。やはり指揮台はありません。最初の管の出だしからアレッと感じます。ちょっと元気が足りない演奏。若さに期待しましたが、中庸を行く演奏に感じました。
 「春祭」といいますと、第4回新潟定期で秋山さんの指揮で演奏されています。個人的には、数年前に東京芸術劇場で聴いたゲルギエフ・キーロフ管の演奏が記憶に残っています。もっと驚きのある演奏だと良かったのですが、音響を楽しんで、気分転換にはなりました。第1部と第2部の間の間が異常に長く感じ、空腹の腹の虫の音が気になったのは私だけでしょうか。あの静寂はホールでしか味わえないもの。咳払いする人もほとんどなかったです。こういう雰囲気がコンサートの醍醐味です。

 さて、クライマックスは今ひとつ盛り上がりを感じず終演。ブラボー屋さんもおとなしくしていました。カーテンコールは指揮者3人登場。アンコールは秋山さん。東響が初演した曲らしいですが、なじみやすいいい曲です。こういう曲が埋もれているのはもったいないです。全曲聴いてみたくなりました。

 東響は川崎市とフランチャイズ契約をして、新潟との関係を危ぶむ声もありましたが、今後も新潟定期はこれまで同様に続くらしいです。今後もすばらしい演奏に期待したいです。

*第22回定期の指揮者のマルティン・ジークハルトはヘンリク・シェーファーに変更になったとのチラシが配布された。ベルリンフィルの副指揮者とのこと、新鋭指揮者の演奏に期待しよう。
 

(客席:2階Cブロック*−*)