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フィリピン活動記:

第1号報告書

第1号報告書(赴任3か月目)として、以下の項目について報告します。


1. 任国事情
2. 配属先の概要
3. 現状と問題点
4. 要請内容とその変更について
5. 今後の活動方針

※ 文中には「付録参照」とありますが、付録は掲載していません。ご了承ください。


1. 任国事情

当サイトの他コンテンツに同内容が記載されているため、ここでは省略いたします。


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2. 配属先の概要

当サイトの他コンテンツに同内容が記載されているため、ここでは省略いたします。



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3. 現状と問題点

3.1. 大学業務と情報システム化プロジェクト

(1) 大学業務の現状

大学業務はすべて手作業で行われています。
十分な数のコンピュータがあり、職員はMS-Word、MS-Excelなどを利用しています。コンピュータの利用は文書を作成するにとどまり、情報は紙ベースで管理されています。 大学の主な業務は次の4つです。

  • 学生登録
    在籍中の学生情報を管理しています。学生の名前などの個人情報、受けている授業、単位数などの情報を蓄えています。
  • 財務
    大学の財務情報、学生の入学金、授業料を管理しています。
  • 人事
    大学に勤務している教職員の情報を管理しています。
  • 管財
    大学の物品を管理しています。

(2) 情報システム化プロジェクトの構想(プロジェクト中止)

大学の情報システム化の構想があります。しかしながら、このプロジェクトは中止になりました(詳細は「4. 要請内容とその変更について」を参照)。

この情報システム化プロジェクトの概要は次のとおりです。

名称:University Management Information System Project
サブシステム:

  1. 学生登録システム:ネットワークを利用して学生情報の登録、管理を行う。在学生だけでなく、卒業生の情報も管理する。
  2. 財務システム:教職員の給与支払い、入学金、授業料の処理を自動化する。
  3. 人事システム:教職員の個人情報とその関連情報を管理する。
  4. 管財システム:ネットワークを利用して物品調達、申請、在庫管理を行う。

プロジェクト管理者は、当時の工学部長(Dean of College of Engineering)であり、このプロジェクトを遂行するにあたって、協力隊員を要請しました。
工程表も存在し、きちんと計画されたプロジェクトです。しかし、予算不足、機材不足、人材不足のため、今まで計画通り行われていなかったようです。

(3) 学生登録システム(プロジェクト中止)

情報システム化プロジェクトのサブシステムである、学生登録システムが開発中でした。しかしながら、このシステム開発は中止になりました(詳細は「4. 要請内容とその変更について」を参照)。
このシステムは、学生の個人情報、授業取得情報、単位数などを管理するものです。
このシステムはほかの業者が絡んでいるため、トラブルを起こさないためにもできるだけ関わらないようにしています。
システムの現状は次のとおりです。

  • システムの設計、開発は、当時の工学部長の知り合いであるフリーのプログラマが行いました。
  • 職員2人(12月までの期間限定雇用、パートタイム)を雇い、既存情報の入力およびテストを行っています。テストの方法は、既存情報を入力する過程で問題が発見されたらプログラマに報告し、プログラマが修正するというやり方です。プログラマは2週間に1度大学にやってくるそうです。
  • 開発言語はVisual Basic 6.0です。
  • 機能は次のとおりです。
    Student Registration:学生の基本情報、今年入学した学生約1900人分が蓄えられている。そのうち、1000人は普通の学生、その他はイレギュラーの学生である。ここで学生の個人情報を入力してから次へ進む。
    Academic Registration:学生と授業が関連付けられた情報、すなわち、学生が受けている授業が蓄えられている。
    Curriculum:授業科目のマスタ管理。
    Assessments:バグがあり、未完成。
    Student Payment:学生の授業料支払いを管理する。
    System References:すべてのマスタテーブルの管理、追加などの操作を行う。マスタの変更はほかのデータとの関連付けが壊れるため実際には行っていないとのことです。
    全体的にシステムの設計はよく行われており、業務に合った形となっています。
  • システム構成は次のとおりです。
  • サーバ(1台)

    機種:カスタムPC(ノーブランド)
    CPU:Pentium4 1.6GHz
    メモリ:128MByte
    OS:Windows 2000 Server 海賊版
    データベース:SQL Server 海賊版
    備考:CD-ROM付き

    クライアント(2台)

    機種:カスタムPC(ノーブランド)
    CPU:Pentium4 1.6GHz
    メモリ:128MByte
    OS:Windows XP Professional 海賊版
    備考:CD-ROM無し

