(三月廿三日京都驛にて夜十二時寫) △「三等が満員ですつて」 ○「此次は?」 △「あすの五時どツしやろ」 ○「どうしまほ」 △「どうしまほ」 二人の眉に八の字がよつた。 一人は窓をすかして、暗い空を見た。
渡辺与平