今日は新潟バッハソロイスツの演奏会など、ほかにも気になる演奏会がいろいろあったのですが、この演奏会を選びました。
「宇宙戦艦ヤマト祭り」というコンサートの題名やチラシを見ますと、コンサートの趣旨や観客のターゲットがわかりにくく、どんな催しなのか理解しにくかったのですが、良く見ますと宮川彬良指揮によるシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会で、われらが石丸由佳さんも共演するという本格的な魅力ある演奏会です。
「宇宙戦艦ヤマト」はテレビ放送や映画の初期作品を1970年代にリアルタイムで楽しみ、私の青春の思い出のアニメです。宮川泰作曲による音楽も素晴しく、交響組曲のLPも発売されて愛聴していました。
この「宇宙戦艦ヤマト」の音楽をプログラムにした演奏会は、東京や大阪などではしばしば開催されており、ネットでも演奏を楽しむことができます。
「ドラゴンクエスト」のオーケストラによる演奏会は毎年りゅーとぴあで開催されて人気になっていますが、「宇宙戦艦ヤマト」の演奏会は新潟では開催してくれず、今回の演奏会は大変貴重です。早々にチケットを買って楽しみにしていました。
なお、今日と同じメンバーによる同じプログラムは、9月14日(日)に札幌でも開催されます。シエナ・ウインド・オーケストラとしても人気の公演であり、新潟公演も大いに期待したいと思います。
演奏のシエナ・ウインド・オーケストラは、これまで何度も聴かせていただいていますが、今回は2023年11月の長岡での演奏会以来2年ぶりになります。毎回素晴らしい演奏を聴かせていただいており、今回も楽しみでした。
指揮の宮川彬良さんは、最近新潟への来演がありませんが、かつてはアンサンブル・ベガとともに毎年のように新潟に来られていたことがあり、私も2013年1月に初めて聴かせていただきました。ほかにも2014年10月には新日本フィルとの共演も聴かせていただいたことがありましたが、私個人としましては、2016年4月のLFJ新潟への来演以来9年ぶりになります。
そして新潟出身で、私の高校の後輩でもある石丸由佳さんは、首都圏を中心に全国的に活躍をされており、現在のオルガン界のトップランナーとも言えるでしょう。りゅーとぴあの第4代専属オルガニストも務められましたが、新潟での演奏は2024年3月のラスト・リサイタル以来になります。
「宇宙戦艦ヤマト」関連では、2023年7月に開催された「オーケストラはキミのともだち」のウェルカム演奏で、今日も演奏される「白色彗星」が演奏され、迫力あるサウンドで魅了されました。
各地で開催されている「宇宙戦艦ヤマト祭り」では毎回石丸さんが招聘されており、もはや「宇宙戦艦ヤマト」のオルガン演奏になくてはならないオルガニストになられています。今回の演奏も楽しみですね。
このところ体調は崩れ気味で、気分も優れません。ストレス解消のために朝6時に某スーパー銭湯に行ってサウナで汗を流してととのいました。
曇っていた空に次第に青空が広がって、すがすがしさを感じましたが、家に帰ってこの記事を途中まで書いているうちに、次第に雲が広がってきました。
ゆっくりと昼食を摂り、どんよりとした曇り空の下に家を出ました。 白山公園駐車場に車をとめてりゅーとぴあへと向かいますと、雨がぱらつき始めました。
館内に入りますと、開場待ちの長い列が東ロビーまで延びていて、さらに折り返していました。予想はしていましたが、なかなかの人気のようで驚きました。客は私と同年代の人が数多くおられて安心しました。
開場が進んでも列は途切れず、観念して私も列に並んで入場しますと、ちょうどロビーコンサートが始まるところでした。
ピアノの宮川知子さんによる演奏でしたが、ピアノではなくキーボードによる演奏で、音質が悪かったのが残念でした。
人垣で演奏の様子は見えませんでしたが、前方の人がスマホで動画撮影していて、その画面を見ながら聴いていました。音質は悪かったですが、曲も演奏も良くて、うっとりと聴き入りました。
ロビーコンサートが終わり、ホールに入って席に着きました。今回の席は3階席左の最前列で、見晴らしが良かったです。客の入りは非常に良く、Eブロック後方2列になぜか空席があるほかは1階から3階までびっしりと埋まって壮観でした。
ステージ中央にはピアノとキーボードが設置され、ステージの左右にはPA用の大型スピーカーが置かれていました。2階席・3階席のステージ周りにも小型スピーカーが配置され、1階席後方にはPAの調整卓が設置されていました。
開演時間となり、拍手の中に団員が入場し、石丸さんもオルガン席に着きました。コンマスが立ち上がってチューニングとなりました。
いつものチョッキ姿の宮川さんが登場し、大きな拍手が贈られました。オルガンに合図を出して、オルガン席に照明が当てられ、ステージが暗くなり、オルガン演奏が始まりました。
1曲目はオルガン独奏で「白色彗星」です。ホールに響き渡る力強くも華やかなオルガン。コンサートの幕開けに相応しい迫力ある演奏に引き込まれました。
ステージが明るくなり、ゆうきさんのスキャットがしっとりとホールに響き、オケとともに、組曲「宇宙戦艦ヤマト」が演奏されました。聴き馴染みのある名曲が次々と現れて、遠い青春時代の思い出が甦りました。
