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りゅーと新潟フィルハーモニー管弦楽団は、2017年12月10日に第1回定期演奏会(創立記念特別演奏会)で演奏活動を開始し、その後定期演奏会やサマーコンサート、合唱団にいがたとの共演など、活発な演奏活動を続けており、今回は第8回の定期演奏会を迎えました。
2019年2月の第2回定期演奏会からベートーヴェン交響曲全曲演奏シリーズを開始し、今回はその6回目です。第1番〜第4番、第8番と演奏してきて、今回は第5番です。カップリング曲はシューベルトの「未完成」という、鉄板のプログラムです。指揮者は第5回定期演奏会から指揮している下田村出身の若林康之さんです。
アマチュアの定番曲ではありますが、どんな演奏を聴かせてくれるか楽しませていただこうと思い、チケットを買いました。
昨日は雨が降り、今日も朝起きましたら鉛色の曇り空が広がっていました。昨日の記事を書き上げてアップし、ネコと戯れて日曜の朝を過ごし、ゆっくりと昼食を食べて家を出ました。雲は薄くなり、時おり陽射しもさして、まずまずの天候になりました。
新潟西パイパス〜新潟バイパス〜亀田バイパスと快適に走り、家から信号4つで18.5km、20分ほどで江南区文化会館に着きました。隣には体育館(アスパーク)があり、広大な無料駐車場があるのがありがたいです。
開場まで時間がありましたので、図書館で時間をつぶし、開場待ちの列ができてきたところで列に並んで開場を待ちました。
このホールは、亀田出身の私としましては、わが故郷のホールであり、大好きなホールです。秋葉区文化会館と並んで、デサイン優先の、ちょっと奇抜なデザインなのが特徴です。もっと単純な設計にすれば工事費が少なくて済み、維持経費も少なくて済むんじゃないかと、開場を待つ間に、複雑な構造の天井を眺めながら、勝手に思いを巡らしました。
予定開場時間より5分早く開場となり、中段左寄りに席を取りました。400席ほどの小さなホールですが、小型なオケにはちょうど良いように思います。
プログラムに記載されているメンバーを見ますと、コンマスのほかに、第1ヴァイオリン6、第2ヴァイオリン7、ヴィオラ6、チェロ5、コントラバス2、フルート4、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット3、ホルン2、トロンボーン3、ティンパニ1
となっていましたが、この内21人が賛助出演です。この中に仕事上でお世話になっている方の名前もあってびっくりしました。
開演時間が近付くにつれて席はどんどんと埋まり、席数が少ないためもありましょうが、なかなかの入りとなりました。
開演を告げるお馴染みのチャイムがなり、拍手の中に団員が入場し、最後にゲストコンマスの青山さんが登場してチューニングとなりました。
団員は若い方から白髪の年配者まで幅広い年齢層で、弦の中には、私の業界の重鎮のお姿もありました。弦5部は 7-7-6-4-2
で、管はホルン2、フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1という編成でした。
若林さんが登場して、1曲目はオネゲルの「夏の牧歌」です。弦楽に導かれてホルンが歌い、曲が始まりました。管楽器と美しい弦楽アンサンブルが絡み合い、明るく穏やかな音楽が流れ、まさに牧歌的な曲でした。
管楽器のソロも美しく、弦楽アンサンブルも良くまとまっていて、曲の魅力を知らしめてくれる聴き応えある演奏でした。穏やかに、静かに曲が終わり、感動とともに大きな拍手が贈られました。
弦はそのままで、管楽器が増員され、ティンパニが加わって、2曲目はシューベルトの「未完成」です。若林さんが登場して演奏が始まりました。
第1楽章は、チェロとコントラバスに導かれて、弦楽全体の合奏となり、管が加わり、低弦のピチカートが美しく響いて演奏が始まりました。大きく盛り上がった後にチェロが美しく主題を奏で、ヴァイオリンに引き継がれて、美しく演奏が進みました。
弦楽アンサンブルはアマオケとしては十分な美しさで、管楽器も頑張っていて、緊迫感のある音楽を作り出していました。甘いメロディと緊張感が交互に同居しているこの曲の面白さを、見事に表現してくれました。
ここで拍手が起きましたが、さす我が故郷と思いました。日頃こういうコンサートに来られない人なんだと思いますが、そういう人が来てくれることはありがたいことだと思います。
第2楽章は、ホルンと低弦のピチカートとともに、弦楽が美しくゆったりと歌って始まりました。ゆっくりとメロディを奏で、一歩ずつ踏みしめるように進みました。