  • サーバ1台とクライアント2台は、HUBを経由して閉じたネットワークで接続されています。IPアドレスなどネットワークの設定はされていません。
  • データベースのバックアップ方法は、毎日GUIツールを使って同じファイルに上書き保存をしています。毎日バックアップする理由は、システムが不安定なためとのことです。
  • ドキュメントは一切存在しません。
  • データベースのパスワードは設定されていません。
  • 以前システムが壊れたことがあるが、プログラマが直したとのことです。壊れた原因もどのように直したかも不明です。

問題点は次のとおりです。

  • ドキュメントが存在しないため、何かトラブルがあった場合に対処できません。
  • エラー処理が行われておらず、間違った値を入力するとシステムがダウンします。
  • 全体的に完成度が低く、運用に耐えられません。作業を行っている職員の話では、あまりにバグが多すぎるため業務では使えないとのことです。
  • 学生の授業料支払い画面でレシートの出力ができません。その原因はフィリピン政府にあります。政府機関発行のレシートは政府指定のものであり、紙、フォーマットを変更することは許されないからです。そのため、どの政府機関のシステムも、レシートの出力機能は備えておらず、手書きで作業をしているとのことです。
  • ネットワークの設定がされていません。
  • セキュリティの設定がされていません。
  • OS、データベース、開発ツールなど、すべてのソフトウェアは海賊版を利用しています。正規のライセンスは取得していません。

(4) 管理棟内LAN

職員が勤務する管理棟内にはLANがありません。
管理棟には、HUB装置があります。これは、ボックス型のケースに入った高価なものです。しかし、ネットワークケーブルが繋がっておらず、電源も入っていません。高価な機材を購入しただけで、使っていないようです。
なぜ購入して使っていないのかたずねたところ、将来的に利用するとのことです。高価な機材を無計画で購入したようです。

(5) 予算

情報システム化プロジェクトの予算は、ありません。
当初200万ペソの予算が政府より割り当てられていました。派遣受入調査表にも同額の予算が記されていますし、実際にこの予算はあったそうです。この予算はすべてハードウェアの購入に使用し、使い切ってなくなってしまったようです。なお、どのようなハードウェアを購入したかは不明です。

(6) 人材

このプロジェクトに関わっている人は、次のとおりです。

  • プロジェクト管理者(当時の工学部長)
  • 職員2名(データエントリおよびテスト担当、12月までの契約職員)
  • 外注業者1名(フリープログラマ)

もともとは、工学部コンピュータ学科のある先生が行うプロジェクトだったそうですが、彼は大学を辞めてしまいました。そのため、外注業者を雇って開発を行っているようです。なお、大学を辞めた先生は私のカウンターパート予定者でした。
当初、職員2名をカウンターパートとして紹介されましたが、彼女らは12月までの契約職員であり、コンピュータの知識は無いためカウンターパートとしての資格はありませんでした。

(7) 問題点

情報システム化プロジェクトは行えない状態にあります。
理由は次の3点です。

  • 予算がないこと。当初の予算をすべて使い果たしてしまっているため、続行できません。
  • 機材がないこと。システム開発に必要な機材がありません。予算がないため新規に購入することもできません。
  • 人材がいないこと。大学内にはシステム設計、開発を行える技術を持った人材がいません。したがって、誰もこのプロジェクトを遂行できません。


3.2. 工学部

3.2.1. 教職員

(1) コンピュータ環境と現状

工学部(College of Engineering)の教職員が利用しているコンピュータは12台です。動作環境は良好です(図3-A参照、詳細は「付録1・College of Engineering コンピュータ一覧」を参照)。このほかにも教職員は自分のノート型パソコンを持ち込んで利用しています。
プリンタはすべてスタンドアロンとして利用しています。紙を使う業務の多い学部長室(Dean's Office)に集中的に配置されています。教職員室(Faculty Room)には1台しかプリンタがなく、印刷が必要な業務は1台のパソコンで行っています。
教職員用コンピュータは次のように利用しています。

  • 教職員およびスチューデント・アシスタント*4)が、授業で必要な資料を作成する。
  • 教職員およびスチューデント・アシスタントが、大学業務に必要な文書を作成する。
  • 教職員およびスチューデント・アシスタントが、学生情報の記録、管理文書を作成する。
  • 学生が勉強のために利用する(コンピュータ教室は学生に開放されていないため)。
図3-A教職員用コンピュータ 図3-A:教職員用コンピュータ

