おいしそうなスイカ
小佐井さんのお父さん
わたしたちがビデオで見た、わたしたちのクラスの小佐井さんのおうちでのスイカづくりの様子の中で、とくに心に残った場面をまとめてみました。
ここは、大昔に阿蘇山が吹き出した火山灰が、長い時間かけて積もってできた台地の上です。ですから、土に栄養分がたくさんあって、水はけがよく、昼と夜の温度差が大きいので、甘くておいしいスイカやメロンを育てるのに、とても適しているのだそうです。
そこで、かんぴょう(巻き寿司の芯に使うもの)やカボチャの苗(「台木」という)の先に、スイカの苗を「接ぎ木(つぎき)」して30日から35日くらい苗床(なえどこ)で育て、それを畑(ビニールハウス)に植えています。
ハウスのまわりには、ビニールが張ってあります。真冬の寒いときには、3枚も重ねて、寒さを防ぐのだそうです(この写真では、2枚分はワクだけしかありません)。暑いときは、パイプで巻き上げて、風通しをよくします。そのための道具が、どのワクにもついています。
ボイラーで暖められた空気は、直径80センチの大きな「親ダクト」を通って、そこからたくさん枝分かれしている直径30センチの「子ダクト」の先からハウスの中に送られます。こうして、ハウスのすみずみまで、まんべんなく暖まるようにしています。このような工夫で、まだスイカのめずらしい3月には出荷を始めることができます。
め花の付け根には、とても小さいけれど、しまもようのあるスイカの赤ちゃんがついていますね。
この花を交配(こうはい:お花の花粉をめ花につけること)させるには、ミツバチを使います。ハチ屋さんにたのんで、ハウスの中にミツバチの巣箱を入れて放します。でも、冬場の寒い時期はミツバチが飛び回らないため、かわりに人の手でひとつひとつ花粉をつけて回らなければならないので、とてもたいへんです。
それからさらに1週間くらいで、およそ直径7センチになります。直径7センチになったところで、実の横に「着果(ちゃっか)ぼう」を立てます。着果ぼうの先には、赤・白・青・黄など6種類の色がついていて、1日おきに色を順番に変えていきます。これを、取り入れ時期の基準にします。
このとき、なりすぎた実はつみとって、一本の苗に1個だけならせるようにします。これを「摘果(てっか)」と言います。摘果しないと、ひとつひとつの実がとても小さくなって、売り物にならないからです。
さらに20日くらいで、およそ5キロの大きさまで成長します。まもなく、収穫です。
いよいよ、待ちに待った収穫。これまでの苦労がむくわれ、ホッとするひとときです。