ウインド X リルト ジョイントコンサート 平成最後の大演奏会
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2019年4月29日(月・祝) 13:30 新潟県民会館 大ホール
 
新潟ウインドオーケストラ(指揮:山内信英)
シンフォニック・アンサンブル・リルト(指揮:河本隆吉)
 
新潟ウインドオーケストラ第63回定期演奏会
シンフォニック・アンサンブル・リルト第24回定期演奏会

第1部 リルトステージ

オッフェンバック/河本隆吉編:天国と地獄
マスカーニ/河本隆吉編:カヴァレリア・ルスティカーナ
メンケン/森田一浩編:ノートルダムの鐘
ハーライン/船山基紀:星に願いを

(休憩10分)

第2部 ウインドステージ

ジェイガー:シンフォニア・ノビリッシマ
プッチーニ/後藤洋編:歌劇「トゥーランドット」より
スコットランド民謡/福田洋介編:故郷の空 in Swing

(休憩15分)

第3部 ジョイントステージ

ショスタコーヴィチ/ハンスバーガー編:祝典序曲(指揮:山内信英)
ブラウン:ディズニーランド・セリブレーション(指揮:河本隆吉)
星出尚志:ジャパニーズ・グラフィティ[ ウルトラ大行進!(指揮:山内信英)
ヴェルディ/河本隆吉編:歌劇「アイーダ」より 凱旋行進曲(指揮:河本隆吉)

(アンコール)
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ (指揮:山内信英)
曲目不詳  (指揮:河本隆吉)

 いよいよ平成も終わり、最後のコンサートは新潟ウインドオーケストラとシンフォニック・アンサンブル・リルトのジョイントコンサートです。隣のりゅーとぴあでは、若者たちの吹奏楽の祭典である「第23回 Joint Concert in Brass 2019」が開催され、どちらに行くか悩みましたが、“平成最後の大演奏会”というキャッチコピーに魅かれ、新潟を代表する吹奏楽団のジョイントコンサートを選択しました。

 このコンサートは、「新潟ウインドオーケストラ第63回定期演奏会」と「シンフォニック・アンサンブル・リルト第24回定期演奏会」ということで、2つの定期演奏会を聴くとともに、合同演奏も聴けるというお得な演奏会です。
 新潟ウインドオーケストラを聴くのは2016年12月以来、シンフォニック・アンサンブル・リルトを聴くのは2015年2月以来となります。どちらもご無沙汰してしまいました。

 県民会館には開場30分前に到着しましたが、すでに開場待ちの列が伸びており、私もその列に並びました。外に列が伸びていましたので、天候が良くてよかったです。
 開場時間となり、中ほどに席を取りました。2階席が使用されませんでしたので、客席はびっしりと埋まりました。さすがに吹奏楽人気はすごいですね。隣のコンサートホールも大盛況のはずであり、今日は吹奏楽デーといえましょう。

 第1部はシンフォニック・アンサンブル・リルトのステージです。まず、団員が入場してびっくり。オケでいうコンマス席にヴァイオリンが座っているではないですか。それも見覚えある顔。そう、昨日のコンサートで見事なソロを聴かせてくれた河本彩さんです。
 どうしたのかと不思議に思っている中、指揮の河本隆吉先生が登場して、自身の編曲による「天国と地獄」が演奏されました。実はこの中にヴァイオリンソロがあったのでした。
 勘のいい人は気付かれたと思いますが、実は河本彩さんは、ご想像の通り河本隆吉先生の娘さんであり、こういう演出が実現したものと思います。さらには河本先生の奥様もピアノで参加されており、一家揃っての共演ということになりました。
 そんなことは別にしても、演奏はすばらしかったです。河本彩さんの美しいソロが抜群の演奏効果を上げ、聴き映えのする極上の音楽に仕上がっていました。

 河本彩さんが下がって、やはり河本先生自身の編曲による「カヴァレリア・ルスティカーナ」。しっとりと美しく、癒しの音楽が奏でられました。
 「ノートルダムの鐘」では団員によるコーラスもあって、新鮮な感動を与え、心に響く美しい音楽に仕上がっていました。
 「星に願いを」をソフトなサウンドで演奏し、感動のステージを締めくくりました。これぞ吹奏楽というような、聴き応えある演奏に感激しました。

 休憩時間にステージが整えられ、第2部は新潟ウインドオーケストラです。指揮は山内信英先生です。先ほどのリルトとは若干編成が異なり、コントラバスがない代わりに、チューバが4人もいて、低音を支えていました。

 「シンフォニア・ノビリッシマ」は、チューバの重低音で支えられた重厚なサウンドで魅了し、“これぞ吹奏楽!”というような感動をいただきました。
 「トゥーランドット」ではプッチーニのオペラの世界を、ドラマチックに表現し、おなかいっぱいに楽しませてくれました。
 「故郷の空 in Swing」では、一転して明るく軽やかにスイングして、楽しい気分のなかにステージを締めくくりました。

 休憩を置いて、第3部はジョイントステージです。総勢100人になろうという大編成で、視覚的にも豪華であり、圧倒的サウンドで魅了しました。

 1曲目は山内先生の指揮で、ショスタコーヴィチの「祝典序曲」です。令和への改元を祝うにふさわしい曲であり、華やかな演奏で気分を盛り上げました。

 2曲目は河本先生の指揮で「ディズニーランド・セレブレーション」です。お馴染みのメロディが散りばめられていましたが、単なるメドレーでなく、吹奏楽としての味わいが深いものとなっていました。

 3曲目は山内先生の指揮で「ジャパニーズ・グラフィティ[」。ウルトラマン・シリーズの4曲がメドレーで演奏されましたが、リアルタイムで見ていて、主題歌を口ずさめてしまう私は、やっぱりジジイですね。

 最後の4曲目は河本先生の指揮でアイーダの「凱旋行進曲」です。フィナーレを飾るに相応しい曲です。客席の前方の左右にバンダが配置され、壮大な音楽劇を展開しました。
 左右から吹奏されるアイーダトランペット。大編成のオーケストラが奏でる迫力あるマーチ。河本さんの編曲の素晴らしさもあって、吹奏楽の楽しさを知らしめるに十分すぎるほどの感動と興奮をもたらし、劇的なフィナーレを迎えました。

 アンコールは山内先生の指揮でソフトに興奮を鎮めた後、再び河本さんの指揮で爆発し、ジョイントコンサートの最後を飾りました。

 新潟に数ある吹奏楽団の中で、存在感を示す2団体が力をあわせ、平成最後を飾るにふさわしい大演奏会を成功させました。
 平成の最後の最後に、このような演奏を聴くことができてよかったです。令和が良き時代となることを祈りつつ、高揚した気分とともに家路に着きました。 
 

(客席:1階15-17、¥1000)