今日は毎回楽しみにしている新潟交響楽団の定期演奏会です。前回(2021年11月)の第107回定期演奏会は、創立90周年記念演奏会として開催され、指揮者にかつて潟響と一時代を築いた松沼俊彦さんを迎え、新潟が誇るオルガン奏者の石丸由佳さんとともに、サン=サーンスの交響曲第3番を熱く演奏してくれました。今回は初共演となる平川範幸さんを指揮者に迎え、どのような演奏を披露してくれるのか期待は膨らみました。
チケット発売とともに気合を入れて指定券を購入したのですが、その後知人からチケットをいただくことができ、急いで自分で買う必要もなかったと反省しました。
今日は朝から青空も見えて、暑すぎることもなく、穏やかで過ごしやすい日曜日となりました。ブログを書き、ゆっくりと昼食を摂って家を出ました。
白山公園駐車場に車をとめ、歩いて某所まで行って所用を済ませ、りゅーとぴあ入りしました。3300歩ほど歩いて、疲労困憊。体力の低下を自覚しました。
中に入りますと、すでに開場されていて、長い入場の列が東ロビーまで延びていました。客の入りとしましては、いつも通りというところでしょうか。
開演時間となり、拍手の中に団員が入場。全員揃うまで起立して待ち、最後にコンミスの松村さんが登場して、大きな拍手が贈られました。オケのサイズは10型で、弦5部は私の目視で10-10-10-7-6です。
平川さんが登場して、最初はモーツァルトの「魔笛」序曲です。まずオケの柔らかなサウンドに驚きました。弦が軽快にリズムを刻み、心地良い音楽が爽やかに流れ出ました。これまでの潟響から一皮剥けて、躍動感のあるアンサンブルで楽しませてくれました。
2曲目はメンデルスゾーンの交響曲第5番です。重厚な弦楽合奏に導かれて美しい金管のファンファーレが鮮やかに奏でられ、静と動を繰り返して壮大な音楽となって劇的に盛り上がり、その後に静けさが訪れるも、再び力強い音楽で第1楽章を〆ました。
第2楽章は、軽快に、ダンスを踊るかのようにリズムを刻み、爽やかな音楽でひと息つきました。第3楽章は、弦楽器によって奏でられる哀愁溢れるメロディーが胸に染み入りました。
第4楽章は、フルートによる美しいコラールが奏でられ、それを受けての弦楽も美しく、その後は明るく生き生きとした音楽となりました。壮大なコラールが奏でられ、感動の音楽が閉じられました。
静と動のメリハリがある躍動感のある演奏であり、気持ちよく音楽に没頭できました。日頃聴く機会が少ないこの曲の魅力を再認識させていただきました。
休憩後の後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。チェロとコントラバスが増えて、弦5部は10-10-10-8-9となりました。
この曲は12年前の2010年の第87回定期演奏会で、燃える指揮者・松沼俊彦さんとともに、それこそ爆発するような熱い演奏を聴かせてくれています。
結論から申し上げて、今回の演奏もそれに匹敵、いや、それ以上に熱く燃え上がった演奏であり、爆演という表現が適当に思えました。
第1楽章冒頭の、クラリネットが重苦しく奏でる「運命の主題」から一気に演奏に引き込まれ、激しく流れる音の洪水に身を任せました。第2楽章の聴かせどころのホルンのソロもバッチリと決まり、第3楽章の爽やかなワルツにうっとりとしました。
そして怒涛の第4楽章。多少の乱れはなんのその。猛スピードで一心不乱に駆け上がり、どんどんとヒートアップしていきました。最後に勝利の凱旋行進曲を力強く壮大に歌い上げ、興奮と感動の音楽を創り上げました。
コロナがなければブラボーの嵐になるはずの演奏であり、大きな拍手で演奏を讃えました。アンコールは「ニムロッド」。これも美しいアンサンブルにうっとりとしました。チャイ5の興奮を鎮めてくれて、穏やかな気分でホールを後にしました。
新しい指揮者の下で、これまでの潟響から大きく脱皮し、燃え上がる演奏を披露してくれました。このような熱い演奏を前にしますと、プロもアマも関係ありません。演奏技術を議論することなど意味はなく、ただ音楽に身を委ねるだけでした。
もしかしたら、平井さんとともに、潟響の新時代が到来したのかもしれません。次回の定期は11月20日で、平井さんの指揮でブラームスの交響曲第3番ほかが演奏されます。また、12月18日には、平井さんの指揮で第九が演奏されます。次はどのような演奏を聴かせてくれるのか楽しみにしたいと思います。
(客席:2階C3-7、指定席:¥1500) |