平和のシムボル
午後二時頃の日光を受けて、半鐘のハシゴはクッキリと白い。 群青の空は絶對に高い。而してどこまでも晴れて居る。此半鐘がヂヤーンと鳴つたら、此村の平和は忽ちに破れる。 今は至つて静かであろ。遠くの家からをさの音につれて機織る女の田舎ぴたラツパ節が聞える。此場合、此半鐘を、僕は平和 のシムボルと名付けたい。 (十一月十八日五日市にて)
渡辺与平