googleアドセンス研究(22)
最新更新2009.10.06

クリック単価(栗単)の妙
 少し古い資料を見るとクリック単価は最低7円から、などと書いてある。googleアドセンスはドルが基本だから、約5セント(0.05ドル)が最低保障のクリック単価となる。しかし、実際には0.01ドルなんてのが存在する。これが「スマートプライシング」の機能らしい。googleアドセンスに広告を掲載してる側からの情報だと支払い金額が1クリック当たり最低単価以下の場合が結構あるらしい。このあたりの情報は日本では少ないので外国のホームページを検索して情報収集することになる。
 日本語googleでもあるのだけれど「あなたのホームページの内容が薄いので、googleアドセンスの広告掲載を中止して欲しい」なんてメールがgoogleアドセンス側から来ることがあるらしい。どのページかは明記されないので、あやしいページを削除したり、内容を付加したりして連絡をとると「まだ、あります」とか「ご協力ありがとうございます」とか連絡が来るらしい。
 まさか、個別にホームページを見ている訳でもなく、また、特定のページを指摘してこない所を見ると、クリック単価が低いページが含まれているとgoogleアドセンスから警告のメールが来るのではないだろうか。これは憶測で、現実に「人が見ている」って説もある。google自体が極力自動化を志向してるので、アドセンスは人が見ていると規約に書いているが、その作業量は微々たるもの、どちらかというと「人が見ている」って噂を信じ込ませることにgoogleは勢力を注いでいるように思える。
 つまり「スマートプライシング」を逆利用して単価の低いページの存在を知り連絡してくるのではないか。単価の低いページは結果的に「内容の薄いページ」ってことなのだから。
 しかも、「スマートプライシング」によって、クリック報酬が限りなくゼロに近くなるので、このような「内容の薄いページ」のクリック報酬の情報が蔓延しないように警告メールを送ってくるのではないか。
 ここに気がついたので、クリック単価を上げる方法があるのではと思った。それは、逆転の発想と呼んでも良いだろう。クリック単価が極端に低いとgoogleアドセンスが警告をしなければならない理由がgoogleアドセンス側にあるってのが不思議だ。クリック報酬が下がるのだから本人の自己責任なのに何故googleアドセンスが警告メールって余計なお世話をするのか。
内容の薄いページを把握できてるか
 実験の前に考察を加えなければならない事がもうひとつある。
「内容の薄いページ」をgoogleアドセンスが「スマートプライシング」によって単価を下げることで対応しているとすれば、同じ広告でも掲載されるホームページによってクリック単価が違うことになる。広告掲載側としてはクリックされ自分のホームページに入った人が商売に結びつけば良いわけで、商売に結びつかないクリック入場者を紹介したホームページには報酬を払いたくない、もしくは小額にしたいと思うだろう。
googleアドセンスの「スマートプライシング」は、そこまでフォローしているのだろうか。
このあたりの情報も英語圏で検索するしか無い。そして見えてきたのが
『googleアドセンスは成果をフォローしようと四苦八苦してるが結果として出来てないようだ。商品の販売ならば販売って成果があるが情報を伝える広告では特に成果と呼べる商取引は発生しない。広告主がgoogle adsenseを評価する方法としてクリックされたホームページを見てくれて、その滞在時間が妥当な長さなら、広告効果はあったと判断する所までは出来るかもしれないが』との情報だった。
つまり、同一広告でもクリックした人がリンク先に滞在した時間までは把握できるだろうとのこと。であればクリックした先での滞在時間もクリック単価決定の要素かもしれない。
でも、この推論情報には大きな間違いがある。
とにかく「内容の薄いページ」はクリック単価が低い
 前述の推論は先の「内容の薄いページがあるよ」に矛盾するのだ。広告をクリックしてリンク先での滞在時間が「スマートプライシング」の原理だとしたら、クリックした人による差が激しく、必ずしも「内容の薄いページ」の改修がホームページ作成者側で解決できる問題では無くなる。
ところが、「内容の薄いページ」はgoogleアドセンス側から指摘を受けてホームページを修正すると直ったとかまだ直ってないとか連絡が来るのだ。そして不思議なことに「まだあります」と言うけれど具体的にホームページのファイル名を指摘することはしない(出来ない)。
このような状況を考えると、我々広告掲載者が出来るクリック単価を上げる方法は、クリック単価の低いページを見つけ出し、そこでの広告の掲載を中止することくらいだ。全体のレベルを上げるのでは無くgoogleアドセンスが単価が低いと判断し「スマートプライシング」によって単価が下げられるページからadsenseの掲載を外してしまうのだ。
 高いクリック単価を狙うのでは無く、低いクリック単価を辞めてしまうのだ。
実験の結果、クリック単価は上がった
 また、他から入手した情報から、googleアドセンスはユーザIDごとに広告が掲載されてるホームページ全ての「スマートプライシング」のスコア(以後、個別SPスコア)を「一つ」持っていて、クリックされた広告の入札単価にこの掛け率を掛けてクリック単価を計算してるようだ。
 そもそもクリック単価の低い広告は、入札価格も低い。加えて、これが表示されるホームページの所有者の個別SPスコアが低いと二重に単価が下がる。そんな広告もユーザIDごとに個別SPスコア計算で集計されるから、内容の薄いページを持っていると自分の個別SPスコアを低くしてしまう。ならば、ABC分析では無いがスコアの高いものだけ残して低いものを辞めてしまえば自分の個別SPスコアーを高くすることができる。
 この仮説を検証すべく、実際に5月に入ってから実験を始めた。
 今まで、しゃにむにページを増やし、googleアドセンス広告を貼っていたのは見直し、クリック単価の低いページの広告を止める。これにはgoogleアドセンスのチャネル機能を使ってページやテーマを特定できるようにしておけば調べることができる。
具体的な方法は、ジャンル毎にチャネルを設定する。これをgoogle adsenseにデータが貯まったらレポートで、「表示」を前回の支払い以降等に選び、トップチャネルをクリックしてチャネル毎の状況を把握する。僕は「ページのeCPM」が1.00以下のチャネルを設定したgoogle adsenseのページから掲載を外した。
 その結果、全体のクリック率が下がるかと言えば奇妙なことにクリック単価の低いページを外しても全体のクリック率にはほとんど影響が無い。つまり、無駄なページを排除することで効率よくgoogleアドセンスを利用できるようになる。
 しかも推測が的を射ていたのか、クリック単価は今までの2倍ほどに上がり、多少クリック率が下がっても報酬への影響は単価のアップでありあまる程になる。
 低いクリック単価でお悩みの方は試してみたらよい。
 目安として、0.05ドル以下の単価は要注意。そのようなページをチャネル機能とgoogleアドセンスのレポートで見つけ出し、広告の掲載方法を変更するか、掲載を中止する。この作業だけで単価は確実に上昇する。
 広告個別の入札単価の違いがあるので、データ収集は一ヶ月程度続けて、googleアドセンスのレポートで1か月のトップチャネルを参照すると良いだろう。これで統計的にも優位な「内容の薄いページ」を探し出せる。僕の場合、一ヶ月分で30000表示回数があるのでかなり有効な分析ができた。
 また、googleアドセンス全体に言えることだが、広告のジャンルによって競争率が違い、クリック単価が違うことも押さえておくべきだろう。これは個別SPスコアと関係ない宿命みたいもので、自分のホームページが扱うテーマによっては避けられない。
但し、0.05ドル以下の場合は個別SPスコアへの悪影響を疑ってみるべきだろう。
最近は「大物釣り」を目指して単価の低いページでの掲載を辞め、1クリックでの最高報酬を試して楽しんでいる。不思議なことに、この遊びがadsenseの報酬を下げることは無い。確かにクリック数は減るがクリック率は2%くらいに上がる。しかもクリック単価は時々2ドルものが釣れたりするので月額報酬は殆ど変わらない。低い単価で沢山クリックから高い単価で少しのクリックに方針転換するのがadsenseとの正しい付き合い方ではと最近は感じている。

