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ベルリン・フィル八重奏団は、ベルリン・フィルのトップ奏者を中心にして編成された室内楽ユニットです。始まりは1928年と言いますから、100年近くの歴史を誇ります。
1957年以来定期的に来日しており、私は2014年1月の新潟公演を聴かせていただきましたので、私としましては、12年ぶり2回目となります。
今回の日本公演は、2月21日(土)〜3月1日(日)まで、全国で6公演開催され、新潟は2公演目に当たります。昨日は大阪の枚方、明日は兵庫の西宮と、関西での2公演の間に新潟公演という日程です。移動が大変だと思いますが、いろいろと事情があってのことなのでしょうね。
人気公演になることが予想され、チケットの発売早々にネット購入しましたが、懐具合を考えてA席にしました。 この新潟公演はBSN主催ですが、サントリーホールとともに他地域よりチケットが高額なんですよね。BSNにはもう少し頑張ってほしかったですね。
なお、当初出演予定だったチェロのオラフ・マニンガーが健康上の理由により参加できなくなり、昨年9月まで団員であった、クリストフ・イゲルブリンクが代演することになったとの案内が、サイト上で1月にありました。
今回のメンバーは、ファゴット以外は2014年の新潟公演と全く同じであり、メンバーが固定されていることがわかります。
演奏曲目は、前半は前回の新潟公演と異なりますが、後半のシューベルトの八重奏曲は前回と同じです。今回はどんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみにしましょう。
と、今日の日を迎えました。明日は天皇誕生日ですので、今日は3連休の中日ということで、気分も穏やかです。今週は後半から好天が続いており、今日も朝から晴れ渡り、快晴の空が心地良い日曜日になりました。
今日は2月22日でネコの日です。ネコたちと戯れ、ゆっくりと休日の午前を過ごし、簡素な昼食を摂って家を出ました。
白山公園駐車場に車をとめて、りゅーとぴあに向かいますと、公園にはコスプレした若者たちがたくさんおられました。何かイベントがあるのでしょうか。
館内に入りますと、ロビーは多くの客で賑わっていました。インフォメーションで某コンサートのチケットを買い、時間がありましたので館内を抜けて東玄関から外に出ました。清々しい陽気に誘われて、やすらぎ堤に降り、信濃川べりを散歩しました。
川面を吹き渡る風が心地よく、春が来たかのように感じました。これから高めの気温が続くとの予報が出ており、もう春が直ぐそこに来ていることを実感しました。
りゅーとぴあに戻りますと、すでに開場が進んでおり、私も入場して席に着き、この原稿を書きながら開演を待ちました。
今回は右サイド席の最前列ですので、ステージを右斜め下に見下ろしますが、奏者までの距離はかなり近いです。
客席は、1階とP席を除く2階席が使用され、3階は使用されませんでしたが、若干の空席が目立ちました。最安のB席エリアは盛況でしたが。ベルリン・フィルの名前を冠していても、満席にはならないのが、今の新潟の実情でしょうか。
開演時間となり、いつもの左側ではなく、右側から7人が登場しました。中央後方にチェロの演奏台が設置されて、チェロを中心に、左に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの右にコントラバス、ホルン、ファゴット、クラリネットと逆U字型に並びました。樫本さんだけタブレットを持参されて譜面台に設置し、足元にフットスイッチが置かれました。時代が変わりましたね。
チューニングの後、緊張感の中に演奏が始まりました。最初は、八重奏版に編曲されたドヴォルザークの5つのバガテルです。2本のヴァイオリンとチェロ、ハルモニウム(足踏みオルガン)という珍しい編成の曲を、ファッゴットのシェーファー氏が八重奏版に編曲したものだそうです。
第1曲は、ふくよかで柔らかな音で始まり、さすがにベルリン・フィルのトップ奏者たちの音だと感じ入りました。哀愁を感じさせる親しみやすいメロディをゆっくりと、流麗に演奏しました。このメロディが繰り返されて、耳から離れなくなりました。
第2曲は、曲調が変わって、少し明るく、穏やかに曲が流れました。そして明るくゆったりとしたうねりを作り、静かに終わりました。
