寺宝温泉 こだわりの湯 (長岡市) A (泉質A、浴室B、設備C、眺めC) 2011年1月1日より湯治館での営業となりました
長岡市寺宝町 TEL:0258-28-4126 営業時間:10-21時(11-4月:20時まで)、8月2日・3日は18時閉館 定休日:第2木曜日、12月31日、1月1日
泉質:単純泉、31.8℃、掛け流し
タオル:なし サウナ:なし 露天:あり 石鹸:あり シャンプー:なし 休憩所:あり 食堂:あり
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場所:長岡市の長岡ジャンクションの北側の北陸道の西にある寺宝町に、1999年12月21日オープンした日帰り入浴施設である。道は説明しにくいが、関原地区から与板町へ向かう県道沿いである。寺宝町は北陸道西側の田畑の中の集落である。いろいろ行き方はあるが、市外の人が分かりやすい道は、国道8号線の寺島町交差点(JTがある)から県道69号線を与板方面に進む。北陸道をくぐりしばらくするとT字路があるので、そこを左折ししばらくすすんだ所が寺宝町である。
施設は木造2階建ての質素な作りである。建物は左右対称で、中央に玄関がある。下足棚に靴を置き、受付で料金を支払う。入って正面は狭いロビーで、自販機がある。中央には飲泉所が設置されており、飲泉できる。建物の左は休憩用の大広間兼食堂、右は浴室である。2階は貸し切り用の和室である。
料金:大人500円、小人300円、幼児無料。タオルなし。(2010年1月より値下げされた。)
浴室:脱衣場、浴室とも広くはない。長方形の浴槽は4畳位の広さ、中央に大きな手摺りがある。淡黄色(紅茶色のこともある)のきれいなお湯が掛け流しされている。露天風呂は2001年8月に新設されたが、石造りでかなり大きく、これも掛け流しされている。その他、外にはステンレス風呂というのがあり、どういうものか期待を持たせたが、実は使い古された家庭用のステンレス浴槽が片隅にあるだけで、お笑いであった。これまたちゃんと掛け流しされていた。冗談かと思ったが真面目なようであった。さすがに2002年、檜風呂に変わったが、これとて簡素な四角い木の箱という感じで、実用性のみで風情は全くなく、場違いな雰囲気である。
洗い場は外にもあるものの、中には4ヶ所しかなく不十分。カラン、シャワーは源泉を使用している。(右のひとつのみ水道水使用)
ボディーソープ、固形石鹸はあるが、シャンプーはない。以前はシャンプーがあったのだが、いつしかなくなってしまったのは残念である。景色は目張りされているため見えない。もっとも露天風呂の塀の外は駐車場であるので、景色の楽しみようもない。
泉質:源泉名は寺宝温泉。地下1000mから大量に自噴し、天然温泉100%で掛け流しが自慢である。淡黄色透明(紅茶色に見えることもある)の弱アルカリ性の単純泉で、浴槽のお湯はわずかに鉄味がする他は無味無臭。飲泉所の加熱していない源泉は軽度の硫化水素臭を有する。源泉温度は、30.4℃、湧出量は毎分110L(自噴)。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成20年4月9日分析)は、Na
59.4、K 17.3、NH4 4.0、Mg 2.4、Ca 4.3、Fe(II)
0.3、F 0.2、Cl 7.8、HCO3 197.4、CO3
0.9、メタ珪酸 110.3、遊離二酸化炭素 5.2 などで、ガス性除く溶存物質合計は404.3mg/kgである。オープン当初の分析に比して、各成分ともに濃度が若干低下し、湧出量が減っているのが気になる。
実はこの源泉を含めて、井戸の深さの違いから3種類の源泉があり、多少成分濃度の違いがある。浴槽のお湯は混合して使用しているらしい。また、飲泉所には2種類の飲泉用源泉があり、別々に飲泉できるようになっている。
浴槽の湯は、内風呂は41〜42℃、露天風呂は37〜38℃、檜風呂は36.5〜37℃に調整してあるという。確かに露天風呂はぬるく、ゆっくりと長時間入浴できる。檜風呂はさらにぬるい。冬場はどうなるか心配になるが、意外に温まりは良く、炭酸水素イオンのためか肌はつるつるになる。特筆大書すべきは肌に付く気泡の多さである。県内でも最高の部類ではなかろうか。特に湯温の低い露天風呂の湯は気泡たっぷりであり、湯の新鮮さを物語る。
泉質名は単純泉で特徴なさそうに思われそうだが、分析表では表しきれないすばらしい泉質である。各浴槽とも源泉掛け流しであり、掛け流し量は、内風呂35〜50L/分、露天風呂20〜60L/分、檜風呂15〜20L/分である。
コメント:最初の訪問は、オープン3日目の天皇誕生日の朝。忘年会の二日酔いをさますため、朝風呂に入りに行った。10時の営業開始前に到着したが、すでにおばちゃん連中が賑やかにしていた。男風呂は私が一番風呂であり、貸し切り状態で、ゆっくりと気兼ねなく入浴できた。その後も何度となく訪問しているが、源泉100%の掛け流しは快い。肌に付く気泡の多さには入浴する度に感動する。ただし、館内は田舎の集会所という雰囲気で、地元の方々で賑わっており、ゆったりとくつろげる雰囲気ではない。
オープン当初、2000年には、露天風呂、足浴、低温泉、障害者用家族風呂、温泉プールなどが作られる予定だと豪語していたが、実際は 2001年の夏、漸く露天風呂ができただけであった。値上げされたのに、シャンプーはなく、固形石鹸だけだったりと、値段を考えると問題であった。しかし、湯の新鮮さ、源泉100%掛け流しの醍醐味はこれらの欠点を補って余りあるものがある。泉質へのこだわりは相当なもので、食堂のラーメンのスープや甘酒も温泉水を使用しているという。館内には新聞の切り抜きなど多数掲示してあり、かつては、パンフレットに、ゲルマニウムを含んでいて、癌にも効くようなことが書いてあった。この自信過剰なまでのこだわりは、かつての苗場温泉を思い出す。
さて、2002年7月、再訪したら、駐車場脇に何と温泉プールができていて子供が泳いでいた。いかにも手作りという粗末なものであるが、驚いたことに温泉掛け流しである。掛け流しのプールとは恐れ入ってしまった。(左の写真は屋根がないが、その後屋根が作られて屋内プールとなっている。) また、ロビーの飲泉所のあるところに足湯が作られているが、私が行ったときはお湯が張られていなかった。*残念ながらその後温泉プールはなくなりました。
設備的にはお粗末であり、いかにもB級温泉という雰囲気漂うが、泉質では県内最高クラスであり、泡付きの多さはどんな温泉通をもうならせるだろう。泉質だけに限れば、自信を持ってお勧めできる。こういう温泉に浸かっていると、循環湯の温泉が何ともばからしく感じてしまう。温泉好きの方に特にお勧めしたい。
*湯治館が作られ、安く宿泊でき、日帰り利用もできる。7時〜10時までは入浴のみの利用も可能。1人600円、2人1000円である。
(No.152 1999/12/23、2001/12/7、2002/7/7、2003/12/27改訂、2004/5/31追記、2009/6/7一部改訂、2010/2/27料金訂正)
*2011年1月1日より、この「日帰り館」は閉館し、日帰り入浴も「湯治館」での営業となりました。 |