ユンディ・リ & ブダペスト祝祭管弦楽団
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2002年7月5日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:イヴァン・フィッシャー
ピアノ:ユンディ・リ
 
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 (Pf:ユンディ・リ)

(アンコール) 
リスト:ラ・カンパネラ

(休憩)

チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 作品36

(アンコール)
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第7番

 
 
 

 第14回ショパンコンクール優勝の中国人ピアニスト、ユンディ・リを前面に押し出したコンサートですが、個人的にはブダペスト祝祭管弦楽団を聴いてみたいということでコンサートに臨みました。会場は久し振りに満席。いつもの東響定期の客層とは全く異なります。圧倒的に女性が多く、その多くは若く美しい方々です。いつになく華やいだ客席で、私のようなオジサンは少数派です。

 拍手の中で楽員入場。東響定期みたいに入場し終わるまで立って拍手に応え、楽員が揃ったところで着席。楽器の配置は、左に第1ヴァイオリン、右に第2ヴァイオリン、その後ろ左にチェロ、右にヴィオラ、その後ろに管、最後列中央にコントラバス、左右に打楽器となっています。最近はやりの配置かな。

 1曲目は「運命の力」。聴き慣れた曲ですが、流麗さがなく、どうもしっくりしません。オケの音色もきれいではありません。
 2曲目は、興行的には本日のメイン、ユンディ・リによるショパンです。スリムな体型、キムタクに似て、ジャニーズ系の美男子。若い女性ファンが多いのもうなずけます。
 演奏は期待に反し、繊細でもなく、力強くもなく、情熱的でもなく・・・、要するに、感慨なし。オケとの噛み合いも今ひとつ。しかし、会場の拍手は相当なもの。アンコールのラ・カンパネラは旋風の如く鍵盤の乱れ打ち。メチャメチャではありますが、若さとかっこよさで許されてしまいます。
 会場の照明が明るくなってもカーテンコールは続きます。容姿は別にして、どこがすばらしいのかへそ曲がりな私には理解できないのですが、まだ19歳です。人気が先行しすぎているように思いますが、幅広く研鑽を積んで、1発屋で終わらないで欲しいものです。

 休憩の後、客席の空席がチラホラ。ユンディ・リだけが目当ての人が多いのにビックリ。全部聴かなきゃ高い入場料が損なのになあ、オケにも失礼じゃないの、と勝手に心配。
 後半はチャイコフスキーの4番。オケの力量に期待しましたが、今ひとつ乗らないです。オケの厚みはなく、濁ったサウンド。金管の炸裂もありません。オケのせいか、指揮者のせいか、私の好みのせいか、欲求不満のまま演奏が続きます。一番気に入らなかったのは、第3楽章と第4楽章の間に休みを入れたこと。ここは、咳払い休憩は入れないで、すぐに第4楽章をドカーンと初めて欲しかったなあ・・。第4楽章も後半となり、一瞬だけきれいな響きを聴かせたことがあったのですが、そのときだけ。盛り上がることなく終了しました。

 アンコールのスラブ舞曲は、フィッシャーが日本語で紹介。こういうコンサートではよくあることですが、アンコールが一番きれいに聴こえました。

 プログラムを見ましたら、今日は今回の日本ツアーの初日です。来日したばかりで、オケの調子としても不十分なのでしょう。ユンディ・リとのリハーサルも不十分なのかも知れないです。
 これから、名古屋、福岡、広島、東京(オペラシティ)、横浜、立川と回って、15日のサントリーホールで終わりとなります。ユンディ・リだけでなく、エマニュエル・パユとの競演も予定されています。最終公演は本日と同じプログラム。そのときはどういう演奏をするのか興味が湧きます。
 

(客席:3階 Iブロック 4-27)