*4) 学生の中で特に成績のよい数名をスチューデント・アシスタントとし、学校業務をアルバイトで行わせています。

(2) 教職員のスキル

教職員はコンピュータを主に文書作成に利用しています。そのため、教職員はMS-Word、MS-Excel、MS-PowerPointなどのオフィスソフトを自在に使いこなします。
自分たちで業務システムを作る能力はないようです。コンピュータ学科の先生ですら業務システムを開発することが出来ず、MS-Excelなどで情報を管理するにとどまっています。
ネットワークの知識を持っている人はいません。LANが不完全ということもありますが、ネットワークを利用した作業、たとえばファイル共有やプリンタ共有は行っていません。
コンピュータの保守を行える人はいません。また、コンピュータを管理している人もいません。

(3) 予算

コンピュータの新規導入、保守に関わる予算はありません。
したがって、壊れた場合は、壊れたまま放置されています。
消耗品の類;プリンタインクなどは申請すれば購入できるようです。

(4) 問題点

教職員のコンピュータ利用に関しては、今のところ大きな問題は見当たりません。しかし、誰もコンピュータの保守、管理を行っていないため、問題が発生したときには対処できません。
一般の教職員のコンピュータスキルは問題ありません。
コンピュータ学科の先生のスキルは低いです。システム開発やネットワーク利用の知識はないようです。

3.2.2. コンピュータ教室

(1) 環境と現状

コンピュータ教室(Computer Laboratory)にはコンピュータが26台あり、そのうち11台が正常に稼動しています。残りの15台は壊れて稼動していません。動作している11台も何らかの問題を抱えているものがほとんどです。(図3-B参照、詳細は「付録1・College of Engineering コンピュータ一覧」を参照)
コンピュータは外注業者によるレンタルリースであり、外注業者がサポートを行うという契約だそうです。しかし、実際には外注業者はまったくサポートを行っておらず、ほとんどのコンピュータが正常に動作していません。
コンピュータ学科の先生がコンピュータを管理していることになっていますが、実際にはまったく保守、管理をしておらず、壊れたものは壊れっぱなしの状態になっています。
コンピュータ環境のみならず、台数ですら把握されていません。当初は100台のコンピュータがあると聞いていました。しかし、実際にカウンターパートと一緒に調べてみたところ、26台しかありませんでした。この調査結果を教職員と工学部長に伝えたところ、彼らは驚いた様子でした。残りのコンピュータがどこに行ってしまったのかは今でも不明です。26台のコンピュータ中、11台しか正常に動作していないということを伝えるとさらに驚いた様子でした。今までだれもコンピュータの状態を把握していなかったようです。
コンピュータの環境はそれぞれ異なり統一されていませんが、利用にあたっては問題ない性能です。しかし、どのコンピュータもCD-ROMが搭載されておらず、保守は難しい状態になっています。OSはWindows 2000またはWindows 98を使用しています。
コンピュータは管理者権限で実行するようになっています。そのため、学生が自分勝手に環境を書き換えて、動かなくなってしまったコンピュータも見受けられます。
必要なソフトウェアがインストールされていないコンピュータがあります。たとえば、Visual Basicの場合、利用できるコンピュータはたった5台だけです。そのため、Visual Basicの授業では学生50人に対してコンピュータが5台だけという状況になっています。
コンピュータの周辺機器、特にマウスは学生が盗んでしまうことが多いです。マウスからマウスボールを取り出して遊びに使い、そのまま持ち去ってしまうというケースが目立ち、実に11個ものマウスにマウスボールが存在せず機能していません。
コンピュータ教室にはLANが設置されています。しかし、まったく使われていません。
コンピュータ教室は埃が多くて汚く、掃除されていません。コンピュータが壊れる原因の1つと考えています。
以前は、コンピュータ学科のある先生が保守、管理を行っており、正常なコンピュータ環境が維持できていたようです。しかし、彼は大学を辞めてしまいました。辞めた理由は給料にあるようです。国立大学の教員の給料は月10,000ペソ、首都マニラの民間企業では月25,000ペソだそうです。結果、技術を持っている彼は大学を辞めて転職してしまったそうです。ちなみに、彼は私のカウンターパート予定者でした。
その後、誰もコンピュータを保守、管理せずに今に至っています。
コンピュータ教室の問題点をまとめます。

