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軍事用語集第3版への改訂にあたって

軍事用語集第3版への改訂にあたって

2001年9月に初版を発行し、以来オンラインでの販売をすすめてきましたが、このたび第3版へ改訂しました。この機会に、改訂の経緯などについて、少しまとめておくことにします。(2006年3月24日 金森國臣)

ご注意:

日外アソシエーツより「新訂・最新軍事用語集 英和対訳」として出版したため、PDF形式での頒布は現在行っていません。(2019年3月)

収録語数の変遷

初版では3万語、第2版では3万5千語を収録していました。5千語ずつの増加を目指していたため、第3版では4万語を目標にしていましたが、最終チェックの段階で相当数の用語を削除せざるを得なくなりました。

約500語不足することになり、一時は第3版の発行を見合わせようかとも考えました。しかし第2版の発行からすでに3年過ぎていること、また発見した誤植も無視できない数になってきたため、3万9千語というやや中途半端な数ではありますが、発行することにしました。

6年の間に約1万語の増加をみているわけですが、単純に計算すると、1年に1000語、1カ月では100語ずつ増えていることになります。未収録の用語を単に追加するだけであれば、もう少し数は増えると思いますが、吟味した後、ある程度の確信を持って提供できる用語となると、このぐらいが妥当な数であるのかもしれません。

と申しますのは、発行している軍事用語メールマガジンでは、吟味することなく収録したままの状態で1週間に50語を提供し続けています。増え方としては、1000語/年は自分でも納得できるような数であると言えます。

吟味の程度

辞書・辞典類の出版・編集に携わった人であれば、誰しも経験することですが、語数の増加に対する誘惑は常にあります。それを振り切ることは、なかなか容易ではありません。冊子の場合は物理的制約があるために、自づから歯止めがかかりますが、電子書籍では限りがありません。どうしてもチェックに甘さが出てしまいます。

また仮に、厳しく厳しくと自分に言い聞かせていても、ふっと気がゆるむときもあります。同じ精神状態で吟味し続けることは、かなりの苦痛でもあります。言い訳が許されないことは承知していますが、人間の弱さというものがでてしまいます。市販の辞書では、日本語では「な行」、英語では「Q行」あたりから、ミスが目立ち始めるとのうわさを聞いたこともあり、頷ける点です。

どの程度のチェックを行っているかを示すため、海上自衛隊用語集正誤表をアップしました。用語集の精度が大体においてどのレベルにあるかご判断いただけるものと思います。ご参考にしてください。もう少し厳密にチェックすれば、掲載した倍ぐらいの用語に問題があるとの結論がでるかもしれません。が、力不足でそこまではチェック仕切れていません。

軍事用語集の販売数

同じような企画をお考えの方にとって、これが最も関心のある数字であるかもしれません。

もともとは、資料代に充当できるだけの売り上げがあればよいとの考えで始めたことですが、おかげさまで、その目的はかなえられています。無論のこと、工数を考えれば、趣味の域を出ておらず、ビジネスとしてみれば成立していません。一般的に言っても、書籍の執筆は、個人ではまだしも、会社の仕事としては成り立たないのが普通です。

販売チャネルは、自分のサイトとニフティが運営する@payの2つだけです。@payでの販売は、匿名での購入を希望される方への便宜のためであり、登録料等を考えればペイしていませんが、購入者に安心感を持っていただくための方策としても考えています。この目的が達せられているのかどうかは不明なのですが、何はともあれ、ネットでは販売チャネルの確保が特に重要であるとの実感を得ています。

購入者の横顔

やや「怪しいサイト」から用語集を購入していただいているわけであり、ある意味において「最後の手段」としてご利用をいただいている感じを受けています。

詳しいことは割愛しますが、翻訳者を始め、自衛官や新聞記者、思わぬところではゲームの作者もいらっしゃるようです。ご住所から考え、自衛隊の関係者以外にはあり得ないと思えるときもあります。また軍事・防衛だけではなく、一般のビジネスでのご利用もあるように見受けられます。

第1版と第2版をご購入いただいた方々に対し、第3版を無償配布する旨のご案内を差し上げたところ、若干のコメントをお寄せいただきました。我田引水になりますが、ここに掲載することで、「読者の声」とさせていただきます。

  • 本用語集は日頃から大いに活用させて頂いており、御礼申し上げます。
  • 「英和対訳軍事関係用語集」、便利に活用しております。
  • いつも、更新と無料でのご提供有り難うございます。「英和対訳軍事関係用語集」をご提供頂きたいと存じます。こうした貢献に対する見返りというか自分なりの貢献ができないことがさみしいです。実力がないので現状ではしようがないのですが、将来的にはなんらかの貢献をしたいと思います。
  • 職業柄(自衛官)、本当に重宝しております。ほぼ、毎日使用させていただいております。応援いたします。皆にも勧めたいと思います。
  • 大変重宝しております。
  • 用語集、大変役立っております。

新訂・最新軍事用語集 英和対訳』(2019年1月刊)を出版しています。出版社は日外アソシエーツ、総発売元は紀伊國屋書店です。


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