観音寺温泉 長生館 (弥彦村) A (泉質A、浴室C、設備C、眺めC)  閉館

西蒲原郡弥彦村観音寺179 TEL:0256-94-2062 営業時間:平日13:00-21:00、土日祝日8:00-21:00 定休日:なし
泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物冷鉱泉、20.9℃、加熱、掛け流し
タオル:なし サウナ:なし 露天:なし 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:なし 食堂:なし
http://tyouseikan1126.qee.jp/

場所:弥彦温泉街から寺泊方面へ少し進むと右手に観音寺温泉があるが、温泉街に行く手前に1軒だけ離れて長生館がある。観音寺温泉の湯元を名乗る老舗である。木造の、ちょっと鄙びた雰囲気が郷愁を誘う。

料金:大人600円、小人300円、浴室にタオルがあり、自由に使用できる。20個で入浴1回サービスのスタンプカード(入浴サービス券)があり、タオル・石鹸類など入浴道具一式を持参の場合はスタンプが2個捺印される。別料金で個室休憩も可能である。玄関のすぐ横と2階に浴室がある。内部も予想通りに鄙びており、趣が深い。

浴室:1階の浴室は、大浴槽があるのみでシンプルである。浴槽には微白濁したきれいな湯が満ちている。源泉は上部の投入口からはチョロチョロとしか流れていないが、浴槽の底から加熱された源泉が注入されている。浴槽内に吸引はなく掛け流しされている。また、浴槽には非加熱源泉の蛇口があり、自由に投入できる。また、浴室隅には非加熱源泉が常時流されており、コップが置いてあって飲泉できるようになっている。ただし、脱衣場の掲示では飲泉許可は得ていないとのことであった。浴室窓からは景色は見えない。洗い場にはボディソープ、シャンプー類完備。脱衣場は狭く、脱衣棚、脱衣籠があるのみ。洗面台は1つのみで、ドライヤーがあるほかはアメニティー類はない。2階の浴室は女湯に設定されることが多いが、眺めは良く、脱衣場の洗面台は2つある。

泉質:源泉名は観音寺温泉。泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物冷鉱泉。源泉温度20.9℃。PH 7.0、湧出量4.1L/分(動力揚湯)。主な成分(平成21年3月19日分析、イオン濃度mg/kg)は、Li 0.1、Na 369.1、K 8.9、NH4 1.1、Mg 5.1、Ca 78.2、Sr 1.2、Ba 0.8、Mn 0.2、Fe(II) 0.4、Zn 0.4、F 1.5、Cl 641.9、Br 0.3、I 0.4、HS 1.0、SO4 10.8、HCO3 115.9、CO3 0.1、メタ珪酸 20.9、メタ硼酸 9.4、遊離CO2 32.1、遊離H2S 1.1など、ガス性除く成分合計は1267mg/kgである。以前の平成8年の成分表では成分総計が4061mg/kgであったので、かなり薄くなった。総硫黄も6.6mg/kgから2.1mg/kgに減っている。しかし、素晴らしい泉質には違いない。源泉は掛け流しで使用され、鮮度が高い。実際の湯は、ごく軽度白濁し、微硫化水素臭・微芳香あり。飲むと硫黄味と薄い塩味がしていい味である。白い湯花あり。浴槽の底からの注入部では泡付きもある。ツルスベ感はない。
 かつて弥彦温泉は観音寺温泉を引き湯していたが、湯神社温泉の供給開始に伴って、長生館所有の源泉を使用しているのは観音寺地区と弥彦地区の一部のみとなっている。

コメント:他の観音寺温泉の旅館からは離れており、1軒宿と言って良い。古い温泉旅館であり、設備的には劣るのは仕方ないが、源泉掛け流しで、非加熱源泉もドバドバと味わえるのは感激である。温泉を味わいたい方には自信を持ってお勧めできる。

(No.376 2005/11/12、2007/6/2、2008/5/2、2008/6/13、2009/6/15改訂)

*2011年3月11日の東日本大震災で源泉が損傷し、源泉が出なくなったため、3月末をもって閉館(廃業)しました。

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