森近鉱泉 温泉スタンド (柏崎市) C  (泉質A、温泉スタンドのみ)

柏崎市森近   TEL:    営業時間:     定休日:なし
泉質:詳細不明、冷鉱泉(硫黄分含む)
タオル:なし サウナ:なし 露天:なし 石鹸:なし シャンプー:なし 休憩所:なし 食堂:なし

場所:柏崎市街から国道252号線を十日町方面に向けて南下する。森近バス停の所にある小道を左折し、鯖石川に架かる細い森近橋を渡った先に森近集落がある。橋を渡って左側に進み、集落の外れを右に大きく回って、集落の中の道を進むと道路沿いに、消火栓の標識の立った小屋があり、中に黄色い貯水タンクがあるので、ここだとすぐ分かるだろう。横に湯の沢大滝への青い案内板が立っている。

料金:無料で源泉を汲むことができる。

浴室:温泉スタンドのみで、入浴設備はない。

泉質:詳細不明であるが、硫黄分を含む冷鉱泉である。手ですくった感じでは、無色・透明で、硫化水素臭があり、程よい硫黄味がある。白い湯花あり。新潟県の温泉利用状況報告書によると、ナトリウム-塩化物強塩泉で湧出量は5L/分となっているが、どうみても強塩泉ではなく、単純硫黄冷鉱泉という印象である。源泉は400mほど離れた場所にある「湯の沢大滝」にあり、そこからパイプで送水され、貯水タンクに溜められている。実際の泉質は調べられなかったが、濃い源泉が沢の水で薄まっているのかも知れない。
 なお、小屋の中の壁には、「湯ノ沢温泉の成分」と書かれた紙が貼ってある。明治28年3月14日調査というもので、硫酸亜酸化鉄 13.7197mg、硫酸マグネシュウム 7.3262mg、硫酸カルシュウム(石膏) 0.9422mg、硫酸ナトリュウム(芒硝) 0.7391mg、硫酸マグネシウム(潟利塩) 0.2985mg、硫酸カリウム(覇王塩) 0.0250mg、珪酸 0.2980mg、燐酸 痕跡、合計 23.3470mg、遊離硫酸 2.9217mg、遊離塩酸 0.0157mg、効能 リウマチ、皮膚病 と記載してある。単位も不明であり、現状に即していないので、全く当てにならない。(後述するように、同じ成分表は、「湯の沢の大滝」にある案内図にも記載されている。)

コメント:蛇口から自由に汲むことができるが、地元の人たちが維持管理しているスタンドであるので、失礼のないようにしたい。柏崎市立図書館のソフィアだより131号の記事によると、この源泉は古くから皮膚病に効能があるといわれ、明治時代にはこの鉱泉を使った浴場があったそうである。浴場はもともとは源泉近くにあったが、冬場に病人が出ても医者が行けない程の所だったため、新たに森近の南側の高台に湯宿が建てられた。その建物は、毘沙門の湯金泉館と名づけられ、2階建てで8畳の客室が5室あり、源泉から1.5km もの長さの竹樋を渡して鉱泉をひいていたという。湯宿を見下ろすように薬師堂も建てられ、そこに祀られていた薬師如来像は今でも大切に保管されており、金泉館で使用されていた浴槽も保管されているとのことである。

 源泉地の「湯の沢の大滝」付近は遊歩道が整備されており、案内板には「森近鉱泉」の明治28年の古い成分表が掲げられている。滝は大小2つからなり、男滝、女滝と呼ばれている。
 滝へ行くには、温泉スタンドから左側の細道を400mほど登っていく。この道で良いのかと不安になりながら、普通車1台がかろうじて通れるだけの細道を進むと、やがて視界が開け、橋の手前に案内板が立っている。ここから砂防ダムを超えてさらに登ると広場があり、そこから東屋の方を臨むと滝が見える。広場から遊歩道を登り下りしながら歩いていくと滝を正面に臨む東屋に到着する。うっそうとした緑の中に滝があるが、小振りながらも風情がある。案内板の地図には森近鉱泉の源泉を含め3ヶ所の温泉マークが書いてあるが、木々に隠れていて確認はできなかった。

(No.448 2009/6/9、6/16追記)

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