  • 誰もコンピュータを保守、管理していません。そのため、壊れたコンピュータはそのままになっています。
  • コンピュータ教室は埃が多くて汚く、コンピュータが壊れる原因の1つとなっています。
  • コンピュータの設定に問題があります。
    • コンピュータ名が統一されていません。
    • OSが統一されていません。
    • 何台かのコンピュータは異なるCPUが装着されています。
    • 何台かのコンピュータは十分なメモリを備えていません。
    • CD-ROMドライブが無いため、保守が困難になっています。
    • UPSが無いため、停電がコンピュータの壊れる原因の1つとなっています。
    • ネットワークの設定がされておらず、また、誰も使用していません。
    • 何台かのコンピュータには必要なソフトウェアがインストールされていません。
  • ハードウェアが壊れています。
    • 3台のハードディスクが故障しています。
    • 2台のコンピュータからハードディスクがなくなっています。
    • 4台のフロッピーディスクドライブが利用不可能状態になっています。
    • 11台のコンピュータはマウスがありません。
    • 7台のコンピュータはキーボードが故障しているか、ありません。
    • 7台のコンピュータはLEDランプが壊れています。
    • 5台のコンピュータはOSが壊れています。
    • 1台のコンピュータはビデオカードが壊れています。
  • コンピュータのセキュリティが確保されていません。
    • 学生によってOSの環境が変更され、動作しなくなったコンピュータがあります。
    • 学生によってBIOSの設定が変更され、動作しなくなったコンピュータがあります。
    • セキュリティ設定がされていないため、学生によって環境を壊されたコンピュータがあります。
    • 何人かの学生がコンピュータのパーツ;マウスボールなどを盗み、その結果動かなくなったコンピュータがあります。
図3-Bコンピュータ教室のコンピュータ 図3-B:コンピュータ教室のコンピュータ

(2) 授業風景

コンピュータを利用した授業は、低学年ではコンピュータの利用方法、高学年ではプログラミングの授業を行っています。
満足な授業は行われていません。授業では動作するコンピュータが少ないため、5人以上で1台のコンピュータを共同で利用しています。学生はそれに対して文句を言いません。コンピュータが利用できない学生は遊んでいるか、別なことをやっています。
勉強の必要性を感じている学生は、授業終了後、教職員用コンピュータで勉強を行っています。

(3) 予算

コンピュータは外注業者によるレンタルリースです。学生は1人1セメスタあたり500ペソを外注業者に支払っています。

(4) 問題点

問題点は次のとおりです。

  • 人材がいない。誰もコンピュータを保守、管理しておらず、コンピュータ環境の実態も把握されていません。コンピュータを使う授業を受け持っている先生ですら、環境を把握していないといった有様です。コンピュータの保守、管理を行う必要があります。
  • 機材がない。コンピュータを修理しようとしても、そのための機材;代替機材、インストールCD-ROMなどがありません。外注業者がサポートしていることになっているため、自分たちでは機材を持ち合わせていません。自分たちで保守、管理を行っていくのであれば、必要な機材を購入しなくてはなりません。

3.2.3. LAN

(1) 環境と現状

工学部内にはLANが設置されています。しかし、すべてのパソコンが繋がっているわけではなく、不完全な状態にあります。また、LANは業務では一切使用されておらず、ただ設置されているだけになっています(詳細は「付録2・College of Engineering ネットワーク図」を参照)。LANは誰も保守、管理を行っていません。
LANはインターネットに接続されていません。
過去、インターネット接続に2度挑戦して失敗した経緯があります。
最初は、ダイヤルアップIP接続を利用して現地のプロバイダと接続し、インターネットを利用していました。当時は、図書館にネットカフェを作り、学生から利用料を取って運営していたそうです。しかし、あまりに速度が遅いため、撤去してしまったとのことです。
次に、衛星を利用したインターネット接続を試みました。これは、プロバイダが行った2か月間無料キャンペーンを利用し、機材だけ購入して設置したようです。しかし、2か月後、大学側から予算が認可されず、廃止になったようです。なお、衛星接続にかかる費用は月15,000ペソとのことです。

(2) 予算

LANに関わる予算はありません。しかし、申請すれば機材の購入が認められるそうです。

(3) 問題点

工学部内LANの問題点は次のとおりです。

  • ネットワークを利用できる人材がいないこと。そのため、LANが設置されても誰も使わず、未完成の状態のままになっています。LANがあるにも関わらず活用しないのは大変もったいないことです。ネットワークの利用方法を伝えて、LANを有効活用させなくてはなりません。
  • インターネットに接続されていないこと。インターネットは学生、教職員にとって必要な社会インフラです。インターネットへの接続を行い、インターネットのサービスを利用できる環境を整える必要があります。


