馬越温泉 越乃湯旅館 (長岡市:旧与板町) C  (泉質C、浴室C、設備C、眺めC)

長岡市与板町馬越1082-1 TEL:0258-72-4385 営業時間:11:00-15:00 定休日:木曜〜日曜日のみ営業
泉質:ナトリウム-塩化物強塩冷鉱泉泉、16.6℃、循環
タオル:貸してくれる サウナ:なし 露天:なし 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:あり 食堂:あり
http://www9.plala.or.jp/koshinoyu/index.html

場所:長岡市西北部の旧与板町の馬越地区にある1軒宿である。信濃川の左岸の丘陵地の谷間にひっそりと佇んでいる。与板から寺泊へ向かう信濃川沿いの県道から左手へ小道を進んだ突き当りにある。細い道で分かりにくいが、旅館のホームページに写真付きの案内図が出ているので参照されたい。駐車場横の階段を上った先に玄関があるが、玄関前には大きな杉の木が2本立っている。
 この温泉の開湯は明治23年(1890年)に遡る。帝国石油が石油掘削した際に、石油の代わりに湧出したものであり、古くから強食塩冷鉱泉として知られていた。その濃度は県内最高と噂され、一度は入浴したいと思っていたが、最初は立ち寄り湯を断られて断念。次の訪問時は廃業してしまっていた。もう入浴できないものとあきらめていたが、新しい経営者を迎えて2009年から営業再開した。

料金:大人500円、子供300円。タオルは貸してもらえるようだ。

浴室:浴室は増築された部分にあり、階段を下りた先に男女浴室がある。男女とも同じ作りで、長方形の浴槽があるのみである。浴槽には淡黄色透明の湯が満たされ、循環されている。洗い場には家庭用のボディソープ、シャンプー類があり、垢すりも置いてある。脱衣場には脱衣棚に脱衣籠があるのみで、鍵付ロッカー等はない。壁に鏡があるが、洗面台はない。脱衣棚の上にドライヤーが置いてあった。

泉質:源泉名は越乃湯。泉質はナトリウム-塩化物強塩冷鉱泉。源泉温度16.6℃。湧出量0.6L/分(自然湧出)。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成21年8月26日分析)は、Li 5.6、Na 13540、K 578.3、NH4 115.2、Mg 229.4、Ca 484.9、Sr 13.3、Ba 120.4、Al 0.2、Mn 0.4、Fe(II) 3.4、Cl 24820、Br 139.8、I 76.3、HCO3 910.4、HCO3 0.6、メタ珪酸 86.9、メタホウ酸 46.7、遊離CO2 192.3 など、ガス性除く成分総計は41170mg/kgであり、私の知る限りでは県内最高の濃度である。
 実際の湯は、淡黄色透明、無臭で、塩味があり、軽いツルスベ感がある。湧出量が少ない冷鉱泉なので仕方ないが、湯は加水され、加熱、循環、塩素消毒されている。浴感は悪くはないが、強塩泉の面影は感じられない。温泉好きとしては、加水されない濃厚な食塩泉を体験したいが、一般の方々にはちょうど良いかもしれない。

コメント:与板市街からそれほど遠くでもないが、山の麓の木立の中に隠れるようにしてあり、世間の喧騒から逃れて、静かなひと時を過ごすことができる。日帰り入浴客用の休憩用広間があり、軽食を食べることができる。現時点では営業日が限られているのでご注意。
 この濃厚な源泉から食用塩が作られ、「越乃塩」という名前で販売されている。A級品:80g 500円、B級品:100g 500円。また、この塩を使用した味噌も販売されている。

(No.461 2011/3/5)

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