スイカが育つ様子(ビデオの内容)


おいしそうなスイカおいしそうなスイカ  小佐井さん小佐井さんのお父さん


 わたしたちがビデオで見た、わたしたちのクラスの小佐井さんのおうちでのスイカづくりの様子の中で、とくに心に残った場面をまとめてみました。


畑の位置

小佐井さんのスイカ畑


 小佐井さんのスイカ畑は、熊本市の北のはしの、高台にあります。おとなりの鹿本郡植木町は、日本一のスイカの産地として、全国的に有名です。

 ここは、大昔に阿蘇山が吹き出した火山灰が、長い時間かけて積もってできた台地の上です。ですから、土に栄養分がたくさんあって、水はけがよく、昼と夜の温度差が大きいので、甘くておいしいスイカやメロンを育てるのに、とても適しているのだそうです。



スイカの苗スイカの苗のひみつ

接ぎ木

 スイカの種をまくと、ヘチマのような芽が出ますが、これをそのまま畑に植えても、うまく育ちません。「連作障害(れんさくしょうがい)」が強く出てしまうからです。

 そこで、かんぴょう(巻き寿司の芯に使うもの)やカボチャの苗(「台木」という)の先に、スイカの苗を「接ぎ木(つぎき)」して30日から35日くらい苗床(なえどこ)で育て、それを畑(ビニールハウス)に植えています。



ハウス内部ビニールハウスのひみつ

3重のビニール

 このハウスの大きさは、たて90m、よこ35mです。この中におよそ2000本のスイカのなえを植えて、育てています。小佐井さんのうちでは、このように大きなハウスを、ほかにもたくさん持っておられます。

 ハウスのまわりには、ビニールが張ってあります。真冬の寒いときには、3枚も重ねて、寒さを防ぐのだそうです(この写真では、2枚分はワクだけしかありません)。暑いときは、パイプで巻き上げて、風通しをよくします。そのための道具が、どのワクにもついています。



ボイラー大きなボイラー

子ダクト親ダクト  ハウスの中には、大きなボイラーがあります。スイカはもともと、暑い夏に実る植物ですから、真冬でもおいしい実が育つように、ボイラーで重油をたいて暖めます。真冬の、外が0〜マイナス5度くらいに冷え込むときでも、中は18〜25度くらいの暖かさに保たれています。


 ボイラーで暖められた空気は、直径80センチの大きな「親ダクト」を通って、そこからたくさん枝分かれしている直径30センチの「子ダクト」の先からハウスの中に送られます。こうして、ハウスのすみずみまで、まんべんなく暖まるようにしています。このような工夫で、まだスイカのめずらしい3月には出荷を始めることができます。



スイカの定植ビニールハウスへの定植

スイカのツル

 ビニールハウスの中には、およそ50センチ間かくに、苗を植えていきます。苗からは、たくさんのツルが伸びてきますが、その中の3本だけを伸ばして、あとのツルは全部かいで(つみとって)しまいます。次々に伸びてくる脇芽をつむ作業は、すべて人の手でしなければならないので、とてもたいへんなんですよ。



スイカのお花スイカのめ花スイカの花


 植えつけてから30日くらいたつと、花がさきます。ヘチマと同じように、スイカにも「お花(左がわの写真)」と「め花(右がわの写真)」があります。 ミツバチの巣箱

 め花の付け根には、とても小さいけれど、しまもようのあるスイカの赤ちゃんがついていますね。

 この花を交配(こうはい:お花の花粉をめ花につけること)させるには、ミツバチを使います。ハチ屋さんにたのんで、ハウスの中にミツバチの巣箱を入れて放します。でも、冬場の寒い時期はミツバチが飛び回らないため、かわりに人の手でひとつひとつ花粉をつけて回らなければならないので、とてもたいへんです。



1日後の実「着果(ちゃっか)ぼう」と「摘果(てっか)」


 交配がうまくいくと、め花の付け根の実が、ぐんぐん大きくなっていきます。たった1日で左の写真の右側の実のように、3倍から4倍の大きさになります。

摘果着果棒を立てる それからさらに1週間くらいで、およそ直径7センチになります。直径7センチになったところで、実の横に「着果(ちゃっか)ぼう」を立てます。着果ぼうの先には、赤・白・青・黄など6種類の色がついていて、1日おきに色を順番に変えていきます。これを、取り入れ時期の基準にします。

 このとき、なりすぎた実はつみとって、一本の苗に1個だけならせるようにします。これを「摘果(てっか)」と言います。摘果しないと、ひとつひとつの実がとても小さくなって、売り物にならないからです。



10日後の実収穫前育っていく実


 着果ぼうを立ててから10日くらいで、およそ3キロの大きさまで育ちます。

 さらに20日くらいで、およそ5キロの大きさまで成長します。まもなく、収穫です。



2番果の苗いよいよ収穫

収穫

 収穫が近づくと、ツルの根元からおよそ30センチくらいのところに、「2番果」の苗(左の写真の左側の苗)を植えます。そして、最初の実を取り入れたら、すぐに次の実を着果できるように準備しておきます。

 いよいよ、待ちに待った収穫。これまでの苦労がむくわれ、ホッとするひとときです。



おいしそうなスイカ こうして大切に育てられた「小佐井さんのスイカ」が、みなさんのもとに届くのです。




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最終更新日 : 平成8年7月21日