「宇宙メダカ」を育てることになったわけ
〜学級通信「はばたけ」第19号(9/6)から〜
「宇宙メダカ」というのは、2年前の7月に打ち上げられたスペースシャトル「コロンビア号」に乗り込んだ、あの向井千秋さんといっしょに宇宙へ行った4匹のメダカのことです。4匹は宇宙で産卵し、さらにそれらの卵が(帰還が延期されるという偶然もあって)宇宙でふ化して、当時大変な話題となったものです。
その後、「宇宙メダカ」たちは実験を支援した東大に帰ってからも繁殖を続け、1000匹以上にも達したため2世たちの里親募集が行われ、全国300カ所ほどに配布されたそうです(もっとも、うまく育たなかったところが多かったようですが)。その中の1人が、大野さんの近くの伊予郡双海町の川口壽雄さんでした。その話を聞かれたトヨシゲさんも、すぐに見に行かれたとか。そして、ここでも結構な数に増えて学校・施設などに配られ、何とトヨシゲさんのところにも「宇宙メダカ」がやってきた、というわけです。
農業が専門とはいえ、そこはイノシシやミツバチも半分趣味で飼っておられるトヨシゲさん。メダカの繁殖もお手の物で、もらってきたときはほんの数匹だったそうですが、今では池の中にざっと見積もっただけでも500匹は越えているな、というほど凄い数が泳いでいました。そんなわけで、「川上小にも、持って行きませんか?」というお言葉に甘えて、我が5年1組も「宇宙メダカ」の話に一枚加わることになったのです(都合のいいことに、5年生理科ではメダカの産卵・孵化についての学習もあっていますし)。
ただ、真夏で輸送中に水温がかなりの高温になること、長時間の密封で成魚だと酸素が不足すること、などの理由で卵と孵化したばかりの稚魚だけを選抜していただいてきました。したがって、うまく炎天下の長時間輸送には耐えてくれましたが、よく見ないとどこにいるのか分かりませんし、理科で学習していなければ「なあに、これ?」というような代物です。それに、そんないわれを知らなければ、たとえ成魚になっても、はっきり言って「ただのヒメダカ」ですしね。
でも、この子たちの4世代くらい前の先祖が宇宙に行ってきたんだ、と思うと、何だか夢が膨らんできますね。ちなみに私は、これまで自分とは全く無縁だと思っていた「メダカ宇宙実験のすべて」という本を、すぐに注文しました!! 子どもたちにも、こういう夢とロマンを感じとってほしいものです。
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最終更新日 : 平成8年10月7日