中間部での管のソロがやや不安定ではありましたが頑張ってくれました。堂々とした緊張感の後の緩徐部を乗り切り、再び冒頭の主題に戻り、繰り返されました。
この楽章の一番の聴かせどころだと私が勝手に思っている天に昇るようなヴァイオリンのオクターブの跳躍がはっきりしなかったのは残念でしたが、全体を通せば些細なことと思える高水準な演奏だったと思います。感動の演奏に大きな拍手が贈られて休憩に入りました。
休憩後の後半は、いよいよメインとなるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」です。弦は前半と同様ですが、管楽器が増員されてフル編成となりました。フルート席の3番目にはフルート界の重鎮の榎本先生のお姿もありました。若林さんが登場して演奏が始まりました。
第1楽章は、「ン、ジャジャジャジャーン」という休符に始まる出だしがばっちりと決まって始まりました。その後は、この出だしの多少のばらつきはありましたが、弦楽はしっかりとしたアンサンブルであり、ホルンをはじめ、管もばっちりで、引き締まった緊張感の中に演奏が進みました。オーボエソロも美しく、終始緊張感を失うことなく、堂々とした演奏に引き込まれました。
第2楽章は、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの合奏でゆったりと始まり、これにヴァイオリンが加わって、ゆっくり目に、堂々とした足取りで演奏が進みました。
中間部の聴かせどころでの弦楽アンサンブルの流麗さに欠けるのはアマオケでは仕方ないと思いますが、良くまとまった演奏でした。かなりゆっくり目の演奏でしたが、ばらけることもなく、引き締まっていました。堂々とゆっくりと行進し、力強く終わりました。ここで一部の人から拍手が起こりましたが、それだけ良い演奏だったということだと思います。
第3楽章は、重々しい弦楽合奏に始まり、ホルンが加わり、力強くリズムを刻んで緊張感を高めました。聴かせどころのチェロとコントラバスの合奏も良くまとまっていて、素晴らしく感じました。少人数ながらも力強さを感じさせ、切れも良かったです。ここが決まればこの楽章は終わったようなものと勝手に思っていますが、良いできでした。静けさから弦のピチカートがメロディを奏で、沸き立つように力を高め、どんどんとエネルギーアップして第4楽章に突入しました。この流れも最高でした。
高らかにテーマを演奏し、エネルギー感に溢れてどんどんと高まりました。ひと呼吸置いてしっかりとリズムを刻み、エネルギーを高めて勝利のファンファーレを高らかに奏でました。榎本先生のピッコロが良い味付けをしていました。
繰り返しされて、どんどんと熱量を高め、金管が力強く歌い、全員が一丸となって突き進み、ひと呼吸置いて、静けさから一歩ずつ歩みを進め、高らかなファンファーレとともに、どんどんとエネルギーアップし、反復の後に興奮と感動のフィナーレへと駆け上がりました。
ホールに感動と興奮をもたらし、大きな拍手が贈られました。この小さな編成で、これだけの熱量を生むとは驚異的であり、ブラボーを贈りたいと思います。
カーテンコールが繰り返され、若林さんは各パートのところまで出向いて、素晴らしいパフォーマンスを讃えました。
小さなお嬢さんから若林さんに花束が贈られて、アンコールにルロイ・アンダーソンの「春が来た」が演奏されました。ホルンやオーボエのソロも美しく、明るく爽やかな音楽に、心も癒され、春の喜びを感じることができました。
大きな拍手が贈られ、若林さんが何度も礼をして、最後にコンマスが一礼して、感動の演奏会は終演になりました。
期待以上の素晴らしい演奏に、大きな驚きと感動をいただきました。新潟市内のアマオケでは一番新しいですが、そのレベルアップのスピードは驚異的です。
奇跡のオケといえば北区フィルが思い浮かびますが、りゅーと新潟フィルも負けていません。賛助出演が多いのは気になりますが、これほどの演奏を聴かせてくれれば何の不満もありません。
このオケのさらなる発展を祈念し、いい演奏を聴いた喜びと、大きな満足感を胸に、江南区文化会館を後にして家へと向かいました。
次回の定期演奏会は、来年3月7日(日)に北区文化会館で開催されます。新潟市音楽文化会館が再開しても、新潟市内の地方巡りを続けるようですね。
プログラムは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(独奏:ソモラ・ティモール)とベートーヴェンの交響曲第7番です。最近新潟で活発な演奏活動をされているティモールさんの協奏曲は楽しみですね。
(客席:8-9。¥1000) |