脱穀してみると、予想以上に少なかった私たちの育てたお米。精米したら、さらにどれくらい減るのでしょうか?
精米をするときに使う機械(精米器)について、先生の知り合いである坂田孝昭さん(スピー九州)にくわしく教えていただきました。
大きく分けて、2つの方式があります。
お米が同じところを何回もぐるぐる回る間に、少しずつ少しずつ周りの殻や皮を削っていくものです。少しずつ削っていくので、お米が熱くなりませんから、味が落ちにくいです(お米は、熱くなるのをとても嫌います)。それに、もみから直接精米することができます。
ただ、量が少ないとお米がうまく回りませんから、精米することができません。ですから、一般の家庭にはあまり向いていません。普通、農家やお米屋さんで使っています。
上にためたお米が、下に落ちる間に通る1回だけで精米してしまうものです。道ばたで見かける「コイン精米器」も、この方式です。少ないお米でも精米できるので、一般家庭用のものも売られています。最近は、お米の味にうるさい人が増えていますから、よく売れるようになりました。
ただ、1回だけで精米してしまうということは、一気に削ってしまうわけですから、削るときに発生する大量の熱が逃げるひまがありません。それでお米の温度が上がり、味が落ちやすくなります。この方式で精米したら、せめて2週間以内には食べてしまった方がいいですね。それと、この方式ではふつう玄米から精米します。もみから精米するのは、とても難しいです。
うるち米(ふつうに食べるお米)の場合、もみから玄米に「もみすり」をする時に、30〜35%減ります。さらに、玄米から白米に「精米」する時に、10%減ります。つまり、合わせて40〜45%も減ってしまうんですよ。
この計算でいくと、皆さんの育てたお米は、以下の表のようになるはずです。
品種 |
収穫したもみの重量 | 予想される白米の重量 |
ヒノヒカリ |
410g |
225〜246g |
赤穂米 |
630g |
346〜378g |
坂田さん(スピー九州)のご協力で、私たちが収穫したもみを精米してもらうことになりました。
「ヒノヒカリ」
![]()
まず初めに、「ヒノヒカリ」の精米です。私たちが育てた「川上小産」は、実がつまっていないスカがとても多かったようで、見る見るうちにかさが減っていき、玄米になったのは、ほんのわずかでした。
![]()
さらにヌカをはいで、お米(白米)にしていきます。私たちのお米は乾燥させ過ぎてしまったようで、次々に砕けてヌカになってしまい、残ったのはほんのちょっとだけでした。とってもがっかりしてしまいました。
「赤穂米」
![]()
次に、「赤穂米」の精米です。
![]()
精米が終わったお米が、どれくらいの重さがあるのかを計って、みんなの予想と比べてみました。
「ヒノヒカリ」
![]()
最小
最大
平均
実際
100g
400g
277.0g
40g
「赤穂米」
![]()
最小
最大
平均
実際
210g
612g
430.5g
140g
みんなが考えていたより、ずっと少ない量しか食べられるお米にはなりませんでした。とってもがっかりしましたが、その分農家の方たちのがんばりというかえらさを、改めて感じました。