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4. 要請内容とその変更について

4.1. 当初の要請内容

(1) 情報システム化プロジェクト

私の要請内容は次のとおりでした。

  • 情報システム化プロジェクトに関わる学生登録、財務、人事、管財の各システムの開発支援。
  • 情報システム化プロジェクトに関わるネットワークの設置。

しかし、2003年10月20日に人事異動、組織変更が行われ、それに伴い情報システム化プロジェクトは中止になりました。

(2) 情報システム化プロジェクトの中止について

2003年10月20日に人事異動、組織変更が行われました。工学部の教員が新たに学長(Campus Dean)となりました。また、当時の工学部長は降格となり、新しい工学部長が着任しました。
これに伴い、情報システム化プロジェクトは中止になりました。
正式な中止理由はわかりませんが、次の2点が原因と考えられます。

  • 多額の予算を使ったこと。高価なハードウェアを購入したが、まったく使われていません。
  • まったく成果が見られないこと。システムを開発する技術者がいないためだと考えられます。

なお、当時の工学部長が降格になったためプロジェクトが中止になったのか、プロジェクトを中止にするため彼が降格になったのかはわかりません。


4.2. 要請内容の変更について

(1) 要請内容の変更

情報システム化プロジェクトが中止となったため、私の要請内容はなくなりました。
そこで、新しい工学部長や教職員と相談し、工学部の現状を踏まえて新しい要請内容を決定しました。
新しい要請内容は次のとおりです。

  • 工学部内学生情報管理システムの開発支援
    現状の予算とカウンターパートの能力を踏まえて、大学全体ではなく、工学部内だけのシステムの開発支援を行うこととしました。
  • 工学部内LANの再構築と活用
    未完成であるLANを再構築し、有効活用を目指します。同時に、コンピュータ教室のコンピュータ環境の再整備も行います。最終的にはインターネットへの接続を考えています。
  • 最新技術の紹介と指導
    ネットワーク、Linux、各種Web技術の紹介と指導を行います。自分たちで大学ホームページを構築し、公開できるようにすることを目標とします。

また、要請があれば、大学内だけでなく他の政府機関でも活動を行うこととします。

(2) カウンターパートの変更

人事異動、組織変更と要請内容の変更に伴い、カウンターパートを再選任しました。今まではカウンターパートは事実上不在でしたが、今回工学部長が変わったことで、彼に依頼してコンピュータ学科の先生3人をカウンターパートとしました。
また、私の職場を教職員室に移動しました。カウンターパートが教職員室にいるためです。今までは学部長室の中でマスコット的な扱いを受けていましたが、これにより本格的に活動出来る環境となりました。


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5. 今後の活動方針

(1) 活動方針

新しい要請内容を元に、次の2つの方針で活動に取り組むこととします。

  • 自助努力の啓発
    出来るだけカウンターパートに仕事をやらせるようにし、自分はあくまでもサポート役に徹します。先に述べたとおり、過去に技術者がいて彼がコンピュータの保守、管理を行っていましたが、彼が辞めたあとは誰も保守、管理を行わなくなりました。したがって、私が先導で活動をしたのでは、2年後に誰も保守、管理をしないといった状況が容易に想像できます。自助努力を活動の基本として、私が先導して活動を行わないようにします。
    なお、実際には満足な環境が整備されていないため、彼らからみると何から手をつけてよいのかわからない状態にあります。たとえば、ネットワークの勉強をしたくても、ネットワークが運用されていないため勉強できません。勉強できないのであれば、ネットワークを保守、管理できる技術者を育てることができません。様子を見ながら、ある程度の環境は私が先導して構築することを考えています。
  • 既存の環境の再構築と活用
    配属先には機材はありますが、有効活用されていません。機材の新規購入を控えて、既存のものを有効活用できるようにします。

(2) その他

現段階で、カウンターパートの日本での研修員推薦を考えています。理由は次のとおりです。

  • コンピュータおよびネットワークの保守、管理を行う技術者を育てる必要がある。
  • 上記は隊員が指導を行うが、隊員帰国後も継続してコンピュータおよびネットワークの保守、管理を行えるようにしたい。
  • 既存の環境を利用してシステムを構築するなど、応用的な能力を持つ技術者を育てたい。


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