第3曲は、再び1曲目のメロディが流れ出てきて、そして力強くリズムを刻みました。チェロのピチカートとともに明るく曲が進み、メロディが繰り返され、強弱の波を反復して静かに終わりました。
第4曲は、ゆったりと、静かに弦と管とが絡み合い、緩急・強弱の波を作り、再びゆったりと歌って穏やかに終わりました。
第5曲は、軽快にリズムを刻み、明るく演奏が進みました。中間部ではゆったりと歌い、管と弦とが語り合い、大きなうねりを作りました。スピードアップして軽快にリズムを刻み、そして静かに終わりました。
親しみやすいメロディや、さまざまに変化するリズムが心地良く、トップ奏者による各楽器の絶妙のアンサンブルが、豊かな音楽を作り上げていました。さすがというしかない演奏に心奪われ、大きな拍手で演奏を讃えました。
続いては、フーゴ・カウンの八重奏曲です。初めて聞く作曲家ですが、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ベルリンとアメリカのミルウォーキーを拠点に活躍した指揮者・作曲家なんだそうです。隠れた名曲ですが、樫本さんが見出してレパートリーに入れたんだそうです。
弦楽合奏でゆったりと始まり、管が加わり、熱を帯びて大きなうねりを作り出しました。緩急の波に乗って、ゆったりと歌い、柔らかな音楽の流れが心地良く感じられました。
ちょっと暗い穏やかさから、熱を帯びていき、この波を反復して熱い緊張感を生み出しました。ゆっくりとリズムを刻んで、静かに美しく管が歌い、柔らかな癒しの時間の後に再び激しくリズムを刻み、第1ヴァイオリンが雄弁に歌い、穏やかさを取り戻して、ゆっくりと静かに終わりました。
抒情性と情熱を併せ持ち、揺り動く音楽のうねりを名手8人が作り出し、渾身の演奏で聴く者の心に迫りました。曲もさることながら、演奏の素晴らしさに酔いしれた時間でした。大きな拍手が贈られて、演奏を讃え、休憩に入りました。
後半は、シューベルトの八重奏曲です。この曲がベルリン・フィル八重奏団結成のきっかけになったというだけあり、特別なレパートリーなんだそうです。そのためか前回に引き続いて、今回もメインプログラムになったものと思います。
第1楽章は、ゆったりと始まり、緩急を反復し、各パートが交互に競い合うように見せ場を作り、互いにせめぎ合い、調和しました。それぞれがメロディを交互に受け渡し、力強く演奏して楽章が終わりました。
第2楽章は、クラリネットがゆったりと歌って始まりました。長大なクラリネットソロにファゴットとホルンが加わり、穏やかに、ゆったりと流れて行きました。しっとりとした極上のアンサンブルによって癒され、うっとりと聴き入りながら静かに終わりました。
第3楽章は、一転して軽快に始まりました。明るく快活に波を作りながら駆け抜けて、躍動的な高揚の中に終わりました。
第4楽章は、明るく優しい弦楽五重奏に始まり、穏やかな調べにクラリネットが加わりました。ホルンとファゴットも加わって演奏が進み、このテーマが変奏曲として、形を変化させました。緩急様々に形を変えて、楽しく聴かせていただき、最後はゆったりとした中に終わりました。
第5楽章は、柔らかな八重奏で始まり、ゆったりと音楽が流れました。ゆっくりとワルツを踊るようにステップを踏み、少し形を変えて、さらにステップを踏んで踊りました。心地良いリズムと穏やかさに心も明るくなり、ゆったりと終わりました。
第6楽章は、前の楽章の牧歌的な響きから一転して、チェロが激しくかき鳴らされ、劇的な響きで始まりました。暗い不安感の中から、明るくリズムを刻んで音楽が流れ出ました。明るく快活に演奏が進み、そして熱を帯び、スピードを上げて走り、エネルギーを高めました。
一旦足をとめて、走り出して加速するも、再び足を止め、不安な空気感を感じながらも、再び走り出して、フルスピードでフィナーレへと走り抜けました。
大きな感動と高揚感をもたらし、大きな拍手とブラボーが贈られました。カーテンコールが何度も繰り返され、感動の演奏会は終演となりました。
樫本さんをトップとする弦楽五重奏とともに、ドールさんをはじめとして管楽器の3人の抜群のパフォーマンスはさすがでした。それぞれの楽器の名手による極上のアンサンブルに酔いしれ、贅沢な時間を過ごすことができました。
大きな満足感とともに外に出ますと、夕方を迎えていましたが、2月とは思えない温かさで、気分も高揚しました。このまま春になることを願いながら、駐車場へとゆったりと歩きました。
(客席:2階B1-11、A席:¥7000) |