結論としては、
1)クリック率を上げたければフィルターを使って表示広告を最適化する。
2)クリック単価を上げたければ、内容の薄い(と、googleが判断する)ページへの広告の掲載を取りやめる。
となる。

クリック率の低いページは単価が低い
(2009.10.06加筆)
 例年の夏休み期間はアクセス数が減少する。そのために収益も減少するのだが、今年の傾向は単価にも影響している。単価を決定する方式がスマートプライシングだた、先に書いたように$0.05以下のクリック単価が発生した時は何らかのマイナス要因が存在していると考えて良い。その意味で、単価が低いページが増えてきた。
 その共通項をあれこれ考えてみると、クリック率も低いのだ。逆に言うと皆が閲覧後戻ってくるインデックス(目次)のページに表示しているイメージ広告がクリック率も低く、クリック単価も低い。
 全体の収益に影響する度合いも少ないので、一気にインデックス系のページの広告掲載を取りやめた。それでも単価の低いページは残るが、ぎりぎり$0.05を切ったものは我慢して掲載を続けた。その結果、インデックスのページに引っ張られるように全体の単価が低かったようで、広告掲載回数とクリック数の比が1%を越えるようになると他の単価が$0.05以下だったページも単価が復活して来た。
 昔から都市伝説として「アクセス数とクリック数が伸びるとクリック単価が下がる」の話題は、相対的にクリック率が下がるとクリック単価も下がる現象を、別な表現したものでは無いか。  事実、全体収益はこの変更によって1.5倍に回復した。クリック数は変化が無いのでクリック単価向上に貢献したと思われる。

便利な分析ツール
アクセス解析(googleが便利) http://www.google.com/intl/ja_ALL/analytics/
googleの検索促進ツール https://www.google.com/webmasters/tools/home?hl=ja
Yahooの検索促進ツール https://siteexplorer.search.yahoo.co.jp/
都市伝説の巣窟 http://pc12.2ch.net/affiliate/


アクセス数向上に向けてのあのてこの手
 アクセス数を増やして広告の掲載頻度を高めて結果としてクリック数を稼ぐのはアドセンスの王道だが、なかなかアクセス数を増やすのは難しい。特にblogのような何でも有りのテーマだと掲載される広告が不安定でblogのテーマと必ずしも合わない。
また、リピート閲覧者は広告のクリック率が低く、やはり一見さんを多く集めるしか無い。
 そのためにはネット上の各種ツールを使ったり、SEOで上位表示したりするのが得策だが、上記のツールは2chも含めて効果を発揮する。
 Yahoo検索は今後はマイクロソフトのbingを採用するようだが、日本での動向は今の時点(2009年10月)では判明していない。日本でのYahooの集客力はすさまじく、Yahooのトップページへの広告掲載は100万円払っても数時間で消費される。一日数億のアクセスがある。もちろん、検索エンジンとしても日本の場合はYahooがダントツでYahooでの上位表示が集客力の要なのはここ数年変化が無い。
 そのために上記の検索促進ツールは導入して設定しておくのが良い。自分のページのYahooのキャッシュ状況が解るのでキャッシュされていないページの改善にも役立つ。。数%と言われるクリック率だから、月間100アクセス以下では収穫が無い。先のアクセス解析も含めてページが貯まったらアクセス数100前後のページを中心に検索エンジン対策を行うことは全体の収益に大きく影響する。
2009.10.06 改訂 Mint
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