劇団四季 ジーザス・クライスト=スーパースター [エルサレム・バージョン]
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2024年8月14日(水) 13:30 新潟県民会館 大ホール
 
初演日本版演出:浅利慶太
作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
作詞:ティム・ライス(訳詩:岩谷時子)

ジーザス・クライスト:神永東吾
イスカリオテのユダ:吉岡慈夢
マグダラのマリア:守山ちひろ
カヤパ(大司教):金本和起
アンナス(カヤパの義父):一和洋輔
司祭1:正木棟馬
司祭2:中橋耕平
司祭3:真田 司
シモン(使徒):柴田鴻洋
ペテロ(使徒):辻 雄飛
ピラト(ローマの総督):山田充人
ヘロデ王:北澤裕輔
ほか

 劇団四季は、毎年様々な演目で、新潟県内各地で公演をしています。観に行きたい公演も多々あったのですが、これまで都合が合わなくて観に行く機会がありませんでした。
 今回は珍しくお盆休み中の公演であり、都合がつきそうでしたので、チケットを買いました。ただし行けない可能性も高かったので、リスク管理をして、一番安いB席にしておきました。今年だけでも何枚ものチケットを無駄にしていますので、次善の策です。

 ミュージカルに疎い私ですので、劇団四季の公演を観るのは、2005年5月に東京で観た「オペラ座の怪人」以来ですので、実に19年振りです。
 今回の演目は、創立70周年の劇団四季の原点ともいえる「ジーザス・クライスト=スーパースター」です。70周年記念公演としての東京・京都でのロングラン公演を終えて、6月末から全国公演が始まり、北陸を巡って新潟に入り、12日が上越文化会館、13日・14日が新潟県民会館での公演です。この後も延々と全国を巡って行きます。
 劇団四季は、東京の専用劇場でのロングラン上演のほか、全国各地で同時にいくつもの演目を上演しています。現在も10公演を同時上演中であり、俳優・スタッフ総勢1400人という世界でも最大規模の興行企業としての力は大したものだと思います。
 そして、日頃ミュージカルに接する機会がない全国の地方都市にも巡業してくれて、地域住民に楽しみを与えてくれるほか、地方での文化の向上に寄与してくれているのは素晴らしいことだと思います。私もせっかくの機会を楽しませていただきたいと思います。

 今日はお盆の14日、休みをいただくことができ、予定通りにこのミュージカルに出かけることができました。ありがたいことです。
 ゆっくりと昼食を摂っていますと、TVでは岸田首相の総裁選不出馬という緊急の記者会見が行われており、国の行く末を憂いながら家を出ました。
 白山公園駐車場に車をとめて、狭い県民会館の混雑を見越して、りゅーとぴあでひと休みして、開場時間になったところで県民会館に移動しました。
 開場の列に並んで入場しますと、プログラムやグッズ販売の長い列が長く伸びていて、この公演を楽しみにしていた人が多いことに驚きました。本日の出演者のボードを撮影するのにも列ができていました。出演者については、入口で紙が配布されましたので、写真撮影するまでもないのですが、ファンの皆様には、このボード撮影も大事なんでしょうね。私も撮影しましたけれど・・。
 それにしましても、県民会館のロビーの狭さには困ったものですね。なお、今更ながら気付きましたが、トイレが非常にきれいになっていて驚きました。

 さて、ホールに入りますと、緞帳は使用されず、薄暗さの中にステージの舞台が見えていました。ホールによっては開演前の舞台の写真撮影が可能なのですが、新潟では撮影禁止のようでした。
 私の席は、最安席のB席ですので、2階席の後方なのですが、その中でも前方の席を選びました。ステージを見下ろす形になりますが、ステージ全体を俯瞰できますので良かったかもしれません。

 開演時間となり、場内が暗転し、ステージの照明が明るくなりますと、出演者がスタンバイしていて、ロックオペラの開演です。
 ステージには、エルサレムの荒野をイメージした簡素な舞台装置が設置されていました。ステージ前方に向けて斜めになっており、以後照明により様々に場面転換されて、イエス・キリストの最後の7日間を描いた物語が進行しました。

 音楽は録音されたもので、出演者の歌声はPAを介して大音量で流れ、ちょっと音量が大きすぎるのではないかと思える場面も多々ありました。
 今日の出演者のできがどうなのか、この公演を1回観ただけの私には評価はできませんが、熱唱に圧倒され、次第に物語りに引き込まれ、大きな感動をいただきました。
 ジーザスやユダなど、役名がある出演者のほか、群集の迫力も見応え・聴き応えがあり、私でも知っている聴かせどころのマグダラのマリアのアリア「私はイエスがわからない」の歌声は美しく、大きな拍手が贈られました。
 そして、最後の「スーパースター」は期待通りに楽しめて、3人の女性が歌う「ジーザス・クライスト、ジーザス・クライスト、誰だ、あなたは、誰だ・・・・」という歌声が耳から離れません。

 鞭打ちの刑に処せられ、最後は十字架にかけられて静かに物語りは終わりましたが、繰り返されるカーテンコールでは、満席の客席の全員総立ちのスタンディングオベーションとなって、素晴らしいパフォーマンスを讃えました。

 初めて観る「ジ−ザス・クライスト=スーパースター」であり、全編台詞なしで歌と音楽だけ進行したため、歌詞が聞き取れなかった部分も多く、内容の理解は十分でありませんでしたが、細かなストーリーは分からなくても、音楽劇として十分に楽しめました。
 高額なプログラムでも買って内容を勉強すれば良かったのかもしれませんが、そこまでのコアなファンではありませんので、気楽に楽しませていただきました。

 感動を胸に、外に出ますと、暑さが待ち受けていましたが、ホールに熱気にはかないません。いいお盆休みのひと時を過ごせて良かったです。
 

(客席:2階10-25、B席:¥5000)