東京交響楽団 第19回新潟定期演奏会
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2002年12月8日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:秋山和慶
ヴォーカル:スウィングル・シンガーズ
 

〜ヴォーカルグループの深奥〜

エルガー:創作主題による変奏曲「エニグマ」作品36

(休憩20分)

ジェリコの戦い  
アメージング・グレイス
オール・ザ・シングズ・ユー・アー  
イパネマの娘
スウィングしなけりゃ意味がない

             Vo:スウィングル・シンガーズ(ア・カペラ)

ガーシュイン:ストライク・アップ・ザ・バンド
ガーシュイン:「ボギーとベス」メドレー(リチャードソン編曲)

             Vo:スウィングル・シンガーズ

バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」序曲(ペレス編曲)
バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」メドレー(リチャードソン編曲)

             Vo:スウィングル・シンガーズ

(アンコール)
クリスマス・ソング・メドレー
J.S.バッハ:小フーガト短調
蛍の光

             Vo:スウィングル・シンガーズ(ア・カペラ)

 

 
 

 今週は東京出張で、日フィル東フィルのはしごをしてきました。1日おいて、今度は東響です。久し振りに自宅に寄りましたが、居場所はなく、遅ればせながらスタッドレスにタイヤ交換して新潟市内をうろつき、会場に赴きました。天気同様に、私の心も鉛色です。

 さて、本日は、あのスウィングル・シンガーズの登場です。私でも子供の時から名前ぐらい知っています。最近日本でも若者の間で「アカペラ」が流行で、「ハモネプ」なる番組の人気も高いですが、スウィングル・シンガーズは、まさにハモネプの神様とでも言うべき存在。音楽は娯楽だと常々考える私としては密かに期待していた公演です。

 拍手の中に楽員の登場。東京でのコンサートでは拍手はありません。新潟のこの習慣に慣れてしまうと、東京の方が変に思えてしまいます。拍手に応えて全員揃うまで立って待つという新潟方式は、私としてはすばらしい習慣だと思います。

 まずは、「エニグマ」。これは曲の魅力を再認識させてくれた名演奏でした。オルガンまで加わってのダイナミックな演奏で、これだけで今日は満足だという気分になりました。東京で聴いた日フィルや東フィルより、我らが東響の方がクオリティーは上だと実感しました。新潟でいい演奏が聴けるなんて幸せなんだなあと改めて感じた次第です。

 休憩の後、スウィングル・シンガーズの登場。ア・カペラで5曲を熱唱。PA使用というのは、残響豊富なりゅーとぴあではマイナスに働きますが、すばらしいハーモニーです。ボイス・パーカッションもさすがと唸らせます。
 次に、楽員が入場してガーシュイン、バーンスタインと演奏、熱唱は続きます。これって、東響定期だったのかなあ、疑問も湧いたのですが、これはこれで大満足。どう考えても、東響定期というよりはスウィングル・シンガーズの来日公演の伴奏に東響が出演という状況ですが、楽しけりゃいいじゃないの。堅く考えないで、スウィングしましょうや。アンコールも、東響のアンコールではなくて、スウィングル・シンガーズのアンコール。コンマス(コンミス)の大谷さんも足を踏みならして楽しそうです。最後に大谷さんがお辞儀をして楽員退場。日フィルも東フィルも最後は全員でお辞儀していましたが、東響はコンマスだけ。ここだけちょっと寂しい感じです。

 これで19回目の新潟定期演奏会、たまにはこういう趣向もいいじゃないでしょうか。粋なクリスマス・プレゼントです。きっとなじめない人もいたに違いないです。PA使用でしたので、座席によってはオケとのバランスが悪かったでしょうし、スピーカー前の人はうるさくて大変だったと思います。スウィングル・シンガーズはPAなしでも歌えるはずですが、ヴォイ・パは使えないですし、仕方なかったかな。今日に限っては、会場はりゅーとぴあよりも県民会館の方が良かったに違いないです。響きすぎるホールが裏目に出た感も大きいと思います。

 さて、東響定期としての評価は疑問ですが、ひとつの公演として考えますと、これだけ楽しめた公演も最近ではなかったです。アンコールで歌われたクリスマスソングを口ずさみながら、小雪の中に車へと向かう足取りも軽かったです。
 (アイ・ウィッシュ・ア・メリー・クリスマス、アイ・ウィッシュ・ア・メリー・クリスマス、アイ・ウィッシュ・ア・メリー・クリスマス アンド ア・ハピー・ニュー・イヤー・・・) あれほど落ち込んでいた心が救われるなんて、やっぱ音楽ってすばらしいなあ・・・。
 

(客席:2階C*−*)