宮川さんの挨拶とトークとなり、この間に石丸さんは退場しました。ピアノとキーボードの宮川知子さんが登場し、男声合唱の5人も右後方に座りました。
続いては「YAMATO & VILLAINS part 1」です。「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに登場する数々の“敵”の音楽を集めたそうです。曲目説明があって演奏が始まりました。
「地球を飛び立つヤマト」を穏やかに演奏し、ガーレ・ガミロン国歌「永遠に讃えよ我が光」が、勇壮な大太鼓に引き続いて、男声5人により力強く歌われました。
「デスラーのボレロ」をボレロのリズムにのせて堂々と行進するように演奏し、「艦隊集結」は、宮本さんが映画「ベン・ハー」のパクリだと話されていましたが、力強く華やかな、ゴージャスなサウンドで魅了しました。
「コスモタイガー」を合唱とともに勇ましく演奏し、ノリノリに踊り狂うようなリズムで織り上げて、最後の「イスカンダル」をハープとともにしっとりと、ゆったりと演奏して感動を誘い、前半のプログラムを終えました。
休憩時間には、女子トイレと同様に、男子トイレにも長い行列が延びていて驚きました。いつものコンサートに比して、男性の割合が多いせいでしょうか。
後半の開演時間となり、団員が入場するとともに、オルガン席に石丸さんが着きました。チョッキの色が青から紫に変わった宮川さんが登場しました。
後半最初は「YAMATO & VILLAINS part 2」です。演奏前の曲目紹介で、宮川さんは「宇宙戦艦ヤマト」の音楽はELPの影響を受けていると話されていました。
最初はコンサートの最初にパイプオルガンで演奏された「白色彗星」ですが、影響を受けたELPのキース・エマーソンに捧げる曲として作曲したバージョンで、パイプオルガンとロック・オルガンとの掛け合いを聴いてほしいと話されていました。
パイプオルガンの神秘的な演奏に始まり、宮川知子さんのオルガン(キーボード)演奏とが融合して、ロック調の激しさがあって、聴き応えある音楽でした。最後はパイプオルガンで静かに終わりました。
続く「大帝ズォーダー」は、クラリネット・ソロで始まり、スキャットがしっとりと歌い、ピアノを交えて情感豊かに演奏し、暗さの中に終わりました。
ここで宮川さんのMCがあり、石丸さんとスキャットのゆうきさんが退場しました。曲目紹介の後、4曲が続けて演奏されました。
「翼〜必ずここへ〜」は、トランペット・ソロで始まり、「宇宙戦艦ヤマト」のテーマを、しんみりと、悲しげに演奏して、しっとりとした感動を誘いました。
「ドッグ・ファイト」は、勇壮にホルンが鳴り響き、力強く戦いの音楽を奏でました。「果てしなき戦い」は、力強さの中に悲しみも交えてリズムを刻みました。そして「ヤマト渦中へ」は、明るく、力強くテーマを奏でて、リズミカルな音楽により高揚感を感じさせました。
宮川さんのMCがあり、その間に石丸さんがオルガン席に着き、最後は「YAMATO & VILLAINS part
3」です。「悪」を意味する音程について、宮川知子さんのピアノを交えて説明があり、興味深く拝聴しました。
最初は「自動惑星ゴルバ」で、ドラムとともに激しく始まり、ピアノを交えて「悪」のテーマを迫力いっぱいに演奏し、おどろおどろしく終わりました。ピアノが活躍する演奏でしたが、ピアノにもPAが使用されて、せっかくの音色が汚い音になっていたのは残念でした。
「暗黒星団帝国」は、ミステリアスなスキャットとともに、いかにも「悪」というような音楽でした。「別離」は、オーボエ・ソロで始まり、しっとりとした音楽で泣かされました。
「愛」は、しっとりと悲しくピアノが歌い、静かに、しかし雄大にメロディを奏で、次第に情熱を高め、オルガンが加わってスキャットがしっとりと歌い、壮大に音楽を演奏し、最後はオルガンとハープとで、しっとりと終わって感動を誘いました。
大きな拍手に応えて、アンコールに「愛は今も光」を、ゆうきさんが力強く歌い、ホールに大きな感動を沸き起こしました。
宮川さんの挨拶があって「真っ赤なスカーフ」が、サンバ風の明るいリズムで演奏され、賑やかな音楽で盛り上げました。
そして最後はもちろん「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌です。スキャットも加わって、男声合唱により力強く歌われて、ホールに大きな感動と興奮をもたらして、「宇宙戦艦ヤマト祭り」は終演となりました。
私は初期の「宇宙戦艦ヤマト」と親しんだ世代ですが、その後も延々と続編が続いていて、それらの音楽は新鮮に感じられました。
宮川泰・宮川彬良の2代に渡る名曲の数々を堪能し、頭の中はヤマト漬けになってしまいました。心を打つ美しい曲も数多く、「宇宙戦艦ヤマト」の魅力を音楽面で再確認できました。
ただし、PAが多用されていて、アコースティックな響きが排除され、電気処理された音響は残念に感じました。音響に優れたコンサートホールですので、PAなしでも十分に楽しめたように思いますが、まあ、コンサートの趣旨を考えますと、これで良かったのでしょう。
ホールを出ますと、雨かと思いましたが、天候は崩れていなくて良かったです。暑さはほどほどでしたが、湿度が高く、ジメジメした空気の中に駐車場へと歩きました。
(客席:3階 I 3-8、A席:¥7700) |